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関わらないでほしい

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関わらないでほしい

1 - 関わらないでほしい

♥

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2023年07月25日

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登場人物

一人目

名前:黒川泉

特徴:黒髪ツインテール

性格:大人しくて温厚だが、なんかされても何も感じず、怒るとやばい。

2人目

名前:夢川ゆい

特徴:メガネっ子で一つ三つ編み

性格:とても優しい。クラスでは結構下のカースト。

闇小説になるかもしれません。

苦手な方は中断してください。

それではゆっくりしていってね〜!!



普通に生きているつもりだった。

友達がいるつもりだった。

親は最低だけど、学校は楽しいと思っていた。

私の親は毒親で、友達とはめったに遊べなかったけど、学校はこのまま、楽しいままに続くと思っていた。


……表向きは


いつからだろう。“あれ”が始まったのは。


くだらないとおもった。


偽のラブレター、下駄箱に敷き詰められたゴミ、机の落書き、花瓶……

その度にトモダチは心配してくれたけど、私はなんとも思わなかった。

だってべつに、生活リズムが変わることはなかったし。


…それは日をおうごとに酷くなっていった。

それでもなんにも感じなかった。だって別に、直接来るわけじゃないし。

そんな様子をみて…かどうかはわからないけど多分…最初に私のことを気にかけてくれた人たちはどんどん私のとこから離れていった。


最後に残ったのは私の親友だけだった。




いつからか、それはどんどん深刻化していった。


それをしてきてた奴らも直接関わって、水をぶっかけてきたり、倉庫に閉じ込めてきたり………いつしか、私の味方だった人達はそっちに加わって、


「やめてあげなよ〜w」


とか


「かわいそうでしょ〜?w」


とか。


思ってもないくせに、口だけどんどん動かす。自分は関わって無いと思ってるから。傍観者だから。


私は人間不信になりかけていた。


でも、親友だけは。


ずっと…ずっ〜〜と…私のことを心配してくれていた。人間不信にならなかったのは、親友の存在が大きかった。


……あの日までは。




どんどんエスカレートしていったそれは、親友も私も、我慢の限界だった。

でも、親友だけは関わってほしくないと思い、大丈夫じゃないのに「大丈夫」といい、その場を切り抜けていた。

でも、親友は私が思っている以上に行動が早かった。

…親友が、何かを言いにそいつらに会いに行ったらしい。

青ざめた。なんで?私は「大丈夫」なのに。

焦りは徐々に不安へ変化していった。

夕方の学校。

黒いツインテールの髪の毛を揺らしながら廊下を駆け巡る。

途中、教師の声が聞こえた。

でも、今はそれどころじゃ…それどころじゃ…!

教室のドアを勢いよく開ける。


そこには…


「……ッ!!」


そこには、痣だらけの親友が寝転んでいて、親友の机には落書きがされていて、花瓶も置かれてて…!


「お、よおwww」


笑いを混ぜながら余裕のある顔でそいつはいう。

夕方の教室には、親友の影と、他6人の影が伸びていた。

誰がこんなことをしたのかは一目瞭然だった。

クスクスと笑う影がまるですべてを否定しているかのように思えた。

僕はやってません。 私はやってません。って。

苛ついた。

でも、そんなことはどうでも良かった。

すぐさま私は親友に駆け寄る。

「ゆい!?大丈夫!?」

返事がない。

脈はある。

私は親友の体をギュッと抱きしめた。

それをまるで、舞台を見ているかのように…リーダー格らしき人物が笑う。

「はっ!自業自得だよ!俺に口出ししてきたんだからなぁ!!なんにもやってねぇのに!!wwwwww」

他の奴らも「そうだ!そうだ!」とコールを施す。

…こいつらはなにを言っているんだろう。

こんなにしといて自業自得…?

無性に怒りが込み上げてくる。

笑い声とコールは止まらない。

うるさい……うるさい…うるさい……うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい………


そこで、私の何かがプツリと切れた。



気がつけば…私はそいつを殴っていた。

親友はいつの間にか起きていて青ざめてて…あいつはなぜか痣だらけ。

私の手は強く握られていて固く、殴った痕跡が残る。

廊下には鬱陶しくざわざわと喋るギャラリーが集まっていた。

私は無意識のうちにあいつらを睨んでいた。

親友は私の足元で必死に何かを叫んでいたが、なぜだか聞こえなかった。

眼の前のことで精一杯だった。

数分経った頃、サイレン音が鳴り響き、先生と警察の人達がぞろぞろときて、私を何処かの部屋へ連れて行った。もちろん、痣だらけのクズ野郎も連れて。

きっと先生が…説得すればなんとか……

そう、淡い色をした“期待”という妄想をアタマに掲げていた。

でも、現実は上手く行かない。

警察の人も、先生も、クラスの人も、全員、私を加害者として扱った。

たしかに殴ったことは事実かもしれない…そこはわかってる…でも…どうして…

どうして…あいつは被害者なのよ…

あいつだって加害者だ。

お前らだって加害者だ。

そう思うと、怒りがふつふつと込み上げてくる。

誰かがクスクスと笑う。

また一人…また一人…

鬱陶しい笑い声がアタマに広がる。

そのうち親が来て、私をビンタしたり泣いたり、叱ったり……私は思った。

今“親”になっても遅えんだよ。

これもぜんぶ、こいつらの“演技”だ。

気持ち悪い…鬱陶しい……うるさい…

家に帰ると、いつもの倍以上に怒られた。

殴られた。怪我もした。

それは、朝まで終わることもなかった。

一睡もできないまま、学校へ行く。

登校路はまるで、地獄への階段のようだった。

下駄箱…ゴミがない。

驚いた…のかもしれない…

久しぶりだった。いつも入っていたから。

上履きを履いて教室に入る。その瞬間、教室は一気にざわつく。

「あんな事あったのに…よくこられるね…」

とか

「噂だと、あの子に関わると殴られたりするらしいよ〜w」

とか

「こわ〜www」

とか。

ダル絡みや、その日のことを掘り返してくる人達もいた。

そんなことより、私は親友の……ゆいのことが気になっていた。

一歩、一歩、ゆいのところへ近づく。

でも、近づかないほうが良かったのかもしれない。

その時、見たゆいは……ゆいじゃなかった。

ほかの女子グループにいて、汗を垂らしながらも私の方をみて笑っているかのようにしていた。

いや、笑っていた。

視界がぐるぐると回った。

なんで?なんで?なんで?

そのうちにも笑い声は大きくなるし、ダル絡みも多くなる。

不安が怒りに変わっていく。

うるさい……みんなうるさい

………うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい………


もう、何も感じなくなった。

……もう……だれも……



だれも…私に関わらないでほしい。

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