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願いを叶える桜の木5
フィンはマッシュの瞳にレインが写っているのを見た。
マッシュの表情はまさに恋をしているようで、うっとりと目を細めていた。
(マッシュくん…もしかして君は…)
”兄さまが好きなの?”
フィンは出そうになったその言葉を飲み込んだ。
レインの姿が見えなくなるまで眺めていたマッシュはフィンの方を向き、
「次の授業に行こうか」と、何ともなかったかのように言った。
「う、うん…(寮に戻ったら、マッシュくんに聞いてみようかな…)」
相づちと同時にフィンはそう考えた 。
「やっと終わった……」
そう話すマッシュはぐったりしていた。
「そうだね。早めに寮に戻って休もうか」
「うん…」
寮に戻って少し経った時、フィンは口を開いた。
「マッシュくん…変なこと聞くかもしれないけど、聞いてくれる?」
少しの間沈黙が流れた。
「…うん」
マッシュはなにかを感じ取ったらしく、静かに相づちをうった。
「マッシュくんは兄さまが好きなの…?」
なんとなくそう聞かれると思っていたマッシュは、スラリと答えた。
「うん、好きだよ」
フィンは少し目を見開いた。そして「そっか…」と微笑むのであった。
「気持ち悪いと思わないの?」
マッシュは不意にそんなことを言った。その言葉にフィンは驚いた。
「思うわけないよ!そんなこと…確かに同性を好きな人の偏見は多いけど…
僕はそんなこと思わない、恋愛は自由でいいと思うんだ。
好きっていう気持ちはかわらないからね」
マッシュはその言葉を聞いてフィン君が友達で本当に良かったと心の底から思った。
フィンはほんとに心が清らかな人だった。
「…ありが、とう…フィン君…」
マッシュは流れそうになる涙をこらえ、笑顔を向けた。
「良かったら、その恋応援していいかな?」
「え…?」
突然そんなことを言うもんだからマッシュは驚いた。
「僕、いつもマッシュくんに助けられてたから少しでも力になりたくて…
それにね…マッシュくんと話してる兄様の顔、すごく優しい顔なんだよ?
マッシュくんは気づきてないかもだけどね」
と、フィンはくすくすと笑った。
「へ……?」
これはもしかしたら、、、と密かに思うマッシュであった。
コメント
1件
両思いって(?)すごくない?