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お疲れ様でした!面白かったです!パラ日帝美味しい…(?)
続きです!
パラオ「…………、ぅ、…」
ドサッ
寝返りを打ち、仰向けになってから目を開ける
パチッ
昨日の事は夢じゃなかった
広がるのは閉まった窓と朝日にかき消され消えかかっているように見えるランプ
木製のクローゼットは少し開いたままで中のハンガーが見え隠れしている
(ガタッ
パラオ「、……、?」
ランプを消そうとしたところに、そういえばと小棚に目を向ける
ランプが置かれているその小棚の1番上の引き出し
静かに引き出しを開けてみる
ザッ
パラオ「…!、これ、………、」
咄嗟に、それを手に取り部屋を後にした
「お母さん!」
「ふふ、……なぁに?」笑
温かいその手が、目の前の私の頬をなぞった
透き通るように白く、細く、それでいて強い母の手に。
「ーーー、それでね、…」
「うん、もっと聞かせて頂戴。」
ニコッ
テーブルに立てた腕で顔を支え、椅子から地面にまだ届かない足をバタバタと揺らす
その子に、相槌を打ちながら笑うように立っている母
「ー〜、! 」笑
日帝「………、」
こんな夢にいくら声を上げようとしても、喉で詰まり苦しくなる
何千回と繰り返される同じ夢
そしてまた、同じことを話す
「あはは、っ笑」
“日帝”らしいねぇ。?笑
私が、母に何を話しているのかも
その母の顔すらも
切り取られた写真のように抜けている
日帝「………、げて、…」
ザァァッ!!
灯るランプから、光の差す窓から、順に飲み込まれていく
また、何も出来ず失われていく夢に、
手を伸ばし心が叫ぶ
日帝「……ぁ”ッ、あ、!」
「そ……れ、ね〜?、」
「…………」
「………ね、…」
日帝「………ッ、やッ、……っ」
バタッ
頭を抱え、髪で顔を隠すようにしゃがみ込む
容赦なく霞む視界と耳鳴りのように響くノイズ音
ザザザッ、…ー
目 の前の2人が、
炭のように黒い炎に巻き込まれ徐々に声が遠くなっていく
静かな断末魔をかき消すように舞う灰は嫌な思い出をよく蘇らせた
私は、…命の恩人の顔すらも忘れた憎まれるべき人だ
手に残る罪悪感を燃やすように、私の夢は淡々と焼かれた
まただ、……また、
胸を槍が貫いたように空く穴は、想像以上に冷たくて、痛い。
そうして、真っ暗になった空間でただ1人
助けを呼べない私が残る
バタッ、…
パラオ「……、ぁ、の、…」
ぁ、……
いつもあの人がいる部屋に長い廊下を辿ってドアを開けた
廊下は明かりは付いていなかったが、朝日が代わりに道を示してくれたお陰で怖くはなかった
ドアを開け、部屋を見渡せば
目の前のテーブルに突っ伏すように
あの人がいる
パラオ「ぁ、………ッ」
サッ
反対に閉じられた窓の方を見詰めているように見えたが、
静かな空間でする息遣いで寝ているのだとわかった
パラオ「…………」
ここで寝ていたのか、それとも1度起きたのだろうか。
初めて見る人の寝顔を、じっと見つめていると
ビクッ
日帝「……ッ、ぅ、”…」
パラオ「、!…ッ」
顔が険しくなり、顔色が悪くなる
まるで、
怖いものがあるみたいだ
パラオ「だい…じょ、…ぶ、……、?」
ソッ…
そう言い、静かに肩に手をかけると
少し震えているのが分かった
パラオ「………、ッ、」
日帝「……、か、…あさん、……」
いか、…ない、で、……ッ、
パラオ「!」
透明な頬を伝う涙の粒、
長いまつ毛の瞳から溢れる涙は僕が見たどんなものよりも悲しげだった
そうだ、この人は、……きっと、
無理してたんだ、
僕がまた、足を引っ張ってしまった、
……
僕が笑顔にさせないと、…
この人が、僕を救ってくれたように
不器用でもいい。
……
日帝「………」
……ぅ、”、…
パチッ
横を見ると、開きっぱなしのドアがある
頬を伝う感覚で、夢から覚めたのだと気づいた
……
パラオ「ぁ、………」
だい……じょぶ、、?
申し訳なさそうな顔で私の顔を覗き込む
虚ろな目を擦って、周りを見渡す
ドアが開いていたのは少年が入ってきていたからだったのか
日帝「……」
パラオ「あの、………こ、これ、見つけて…」
届けなきゃって…思って、
少年は、手に握っていたものを私に差し出す
ソッ…
日帝「!……」
パラオ「…勝手に、……ごめん、、なさい」
その、……
日帝「……たの、」
ビクッ
パラオ「……ッえ、?」
日帝「どこで、……見つけたの。」
パラオ「ぁッ、……、…さっきの、…部屋、 」
日帝「………」
懐かしむように、憐れむように
その写真を見つめる
僕が見つけたのは、数箇所角が破れた古い写真
はじめてみた時、咄嗟に思ったのは
にってーさんに、……凄く似てたこと
椅子に座った幼い少女が
にっこりと笑っている写真
今より少し短い髪に、光が相まってオレンジっぽく見える瞳
白いワンピースに赤い花飾りを付けていた
日帝「………、そう。」
僕には分かった
その声が、小さく震えているのを
この人は不思議な人
人形には、…機械には表せない人間味がある儚い横顔が
僕の目には美しく見えた
夢で飽きるほど見た卑しい自分の顔
このときの私は、…いや、写真を撮った母は
きっと、日常がああもあっさりと壊れる事なんて予期しなかっただろう
見詰めるだけで、今更頭に上る血なんて無かった
日帝「……捨てといて。」
パラオ「……ぇ、、…」
日帝「……今更、こんなの見てられない、ッ」
自分が笑う顔なんて見たくない、…
そう言い写真を押し付け、目を逸らす
ヒラッ、
パラオ「…!」
………うら、
日帝「……」
パラオ「う、ら、…裏、」
ピラッ
僕がそういい、写真の裏を見せると
消えかかっている文字が、反対文字で見える
日帝「ッ、!」
“親愛なる私の家族へ”
母の柔らかい自体で書かれたその言葉は、
私の心を砕いた
顔も分からない母の声が、一瞬でも蘇って横にいるような気がした
堤防が壊れた波のように、
溢れる涙に文字が滲む
ポタッ
パラオ「どう、したの、……、?」
笑ってよ、……僕、…
私の背中を摩るその少年の手は、どんなランプより明るい光だ
数秒後、掠れた小さな声が耳に入る
日帝「………ッ、……ねぇ、」
君のその目に、……私はどう写ってるの、…?(ポロポロ
妬ましい買主
卑しい魔女
どんな答えだっていい、ただ、ずっと聞いてみたかった
パラオ「………僕は、…」
優しい人だと思う、……
僕を買ってくれたのは、僕の処分の期限が近かったから……、でしょ、?
日帝「……ッ、でも、私は…!泣」(ポロポロ
幼い少女を宥めるように、赤く腫れたその目元に指を添える
パラオ「こう、……?」
おねーさんが、……やってくれたやつ、
ニコッ
日帝「…!」
パラオ「僕、……自分の意思に従う、」
おねーさんとずっとそばに居たい、
日帝「………ッ、…、、…泣」笑(ポロポロ
ずっと、…?笑(ポロポロ
パラオ「…!」
うん、…ずっと、…!
日帝「……、笑、」
そっか、…ッ泣
捨ててしまった私と
捨てられてしまった君と
寂しくないように、泣かないように。
初めて苦しそうじゃない顔で、面白そうに揺れる瞳
ルビーみたいに綺麗な目の中には、僕が写っていた
日帝「……パラオ、……、泣」(ポロポロ)
パラオ「………うん、パラオ……」ニコッ
そうだ、
2人で、
互いの過去を、拭い合えばいい
パラ日帝終わりです
あんまり人気なかったらフォロワー限定公開にします!
主従関係が書きたかったんです……雑なのは許してください……
あ、あと、一応日帝さんの過去?は予想が着くように伏線を付けておいたので是非見つけてみてください!
では、!