テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
36
莉音
5,443
128
#うりえと
すのの
1,370
俺はいつものように、山奥の花畑へと歩いた。
それはいつもの道で、いつもの暖かさで_
あの人と会うことを感じるさせてくる。
春の暖かい風が俺の背中を押す。
昔よりも少し高くなった背はまだあの人には到底及ばなかった。
「楽しみだなぁ…。」
今日は久しぶりにあの人に会う日だった。
俺は騎士団に入るために勉強漬けになっていたから、花畑に行くことがなかった。
きっと前来たときの花とは違う花が咲いているのだろう。
花弁がひらひらと舞い、とても綺麗なのだろう。
_だろう。という勝手な俺の予想が、期待を膨らませる。
俺は世間に証明したかった。
目が見えなくても、騎士団になれると。
それに、ドズルさんに会いたかったっていうのもある。
俺はMENに会う前から騎士団に入りたいって思ってたけど…
貴方と会うことでより一層決意が固まったよ。
もう、貴方を守れるようになったよ。
「…俺、強くなったよ。」
そんな事を思いながら歩いていると、色とりどりな地面が見えてきた。
…なんの花だろう。
小さい花が集まっている花。
可愛いなぁ…。
…
って、違う違う!
今日は…報告に来たんだから。
「…後ろにいるのわかってるから。」
「…!
あはは…バレてた?」
「…ばればれ。取り敢えず座りな。」
「ん。ありがと」
『…』
表せられない気まずさが空気を漂う。
先に口を開いたのはMENだった。
「…こうやってお互い会ってる時に緊張するの、初めてかもな。」
「…そう?最初の時とか、緊張してたけど。」
「え゙、まじかよ…。緊張してるようには見えなかったんだが!?」
「あはは…、焦ってたからさ、あの時は。家に帰ろうと思って必死で…」
「そ、っか…。」
また沈黙になる。
…なんでだろう。
今まで緊張なんてしたことないのに。
「ねぇ、」
「…なんだ?」
「俺、勉強した。」
…
「体力もつけた。」
…
「魔法も使えるようになった。」
…
「んで、」
…
「騎士団に入れた。」
「…まじ!?」
「まじだよw」
「すげぇじゃん!流石音!」
「…ありがと!…だからさ…報告に来たんだ。」
「騎士団に入ったっていう?」
「ううん。」
…
「俺…MENを守れるようになったよ。
この前はさ、MENしか守れなかったけど。
次は、皆守れるぐらい強くなるから。
だから…
だからさ?
また一緒に笑おう?
俺は今のお母さんとお父さんにつけてもらった【音】って名前も気に入ってる。
でも…
俺にとっては【おんりー】も皆と過ごした大切な日々を表す大切な名前だから。」
涙を流しながら言った。
怖かった。
【おんりー】なんて嫌いだとか、言われるかもしれないし。
でも貴方はただ泣きながら、笑いながら、言った。
「…今度は俺がお前を守るからなっ!」
そう言ったMENやおんりーの周りにはカランコエが咲き誇っていた。
…
『カランコエ』花言葉
幸福を告げる。
たくさんの小さな思い出。
…
【貴方を守る】
コメント
3件
うわあ…第8話、めっちゃ良かったよぉ…!!😭💕 音くんが「俺、MENを守れるようになったよ」って言ったところで完全に涙腺崩壊した/// 目が見えなくても騎士団に入るって証明したかったっていう覚悟も、おんりーって名前を大切に持ってるっていう気持ちも、全部めちゃくちゃ響いた…。そしてMENからの「今度は俺がお前を守るからなっ!」で逆に守られる関係になってるのも尊すぎる…✨ カランコエの花言葉、「貴方を守る」って締めがまた最高だから…っ! もう次の話が待ちきれないよ~!!🌸