調査を続けていくと、先ほど正常と判明したコンピュータープログラムの一部に行き当たった。ワープに入る直前の振動で、進路方角がぶれてしまうことがある。それを防ぐために、方向器に角度を毎回問い直すプログラムだ。同じことが、ワープ終了時にもあてはまる。つまり、運航形態をノーマルからワープへ、ワープからノーマルへと変えるたびに、コンピューターが形態変化前の状態から角度計算をしなおしていたのだ。方向指示器が正常な間はワープ前後の不安定な状態から船体を守ってきたこの機構が、指示器そのものが狂ってしまった場合は両刃の剣と化していた。
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