テラーノベル
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るなちゃんの悲鳴のような声がリビングに響き渡り、夏祭りの賑やかさは一瞬で掻き消された。高熱に苦しむヒロくんの姿に、からぴちメンバーの顔には再び緊張が走る。
「ヒロくん!」
じゃっぴが慌ててヒロくんを抱き上げ、寝室へと運ぶ。もふくんとなお兄が冷静に氷枕や冷たいタオルを用意し、るなちゃんはひたすらヒロくんのそばを離れなかった。
どぬとゆあんくんは、急な状況の変化に戸惑い、静かにその様子を見守っていた。特にヒロくんと仲の良いどぬは、心配そうに眉を下げている。
点滴と看病のおかげで、ヒロくんの熱は少しずつ下がってきた。しかし、ぐったりとしたまま目覚めたヒロくんの瞳には、涙がにじんでいた。
「…僕のせいだ…」
かすれた声で、ヒロくんが呟いた。
「ヒロくんのせいじゃないよ!?」
るなちゃんが慌ててヒロくんを抱きしめる。
「僕が、また熱出しちゃったから…夏祭り、おしまいになっちゃった…」
高熱で朦朧としながらも、ヒロくんは自分が体調を崩したせいで、みんなが楽しみにしていた夏祭りが中断してしまったことを理解していたのだ。その小さな罪悪感に、メンバーたちの胸は締め付けられた。
「違うよ、ヒロくん。誰もヒロくんのせいだなんて思ってないからね」
えとさんが優しくヒロくんの頭を撫でる。のあさんも「ヒロくんが早く元気になってくれるのが、一番嬉しいことだよ」と微笑んだ。
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