TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで
君の笑顔を本物に

一覧ページ

「君の笑顔を本物に」のメインビジュアル

君の笑顔を本物に

4 - 利益がないのに…

♥

870

2024年06月01日

シェアするシェアする
報告する

続きです

どうぞ!

⚠太中⚠

⚠暴力表現⚠

⚠リスカ⚠


太宰 「あ!中也〜!!」

中也 「あ、おはよう」((ニコッ

はぁ…僕にはその笑顔は通用しないのにね

太宰 「今日はね〜、学校行ったら色んなことが起こるかもね」

中也 「???」

太宰 「一緒に学校行こ!」

中也 「はぁ!?なんでだよ!」

太宰 「ぇ?ダメなの?」((ウルウル

中也 「う”ッ…はぁ……門までだからな」

太宰 「ケチだな〜…」

僕は見るからに拗ねると中也はどうするのだろう?興味本位で拗ねてみたが……

中也 「……昇降口までな」

太宰 「!」

こんな扱い……今まででされたことなどなかった。

自分のしたいことは後回しにされ、アレやれコレやれを言われて奴隷のように扱われてきたから…

太宰 「ふふっ…ありがとう」

中也 「?…おう」



学校に着いたら中也は何故か別人のようになった。

モブ 「え…?」

モブ2 「なんで太宰君と中原君が一緒にいるの?」

僕と中也が一緒に来たからだろう、学校はザワザワし始めた。

中也 「じゃあここまでな」((ニコッ

太宰 「あ…うん……」

あれ?なんで中也は僕に笑いかけたんだ?

でも僕は見逃さなかった。

僕に笑いかけてから中也が数歩歩いた時のあの希望を捨てたような、でも少し希望を求めているような顔を。

そして思わず僕は…

太宰 「やっぱり教室まで!」

中也 「は……?」

太宰 「お願い!!」

中也 「い、いや……だって…」

モブ 「え…太宰君のお願いを断ろうとしてるんだけど……」

モブ2 「まじ?凄いね…」

中也 「ッ…」

そう、ここまでは僕の思った通りだ。

中也 「手前……」

太宰 「お願い…」

中也 「はぁ…わかった……」



僕と中也は違うクラスだ。

だから中也はクラスで何をしているのかもわからない。

だけど何となく、思ってしまったのだ。

太宰 「中也のクラスは此処だね!」

僕が扉を開けようとした瞬間に中也は叫んだ。

中也 「待て!」

でも僕は驚いたて開けるのを止めようとしたが遅かった。

次の瞬間……

ビシャ

太宰 「……」

僕の髪の毛から滴る水…

モブ 「え……太宰君!?」

モブ2 「なんで太宰君が?!」

中也 「だ……ざい…!」

太宰 「……」

中也 「ッ…!」

中也はとても怒ったような顔をしながら僕の手を引いて教室を離れた。



太宰 「中也?」

中也 「はぁ…すまねぇな……」

太宰 「なにが?」

中也 「いや、なんでもねぇ」

そう言うと中也はスクールバックから大きめのタオルを出した。

何をするのかと思ったら、それを僕の頭にかけたのだ。

太宰 「?……何してるの?」

中也 「何って見て分からねぇか?拭いてるんだよ」

太宰 「いや、それはわかるけど……なんで?」

中也 「其の儘だと風邪引いちまうだろ?」

太宰 「でも僕がどうなろうが中也には関係なくない?」

中也 「お前は俺が浴びるはずだった水を浴びたんだ」

中也 「俺の責任だ。」

意味わからない。

だって中也は僕に何もしていない、なんなら僕が勝手に教室の扉を開けて勝手に水を浴びたのだから。

しかも、僕をタオルで拭いてくれてるけど中也には利益は何も無い。

唯中也の持っていたタオルが濡れて、中也の体力が少し減るだけ。

太宰 「どうして君はこんな事をするんだい?」

中也 「こんなこと?」

太宰 「僕を拭いても君に利益など何も無い、なのになんで…」

中也 「唯、したいからするだけだよ」

太宰 「……そう…」

中也 「じゃあ後は自分で拭けよ?俺はやらなきゃならないことがあるから」

太宰 「うん」

中也は笑顔で僕に手を振りながら戻って行った。

でも僕は知ってる、あの笑顔も本物では無いことを。

そこから僕は体操着に着替えて教室に戻っていた。

廊下を歩いてる途中で誰かの話し声が聞こえたから声のする方へ行ってみた。

中也 「もうやめてください。」

中也の声だった。

僕は気になって影からその話を聞いていた。

先輩 「お前が言ったんだろ?」

中也 「でも結局今日太宰はずぶ濡れになった!約束と違うじゃないですか!!」

先輩 「それは計算違いだったんだよ」

中也 「計算違いって…」

先輩 「うるせぇな…手前みたいな餓鬼が何を言おうが俺に勝てるわけねぇだろ!!」

先輩らしき人が中也に怒鳴ると共に、中也のみぞおち辺りを殴った。

中也 「カハッ!」

先輩 「後輩なんだから静かにしてれば今日のところは許してやったというのに……」

中也 「ッ…お前がイケナイんだッ!」

先輩 「あ?今日は反抗的だなぁ?」

中也 「太宰は……治は…俺の家族も同然なんだ!」

僕は中也にそんなふうに思われていたなんて知らなかったから息をするのを忘れてしまった。

中也 「大切な人なのにッ!なのにッ…!!」

先輩 「だからうるせぇって!!」

先輩は中也のことを容赦なく殴っては蹴ってを繰り返していた。

その姿を見て、僕は昔自分が中也に言ったことを思い出した。

“自分に利益がないのになんで中也が怪我した時に僕が直々に動かなきゃならないわけ?”

太宰 「ッ…」

そこから僕は無意識に躰を動かしていた。



今回はここまでです!

次回をお楽しみに!!


君の笑顔を本物に

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

870

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚