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僕の名は煌輝(こうき)。19歳、訳あって一人暮らししてるんだ。
なぜ一人暮らししてるかって?僕には夢があるんだ。その夢は「配信者として有名になる」事なんだけど…親に猛反対されてるて、家に居場所もなくなってしまって、今一人暮らしをしながら日々を過ごしてるんだ…。
元々、Nwitter(エヌイッタ-)やSTube(エスチューブ)で色んな配信者さんと関わってきて、自分も誰かに希望や勇気を与えたいという気持ちが芽生えてきて、配信者として活動したいって思い出したんだ。
「どうせ、俺の事なんて誰も知らないんだけどね…」
カチカチ…
マウスをクリックする音が静かな部屋に響くだけだった。
”新人歌い手募集中”
大体的な見出しと共にそこの事務所が推しているライバーさんなんだろうか…
可愛らしく、まるで天使のような少女アバターの子が表示されていた。
「なんだこれ。」
俺は気になってそのサイトをじっと見つめていた。
カチカチ…
”君もライバーとしての夢叶えてみよ!私たち先輩ライバー達も応援してるよ!”
「こんな所でもできるのかな…。」
俺は不思議とその事務所に興味を持って、
ホームページに乗っていた少女アバターの配信へ行ってみることにした。
「ここか…。」
俺はホームページに掲載されていた、STubeのURLを
クリックし、配信を聴き始めた。
「「初見さんいらっしゃい!ゆっくりしていってね♪ 」」
と可愛らしい声で入室をしたことに気づいてくれた。
「「んでねぇ、今日私朝から頑張ったんです!聞いてくれます?朝からお部屋のお掃除して、動画編集とか頑張って…」」
彼女はまるで、目の前に人がいるように楽しく話してくれて、すごく落ち着く感じではあった。
「初見さんはどうしてここに来てくれたんですか?
ま、まさかフラーっと来てくれた感じですか?」
と彼女は聞いてきたので、「そういう感じです」ってコメントしてみると、リスナーさんも暖かく「よくここの配信見つけて来てくれたね!」「感謝だね!」と配信者と一緒になって、枠を作り上げていた。
「俺もこう言う配信したいな…。でもできやしない…」
静かな部屋で1人そう呟いていたが、彼女は俺の考えていたことを読み取ったのか
「私も最初は上手く話せなかったけど、こうやってリスナーの皆さんとの一期一会の出会いを大切にしてたら、いつの間にかみんなといる時間がとても楽しくて配信者として頑張ろうって思えたんです!」
と、彼女は話していた。
「最初は自分じゃできないって思う人もいるとおもうんだけど、、大丈夫。私たちがついてるし、自分がやりたいようにやったって誰も怒りはしない。経験あるのみだから…何度でもチャレンジしてみよう!」
彼女の言葉が、僕の心に響いた。。
この出会いが僕の時を進めてくれたと行っても過言では無いと、僕は感じる。
次の日、僕は何も楽しくない学校へ向かってる途中に、困っている同い年くらいの少女がいた…
彼女は、辺りを見まわしながら、困り果てている様子だった。
「どうしましたか?」僕は自然と彼女に話しかけていた。
「えっと、、夢ヶ崎高校ってどこか分かりますか…?」
「あー。夢ヶ崎高校だったら、僕も行くんで良ければ一緒に行きませんか?」
彼女の顔がぱぁぁと明るくなり、笑顔も見られた
「ほんとですか?!凄く助かります!いやぁ、ホントならマネージャーと一緒に行く予定だったんですけど、熱出しちゃって私ひとりで行くことになっちゃったんです(笑)」
と彼女は教えてくれ、僕は「そうだったんですね」
と相槌を打つしか出来なかった。。
「ここですよね」
僕が指さすところが彼女が来たかった、夢ヶ崎高校。僕の通う高校だった。
「そうそう!ここ!ここ!ここに来たかったんだよ(泣)ありがとね」
「いえ、当たり前のことしただけなので。僕はこれで失礼します。」
「あっ!私の名前は絆愛(りあ)っていうの!君の名前は?」
「僕の名前?…煌輝(こうき)です…。」
「煌輝くん!ほんとにありがと!またどこかで会えるといいね!」
彼女はそう言って大きく手を振りながら、学校へ入っていった。
「おう、煌輝。おはよ!」
「おはよう。相変わらず元気だな。」
彼の名は、隆弥(りゅうや)。幼い頃からの友達で、高校も一緒の所に通っている。
「なぁ、お前聞いたか?今日有名人が来ていて、授業してくれるんだとよ。」
「へー。そうなんだ。どんな人なわけ」
「それがさ、STubeで人気の椎名璃杏(しいな りあ)っていう子でさ、めっちゃ可愛くって癒される子なのよ!」
「お前、詳しくないか?」
「それはな、ずっと前から推してたからな✧︎」
キーンコーンカーンコーン…
授業の始まるチャイムがなり俺たちは急いで教室に入った。
SHRが始まる5秒前に教室に入ることができ、「セーフ…」と心の中で思ったが、「お前ら遅いぞ」と先生に怒られてしまった…
クスクスとクラスのみんなに笑われながら、僕は教室の1番後ろの窓際の席に座った。
「今日は…、」
先生の話は憂鬱だ…何を言ってるのかもわかんないし、この勉強も将来何に役立つのかもわかんない。
僕が本当にしたいことってなんだろうと、外を眺めながら考えるのが日常だった。
「本日は、特別講師としてSTubeでご活躍されている椎名璃杏さんに来てもらってるから、ちゃんと話聞くように。」と先生は言って、パソコンを設定し始めた。
教室全体が暗くなり、プロジェクターで映し出されたのはSTubeで人気の椎名璃杏さんが映し出された。
「み、皆さんこんにちは…椎名璃杏です。本日はどうぞよろしくお願いします。。」
教室内はザワザワとしていたが、真剣に話を聞く生徒が大勢いた。
「どうしてSTubeで活動しようと思ったんですか?」
「普段はどんな生活してるんですか?」
と質問する生徒や、璃杏ちゃんが目の前で話してくれているということで目を輝かせる人もいた。
「えーっと、私は元々人前に出て話すことが苦手で、なぜライバーになったのかも覚えてないんです。でも、誰かと一緒にいる時間を大切にしたい、安心と笑顔を届けたいという一心で、配信者として活動しようと思えたんです。」
モニター越しではあるが、彼女の熱い思いが伝わって来た。
僕は自然と、昨日の配信者さんと重ねてしまった…
「昨日も配信してたんですけど、初見さんが来てくれて、何気なく配信に来てくれたのが嬉しくて、一期一会という出会いも大切にしたいって話をしたんです。一期一会の出会いが、誰かの道標となり、頑張ろうと言う勇気に変わるって私は信じてます。」
「えっ、まさかね…」
僕は昨日のことを思い返してみた…昨日僕が気になって入った配信者さんで、同じことを言っていて、正直驚いていた。
「ーーー。ーということであって、、」
僕は彼女が話していることが全く身に入らなかった
もしかしたら昨日の夜枠で話したかもしれない、誰かのために元気を届けているのかもしれないと思うと考えるだけだった。
続くかな?