テラーノベル
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練習前。五人は、いつものように練習場へ集まっていた。
「……え、なにこれ」
テレビから流れてきたニュースに、舜太が反応する。画面には、連続無差別殺人事件のニュース。そして最後に、
『犯人が現在、こちらの地区に潜伏している可能性もあるとのことです』
というテロップが出た。
「……え?」
太智の顔から、さっと笑顔が消えた。
「ちょ、待って。怖すぎるやろ」
舜太も目を見開いている。
「この辺ってこと?」
「可能性がある、ってだけでしょ」
柔太朗が落ち着いた声で言う。
「噂みたいなもんじゃない?」
「いやいや、無差別やで?」
太智がテレビを指差す。
「しかも包丁持って歩いとるとか言うてるやん。怖すぎるって」
「でもここ、防犯しっかりしてるやろ?」
舜太が言う。
「入口もちゃんとしてるし、そう簡単には入ってこられへんって」
「それでも嫌やぁ」
太智は本気で嫌そうだった。
「今日、練習リスケしようや」
「でもさ」
仁人がテレビから目を離さずに言う。
「俺も怖いけど、五人揃って練習できる日ってそんなに多くないじゃん」
「……まぁ」
「ライブも近いし。今日合わせたい」
太智は唇を尖らせる。
「仁人まで……」
「まぁ、みんなでいれば大丈夫でしょ」
その会話を聞きながら、勇斗は黙っていた。
――もちろん、全部知っている。今日のニュースも。犯人がこの地区にいるという情報も。そして、このあと起きることも。
「じゃあ、やろっか」
勇斗が明るく言った。
「ほら、時間もったいないし」
「……勇斗、怖ないん?」
「怖いけど、練習したいし」
「うーん……」
太智は最後まで渋っていた。けれど、結局五人で練習することになった。
*
練習が始まってしばらく。音楽が止まる。
「一回休憩しよ」
「はーい」
「疲れたぁ」
舜太が床に座り込んだ。太智も水を飲む。柔太朗がタオルで汗を拭いている。仁人は振りを確認していた。そのとき、ガチャと扉が開く。五人が一斉に振り返る。
そこに立っていたのは…見知らぬ大柄な男。そして、その手には……包丁。
「…………」
誰も動かなかった。
男が一歩、入ってくる。
「……え?」
舜太の声が震えた。太智は、頭では逃げなければと思っているのに足が動かなかった。
――嘘やろ…なんで。
さっきニュースで見たばかりのものが…
今、目の前にある。
「……逃げなきゃ」
柔太朗が小さく言った。
「え?」
「みんな、逃げて」
男がこちらへ向かってくる。
一気に空気が崩れた。
「うわぁっ!」
全員が後ろへ下がる。仁人が周囲を見回す。けれど、唯一の出入り口方向には男がいて逃げ道がない。端へ追い詰められる。
ほんの一瞬、仁人と太智の目が合った。言葉はないが、仁人は顎を少し上げ、太智は小さく頷く。そして二人の視線が自然に舜太と柔太朗へ向いた。
仁人は舜太の肩を掴んで、自分の後ろへ寄せる。
「仁ちゃん…どうしよっ…!」
「舜太、俺の後ろから離れないで」
太智は一番男に近い柔太朗の上から覆い被さる。柔太朗の目が揺れる。覆い被さる太智の震えが伝わる。
「太ちゃんも怖いでしょ」
「怖い」
太智は正直に答えた。
「めっちゃ怖い」
相手のほうが明らかに大きい。何かできる保証もない。けれど二人とも柔太朗と舜太を、自分たちより先に危険に晒すことだけは嫌だった。
近くにいた太智と柔太朗の方へ男が襲いかかる。
「太ちゃん、危ない!」
「ぐっ……!」
勇斗が太智の前へ飛び出した。
包丁が身体に入ったように見えた。
「勇斗!?」
太智の叫び声が響く。勇斗はその場に膝をつきながら、それでも男の腕を掴んだ。
「…後で行く…逃げろ……!」
迫真の表情に苦しそうな声で搾り出す。
そのまま男と必死に揉み合う。
「嫌やぁっ!勇ちゃんっ!!」
舜太が泣き出した。
「舜太!いくよ!」
仁人が叫ぶ。
「でも勇ちゃんが!」
「行かなきゃ!」
仁人が舜太の腕を掴む。
「勇斗が時間作ってくれてる!」
「嫌やぁ……!」
舜太は泣きながら引っ張られていく。
動けない太智の肩を柔太朗が掴んだ。
「太ちゃん、行こう!」
「…っ、勇斗助けなきゃ!」
「太ちゃん!」
柔太朗が必死に太智を連れていく。
二人で廊下へ飛び出し階段へ。
「早く!」
「勇斗……!」
太智は何度も後ろを振り返る。
柔太朗が腕を引き一階まで降りる。走って、走って。ようやく人のいる場所へ出た。
パッと照明が変わった。スタッフが一斉に出てくる。そして目の前に。
『ドッキリ大成功!!』
の大きな文字。
「………は?」
仁人が止まり、舜太も泣いたまま固まっている。柔太朗は呆然。
「……ドッキリ?」
太智だけがまだ後ろを見ている。
「勇斗……、勇斗は!?」
スタッフが笑っている。
「大丈夫です!」
「どこ!?」
すると、階段の上から。
「生きてるよ〜ん!」
「…………!」
包丁が刺さったように見える仕掛けをつけたまま、勇斗がひょこっと顔を出した。
「勇斗ぉーーー!!」
太智が涙を浮かべて突進してくる。
「うわっ!」
「お前ぇーーー!!」
「痛い痛い!」
太智は勇斗を殴るでもなく、ただ強く抱きしめる。
「ほんまに死んだと思ったやん!!」
「ごめんな〜」
勇斗が笑いながら太智を抱きしめ返す。
一方、仁人は完全に力が抜けていた。
「……おかしいと思ってたんだよ」
へろへろとその場に腰を下ろす。
スタッフが笑う。
「どのあたりで?」
「いや……そもそも、あんな都合よく犯人が来るわけないじゃん」
「じゃあ気づいてた?」
「気づいてたけど!」
仁人は勇斗に指を差す。
「勇斗の顔が迫真すぎて!本当に刺されたのかと思ったんだよ!」
「演技上手かったでしょ?」
「上手すぎるんだよ!」
そして、腰を抜かしたままスタッフを見る。
「ドッキリでテレビに出れるのは嬉しいですけど…心臓に悪いのは、ほんとやめてくださいよ」
スタッフが一斉に笑う。
その隣では、舜太がまだ泣いている。
「……ほんまに怖かったぁ……」
「舜太、まだ泣いてる」
「もぉ、よぉわからん…」
勇斗が笑う。柔太朗はようやく状況を理解して、胸を撫で下ろした。
「良かった〜….ほんとにやばかった」
柔太朗は苦笑し、それを見て仁人が爆笑している。スタッフが、仁人と太智を見る。
「でも、お二人すごかったですね!」
「え?」
「襲われる直前、目を合わせてましたよね」
仁人と太智が顔を見合わせ、仁人少し照れながら言う。
「なんとなく…太智見たら、めちゃくちゃ怖がってたけど、同じこと考えてるなって」
太智が笑う。
「…僕らで守らなあかんなって、言わんでも分かったな」
「まあね」
柔太朗が二人を見る。
「俺、足ガクガクの太ちゃんがめっちゃかっこよく見えたよ」
「足ガクガクやったの言わんでええやん!」
一同が笑いに包まれる。舜太も涙を拭きながら、
「俺も最初から最後まで仁ちゃんに先導されてた…ほんまにありがとな仁ちゃんっ」
「照れるからいいって」
その横で勇斗が、
「俺も身を挺して守ったんだけどなぁ」
と口を挟む。太智がすぐに振り返った。
「勇斗は仕掛け人やからなぁ!?」
「えっ」
「そもそも全部知ってたんやろ!?」
抱きついたままの太智が勇斗をガクガク揺らす。スタッフがそんな五人を見て、思わず笑う。
「……すごい仲良いチームですね!」
「仲は良いですよ」
仁人が笑う。
「仁人も勇斗に言ったれ!」
と、太智からヤジが入る。
仁人がぼそっと。
「……まぁ、今日全員トラウマになったんじゃない?」
「俺まだ心臓バクバクしてるわ!」
「俺もー」
舜太が叫び、柔太朗も笑う。勇斗とスタッフが頭を下げて「ドッキリかけてごめんなさい〜!」と謝った。
「今日はもう練習したくないわぁ〜!」
と太智が言う。
メンバーもスタッフも一斉に笑った。
「そこは最初の主張に戻るんだ!」
――結局この日のダンス練習は、予定より少しだけ短くなった。
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やってm!lk全話観たくてU-NEXT入りました。殺人鬼の家にみんなで行くやつ、🩷🤍の頼り甲斐ったら…!
💙が手痛くなるくらい🤍の腕掴んでたり、🩷に手繋いでもらってたり本当に可愛かったです。観てたら書きたいのが多すぎるけど文字起こしが。とりあえず🤍💙が自分の中でキてます笑
コメント
9件
最初にテレビで流してフラグを立てて、犯人が出てきたときのみんなの反応がリアルでした!じんだいが目を合わせて年下組を守ろうとしてる姿がめっちゃ好きです❤️めっちゃドキドキして、面白かったです😆この話参考にさせていただいてもよろしいですか…?もうすでに頭の中でアレンジが湧き出ています!もしよろしければ、参考にさせてください🙇♀️
縁起の悪いドッキリすぎる😭😭😭まじで現実はこういうことやめてくれよ😭😭ほんとにでも無事でよかった😭😭😭下の年齢の子達を守ろうとするオリメンかっこよすぎ😭😭 えUNEXT羨ましすぎる😭😭😭ワタシお化け屋敷みたいなやつのだいちゃんがはやちゃんの手繋いでるやつまじで見たいんよ😿😿😿
ドッキリで良かった〜!だいちゃん足ガクガクだったけど守っててかっこいいね!笑あと塩レは目を合わせるだけで分かり合えるところ好き🫶🏻️︎💕