w r w r d 短 編 小 説 。
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〖 花 火 が 咲 い て 、戦 火 が 散 っ た 。 〗
* ワンクッション *
※この物語は完全フィクションです
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sha 視点
『 本日ハ晴天ナリ。今日モ勇マシク、国ノ為ニ敵ト戦エ。 』
戦争が始まった。
本当に、唐突な事だった。
一切の予想がつかなかった。
なんせここは反戦国家だ。 戦うわけが無い。
W国もついに、戦に手を出してしまった。
あぁ、終わったな。
そう感じた途端、唐突な虚無感に襲われた。
W国が隣国に爆弾を放ってから、1週間が経った頃。
空陸海の自衛隊が集められたらしい。
爆弾を隣国に落とし、人々を殺す役、
地面に地雷を仕掛ける役、地上から人々を撃ち殺す役。
どれも残酷な事だ。
一般国民の俺達は、ただ、傍観するだけ。
1番タチが悪いと言っても、過言ではないだろう。
可哀想だな、なんて他人事のように、
ただ、攻め続けられる隣国の情報を、スマホで眺めながら、
ボケっと考えていた。
ある日、戦の状況を見ていると、郵便が届いた。
それを見た瞬間、絶望に浸った。
「 あ な た は と て も 名 誉 あ る 兵 隊 に 選 ば れ ま し た 。 」
あー…
最悪だ。 なんだよ。この古臭い手紙は。
兵隊とか、行きたくない。
勝手に始めた戦に、何も関係ない人間が突っ込んで死にに行くも同然だろう。
決められた運命は変えられないのだろう。
諦めて、死ぬ覚悟をするしかない。
負ける覚悟をするしかない。
どうせ勝てやしない。
でも、別にいいか。
『 本日モ晴天ナリ。 今日モ勇マシク国ノ為ニ敵ト戦エ。 』
そんな音が、音質の悪い機械から休息中に聞こえた。
最近は、あたりの戦も激化してきた。
隣国もついに、ミサイルでこちら側に攻撃をしてきた。
正当防衛だな。と、つくづく思う。
どっちの得にもならないこんな戦、早く終わってしまえばいい。
入隊した時から、常々思っていた。
『 南西方向ニ敵ヲ発見。 近クニ居ル者ハ直チニ迎エ。 』
生憎、俺は南西方向に近くない。向かわなくていい。
軍から少し外れ、別の部隊の支援に向かう時。
空はすっかり暗くなっていた。
はずなのに、轟々と燃え盛る炎が、近辺を明るくしていた。
ふと上を見あげた時、動く光が見えた。
こんなご時世に、呑気に花火かよ。
俺はそう思った。
立ち止まって、花火が咲く様を見ようと思った。
よくその光を見た時、
花火ではないことに気がついた。
まずい。まずいまずいまずい。
早く別の場所へ移らなければ。
死んでしまう。嫌だ。
くるな。くるなくるな。
まだ生きさせてくれ。
死にたくない…ッ。
そう願っても、もう遅かった。
足をもう一度前へ進めた時、既に先程よりも近づいていた。
何とも言えない感覚に襲われた。
徴兵令が来た時から、覚悟していたはずなのに。
いざ、死にそうとなったら、神に命を乞いてしまう。
もう、無理なのか。
…あーあ、……
もっと、…
生きたかったなぁ…。
。
コメント
5件
初コメ失礼致します~!もう…愛してます!!元々自分自体軍パロという物が好きではあったんですが敵対国の一般人shaが手紙貰って軍人になるっていう物語初めて見まして…、最後の花火では無く、…というところも全部大好きです。マジ愛してます