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〈nakame side〉
、、、暗い、寒い、寂しい
俺はまた夢の中にいた
雫が落ちる音が漆黒の中寂しく響く
水位が上がってきているのか以前では水溜まり程度の浅さが、今では足首あたりまだきているのを感じる
グスッ
ん、誰か泣いているのか?
グスンッ、グスン、、
かすかに聞こえていたすすり泣きの声がだんだんと近くなっているのを感じる
しばらくすると明かりが見えてきた
息をするだけでも消えてしまいそうなほどの
か弱い明かりだ
そこには推定2歳ほどの男の子が座っている
? 「グスンッ、グスンッ」
Nk 「どうして泣いているの?」
俺はかがみ込んでその子に目線を合わせて 優しく問う
? 「っ、みんなぼくを、、、」
そこで全身から力が抜け、俺の意識は現実へと戻された
…………………………………………………*
鳥の声と瞼越しでも感じるギラギラとした朝日に目を開けることを躊躇う。
しかし俺がここに運ばれる前の出来事の記憶が途切れ途切れにそれでも鮮明に思い出されすっかり目が覚めてしまった。
ゆっくりと体を起こすとみんなはまだ眠っていた。しかし痛々しい包帯やガーゼが至る所にみうけられる
あまりにも静かに眠っているものだから死んでしまったのかと心配になるほどだ
それなのに俺は包帯ひとつもないじゃないか。
みんなが守ってくれたという仲間への誇らしさを感じるも、やはり俺はここにいるべきではない。俺がいるせいでみんなを巻き込んでしまうのは御免である
全く自分勝手にも程があるだろうと怒られるだろうか。それでもこれは
俺なりの『愛』なのだ。
Nk 「ごめんねみんな。
、、、愛してるよ」
…………………………………………………*
〈kintoki side〉
Nk 「、、、るよ」
、、、?
夢と現実の狭間
まだふわふわとして完全に目が覚めていない中
なかむの声がかすかに聞こえた
なんと言ったんだろうか。
きっとなかむのことだ。今も自己嫌悪になって不安がっているだろうな、起きなきゃ
そうして重い体を起こすと
そこになかむはいなかった。
なかむのベッドの上に書き置きをみつける
Kn 「、、は?なんだよこれ」
みんなへ
勝手なことだってわかってる。
みんなに呆れられて、見放されてしまうのも承知の上だ。
それでも許してください
これは俺なりの愛だから
なかむ
Kn 「っ、、ふざけんなし」
今すぐにでもなかむの元へ向かいたかった
それでもみんなこんな傷だらけのボロボロだ
今の状況で会いに行っても余計に彼を追い詰めるだけなんじゃないか?
『俺なりの愛』ってなんだ、?
俺はなかむのこと何もわかっていないのか、
こんなにもそばにいたというのに何も理解できない自分にこみあげてきたどうしようもない苛立ちを拳の中で固く閉じ込めた
…………………………………………………*
〈smile side〉
ここはどこだろう
腰以上の高さの花畑にいた。
そこでは 風がさわさわと耳をくすぐり、どこからか子どもたちのはしゃぐ声が聞こえるような暖かい光に包まれていた。
あー、ここが天国というものなのか
なんだかおもしろくないな。ただ心地のいいだけで他は何も感じない
いろんなことを感じれることが美しいのに
人間の死後がこの世界だというならあまりにも
薄情だと感じてしまった
それほど不快感なく透き通った空間だった
Nk 「ここは天国じゃないよスマイル」
Sm 「なかむ、、?」
Nk 「ごめんな、俺のせいで
スマイルに重傷を負わせちゃった」
Sm 「なにいってる?なかむのせいじゃない」
姿も声もなかむなのに、顔が見えない
今お前はどんな顔してる?何を考えてる?
ちゃんと俺の目をまっすぐ見て伝えてくれよ
Nk 「俺もういくね」
Sm 「は、どこいくんだy、、」
ゾクッ
そう言ってなかむはひとりで歩こうとする
だめだ、。そっちにいってはいけない
Sm 「いっちゃだめだっ」
そう言ってなかむの手を掴む
Nk 「、、、。」
なんでこっちみてくれないんだ?どこに行くっていうんだよ、 そっちにいってしまったら
なかむがもう帰ってこない気がして。
それでも、なかむの手は俺からするりとぬけてしまった。足がすくんで動かない
俺は彼の背中を見つめるだけだった
Sm 「いくなっ!
、、はぁっはぁっ、」
自分でもびっくりするほど声を荒げて飛び起きた。 夢、なのか?
ズキンッ
Sm 「っく、、、ゲホッ」
そうだった。かなりの怪我をしていたんだった
Kr 「スマイル!?」
Br 「ありゃっ」
すでにみんなは起きていたらしい。
すぐさまきりやんが治療をしてくれた
夢は、なかむは、いるのだろうか
Sm 「なかむは?」
Sh 「っ、、、」
そうか、本当にいなくなってしまったのか
Kn 「みんなで今は回復に専念しようって」
Sm 「そうだな、ありがとう」
医師からの回復治療とリハビリなどを行っていたら気づけば木々は赤く彩り始め、風は冷たく髪を靡かせ、月が早く顔を出すようになっていた