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どうも M です
二作目『最愛の人にリナリアの手紙を』
BLです。
今回は匂わせるぐらいですが
苦手な方はブラウザバックを。
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第一話 約束
暗い森の中で二人の子供が泣いている。
その容姿は金髪に碧眼でまるで御伽噺に出てくる勇者と聖女のように見えた。
私は彼らに声をかける。
「そこで何をしているのだ?」
彼らは嬉しそうにこちらを向いた。
しかし、すぐに顔を曇らせた。
「だれ…?」「とうさまじゃない…」
その刹那彼らの瞳から大粒の涙が零れ落ちる。
「私の名はノア・アルドル」
「お前たちに危害を加えるつもりなどない…」
「泣き止んでくれないか」
私が懇願すると二人は泣き止んでくれた。
しかし、今度は私に興味を示し始めた。
「おにちゃんのかみのけとおめめほんもの?」
と少年が聞いてくる。
そうかこの子供たちもわれら魔族の特徴を知っているのか。
「ああ、本物だ。」
きっとこの子供たちも私を恐れて逃げるのだろう。
だがこの森は危ない。
せめて近くの町まで送ってやらねば。
「おにいちゃん、ノアっていうの?」
「ノアのおめめ、きれいだね!」
そんな私の思いとは裏腹に彼らは純粋無垢だった。
「ありがとう。お前たちの名は?」
きっと私の正体を知ったらこんなことも言えなくなる。
けれどこの子たちをここから早く逃がさねば。
魔物がやってくる前に。
「ぼくはアレク!アレク・リオイスだよ!」
「あたしはルーナ・リオイスっていうの。」
驚いた。この子たちの家は隣国の王家ではないか。
なぜこんなところに…?
「お前たちは兄弟姉妹なのか。」
「ううん!ぼくたちはふたごだよ!」
「アレク…ふたごもきょうだいっていうのよ?わたしのほうがおねえちゃんなんだからね!」
「そうか…男女の双子とは珍しいな。」
「教えてくれてありがとう。それにしてもお前たちはなんでこの森にいるんだ?」
「「わかんないの…おきたらここにいたから…」」
誰かにおいてこられたか。
だがきっと隣の王家はそれを望んでいない。
それで魔族のせいにされたらたまったものではない。
「分かった。おいで。お前たちを家に返してやろう。」
私はこの双子を抱きかかえ隣国の王城に向かうことにした。
「舌をかむといけないからしゃべるなよ。」
双子に釘をさしてから飛行魔法を使う。
王城に近づいたので双子をおろすと
双子は一気にまくしたて始めた。
「なんでつえなしでまほうつかえるの?」
「おにいちゃんなんでぼくたちのおうちわかったの?」
「「おにいちゃんってすごいんだね!!」」
よかった。こいつらがガキで。
「まあ、いろいろあんだよ。」
「じゃあもうひとっとびすんぞ。口閉じてろよ」
「「はーい!」」
王城の窓ガラスを蹴破り国王夫妻の寝室に入る。
もちろん双子と私には結界魔法を施している。
「何者だ!」
だが音を消すのを忘れていた。
まだまだ私も未熟だな。
国王夫妻が起きちまった。
「怪しいもんじゃねえよ。」
「ただお前らのガキがうちの国の森で迷子になってたから保護しただけだ。」
「なんだと⁉」
信じられねえか。面倒だしずらかr
「とうさま?かあさま?」
「アレク!ルーナ!」
「どうしてここにいるのですか!」
「その魔族の子供から離れなさい!」
あーあ。やっぱこうなった。
「まぞく?ちがうよかあさま!このおにいちゃんはぼくたちのことまもってくれたんだよ!」
「アレク。ルーナ。こちらへ来なさい。」
「いってこい。」
未練たらしくこっち見んな。
今から私は大人の話をしなきゃならないんだ。
人の王と。
「アルナ。子供たちとともにこの部屋を出てくれ。そして人払いを。」
「陛下⁉なりません!魔族と二人きりなど!」
「アルナ!これは王命だ!」
「はい…」
わざわざ王命を使う必要があったのかは疑問だがよい判断だ。
「魔族の少年よ。」
「ここは私と君だけだ。」
「すべて正直に話してほしい。」
「君が我が子供たちを守ってくれたのは理解した。」
「だがなぜだ?」
「なぜ君は助けた?人の王族を助けても魔族側にメリットがないだろう。」
そういうことか。
ならばこちらも本音で言わせてもらおう。
「人間は魔族が戦争をしたがっていると思っているかもしれないが実際は違う。」
「確かに先に戦争を仕掛けたのはこちらだ。」
「だがそれも数百年前の話。」
「お前たちはなぜ私たち魔族が戦争をしているのか覚えているか?」
「いや。覚えていない。ただ、魔族が戦争をしかけてきた。と」
「そうだろう?魔族側も覚えていない。」
「だが家族を人間に殺されたものはたくさんいる。」
「そちらの国もそうだ。魔族は人よりも殺傷能力が高い。」
「もっと多くの民が失われただろう。」
「要は報復合戦なんだよ。この戦は。」
「意味のないことだ。そう思うだろう?」
「だから私が魔王になったらまず戦争をやめる。」
「魔王になる…⁉魔王は世襲制だぞ!」
「君は一体何者なんだ!?」
「私はノア・アルドル。魔国アルドルの第一王子だ。」
「私には何かできることはあるだろうか。」
「戦争の終結は我が国の悲願!」
「どうか手伝わせてほしい。」
人の王が私に頭を下げてきた。
「ここまでさせたのだ。」
「私も思いに報いなければなるまい。」
「すまないが私が即位したら男の婿をくれないか。」
「魔族は私が死ぬまでに穏健派だけにする。」
「時代の魔王を作りたくないのだ。」
「良いだろう。約束はたがえるなよ。」
「もちろんだ。ではまたあう時まで死ぬなよ人の王よ。」
「またな。」
「ああ、また会おう。魔国の王子よ。」