テラーノベル
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月のポツリとした明かりだけが薄いカーテンから顔を覗かせていて、この部屋の暗さを照らしてくれている。ベットシーツや枕には精液が飛び散っていて少し険悪感を覚えた。
目の前には、横たわりながら呼吸を整えている茶色い髪と柴犬のようなまろ眉が横顔から見えて、それすらも愛おしいと感じてしまう自分に苛ついてしまう。
この世界にはアルファ、ベータ、オメガという第二の性がある。
ベータは最も人口が多いとされていて、普通の人間と何ら変わりのない第二の性。
アルファとオメガは殆ど居なく、個体数も少ない。ベータはベータ同士で、アルファはオメガと結ばれるのが“普通”として扱われていた。
俺は生まれつきからアルファだ。なら、目の前で横たわっている元也はオメガだと思われるかもしれないが、実はベータである。
俺が告白をした時も、「俺ベータなのに…?」と首を傾げていた。あいにく、第二の性なんかに惑わされるほど単純ではないし元也ほどの好きな人間はこれ以上いなかったしいないのだ。
昔から従兄弟として関わりが多く、俺たちは仲がよかった。高校生から付き合いは始めていたが元也はオメガでないのでヒートが来る事もなく、体の関係など考えたこともなかった。そもそも、フェロモンを撒き散らして誘惑しようとするオメガが嫌いだった。よっぽど関係を持ちたかったのかもしれないが、普通のアルファよりも耐久性がある俺は振り払うことが出来た。
大人になった今、俺たちは行為で愛を確かめ合うようになった。それから一層、元也への愛が強くなっていき執着していくようになってしまった。
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古森 side
「ん、う…っあぁ…っ、きよ、おみ……っ!」
暗い部屋に、俺の声と色っぽい肌と肌が打ち付けられるような音が響く。聖臣の顔が真上に見えて、愛らしく感じてしまう自分に苛ついてしまう。女みたいに喘いでしまうのが恥ずかしいという感情は、甘い雰囲気に包み込まれて何処かに消えた。
元々、俺は生まれつきベータで、聖臣みたいな人気者のアルファにはなれなかった。せめて、俺がオメガだったら周りから変な目でも見られずに、聖臣と結ばれれたのかなと劣等感を感じたりもする。
思えば、俺たちが付き合ったのは高校生からだった。聖臣から突然帰り道に告白をされ、ベータだし聖臣とは釣り合わない、と断ったのだがそれでもいい、と聖臣が聞かなかったので、俺も聖臣のことは好きではあったのでOKを出した。付き合ったとは言っても、前とは何ら変わりは無かった。いつものように帰り道は一緒に帰り、友達みたいに話をしてたまに遊びに行ったり。唯一違うのは、誰も見ていないような場所で手を繋いだり抱き寄せられると心臓がドキドキするような感覚。
けれど、俺はヒートもないし高校を卒業をするまで聖臣とすることはなかった。そもそもお互いバレーに集中するためにそういう事をするのは辞めておこう、と暗黙の了解が二人にはあった。大人になった今は、お互いバレー選手になったものの時間に少し余裕が出てきて、二人の時間も増えた。そうして、俺たちは愛を確かめ合っているのだ。
「…っ元也、気持ちいい?」
聖臣が心配そうに俺を覗き込むその表情は、どこか可愛らしくいつもよりも大人びている。
「きもちいい…っもっと…していいよ、?」
俺がそう言うと、中を突き動かしたい衝動を抑えている聖臣の自制を利かなくさせてしまった。
浅いところまで引かれ奥まで貫かれる。ローションが結合部をぬるぬると出入りしていて、このまま溶けて一つにでもなってしまうんじゃないのかと思ってしまうほど甘く、汚い音が響いた。
「あ、ぁ゛…っ〜〜!ひっ…、むり、そこばっか、…!♡ 」
「無理?嘘つけ。」
聖臣に腰の動きが速まって、頭は何も考えられなくなってしまう。ピストンを繰り返されて視界がちかちかとして、これ以上されたら壊れてしまうんじゃないかと思うくらい快楽に溺れていた。びゅるる、と俺の精液がベットシーツに飛び散ってもお構い無しにピストンを続けてくる聖臣はきっと、イった後も突かれる辛さを知らないだろう。けれど、そんな快楽が続いても聖臣とこんなにも愛を確かめることが出来ている、という事実が嬉しくて幸せだった。
「…ごめん、止まれない」
再度ピストンを続けられて、意識が飛びかける。
「ひ、ぁ゛…っ♡!?まって゛、きよおみぃ…!も、俺イったのに…!!」
うなじを噛まれて、赤紫色の跡が残る痛みも甘い快楽に埋まっていく。
いつもの行為よりも、その日はどこか心地良く、感覚が鋭くなって敏感だった。
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#侑北
かいぐり
275
佐久早 side
明るい日差しが薄いカーテンから顔を覗かせていて、電気一つついていない部屋を照らしている。隣にはすうすうと眠っている元也がいて、全身に印が付いていて昨日の名残を表していた。幸せそうに眠り寝癖がついているその顔すらも愛おしい。
「ん…聖臣……」
寝言だろうか、寝返りを打ちながら俺の名前を呼ぶのはハートを撃ち抜くのには完璧すぎた。甘い声が蜜のようで、くらくらするほどだった。下半身が反応しそうになるのを、何か別の事を考えて必死に我慢をする。危ない。
仕方なくベットから降りて、床に落ちているtシャツと半ズボンだけ履いて台所に向かった。肌寒くなってきた季節にこの格好は少し冷え冷えして寒かった。埃一つない台所で料理をするのは、いつもと同じはずなのにやけに心が満たされる気がした。
火がじゅうじゅうと音を立てて焼けてくると、後ろから抱きつけられる感触がしてびく、と熱いベーコンを落としてしまった。背後を見てみると、上裸で下だけは下着を履いて俺に抱きついている元也の姿。誘ってんのかこいつ。
「きよおみー…勝手に居なくなんなぁ…」
フライパンを動かす手が止まった。どうやら、目が覚めて隣に俺が居なく、探しに起きてきて寝ぼけているらしく元也のふにゃふにゃとした声が後ろから聞こえてきて可愛さのあまり悶えそうになる。冷静なフリを保ちながら、台所に立ち続ける。全く、我慢しているこっちの身にもなってみてほしい。
「邪魔。今朝飯作ってるから座ってて」
俺が冷たくそう言うと、背後の暖かい感触が消え元也は眠たげにソファに向かっていった。
やがて朝食が出来上がり、焼きたてのトーストにはレタスとベーコン、その上に半熟の目玉焼きが乗っているオープンサンドがテーブルの上に香ばしい香りを広げふたり分、置いてある。元也はその香りに釣られたようにソファから起き上がって、まだ眠たげにしてトーストをひとかじりして「あちっ」と思わず反射的に口を離した元也の様子を見て、俺は自然と口角が上がってしまった。
そんな平和な朝も過ぎていき、元也は腰をさすりながら着替えて荷物をまとめ、忘れ物がないか部屋を見渡している。部屋が広く感じてしまうこの寂しい瞬間は嫌いで、また泊まりに来てくれるのは分かっているけれどやっぱり寂しくて。いつか同棲したいと思っているのに気持ちを押し込んでしまうのは自分の悪い癖だ。
「忘れ物すんなよ」
「分かってるって。まあ、また来るし〜」
大丈夫でしょ、と言って笑う元也に思わず笑みをおすそ分けされるところだった。こういうところが元也の心配なところなのに、いつも通りで安心してしまう俺もどうかしている。
上着を羽織り、靴を履いている元也の背中を眺めている。何か言わなきゃ、と思うけれどあいにく俺に都合の良い言葉を言えるほどのコミュニケーション能力はない。
鞄を肩にかけた元也は、くるりとこっちを向いて沈黙を破った。
「昨日、その…気持ちよかった。
…あ、てかその前に俺以外の奴と浮気すんなよ。特にオメガの奴とか!」
照れくさそうに目を逸らしながらそう言った元也を見て、俺は小動物を見ている気分になった。衝動的に元也の後頭部に手を添えて、額にちゅ、とキスをした。
「するわけ。俺は元也しか見てない」
あまりにも恋愛漫画か何かでしか出てこなさそうな言葉に、自分でもびっくりした。元也は恥ずかしいと言わんばかりにぎゅう、と強く俺に抱きついて、「またね」と寂しそうな顔をして俺の家から出ていった。
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古森 side
あの日から1ヶ月が過ぎたある日。今日は練習も休みで、部屋でだらだらして雑誌を読んだり携帯をいじったり。あてもない一日を過ごしていて、逆に罪悪感が湧いてきそうなほどとにかくだらだらしている、と。
突然どく、と身体に熱が走り、風邪を引いた時のような感覚に襲われる。立てないほど力が入らなくなって、息がしづらくなった。ひどい風邪か、はたまた病に襲われてしまったのか。自分一人ではなんとか出来ないと思い、聖臣に『ごめん、風邪引いたかも。来れる?』と震える手で打った。
速攻で既読がつき、『今すぐ向かう』と返信が来る。こういうところもやっぱり、俺は好きになったんだよな…。
しかし、そんな事を考えられるくらいの思考は無くなった。どく、どくと心臓が脈を打って、さらに身体が熱くなる。初めての感覚に困惑して、何も出来なかったし立てるほどの力も入らないため聖臣がきてくれるのを待つだけだった。
10分後くらい経った頃、がちゃりと扉が開く音がした。
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佐久早 side
「…っは、なんだよ、この匂い……、」
甘く、それでいて酸っぱい匂いが鼻を突く。
昔からオメガが発してきていたあの苦手な匂い、なはずだった。嗅いだだけで理性を失いそうな程そのフェロモンの香りは、どこか安心感があってそれでいて興奮するような。頭がくらくらする。
思えば数分前、俺は元也にメールで風邪を引いた、と聞き家を飛び出して、薬や冷えピタ、うどんなどを買いビニール袋片手に元也の住むマンションまで来たのである。しかし、マンションの扉が並ぶ廊下を通った時、匂いが鼻をついた。どこぞのオメガかは知らないが、早く元也の風邪の介護をしなければ。そう思ってくらくらする頭で元也の部屋番号を見つけ向かうが、匂いは増していくばかりだった。がちゃり、と元也の家のドアを開けて中へ入ると気がつく。
——ああ、此奴、オメガに転換させられたのか。
いつしか聞いたことはあった。
〈ビッチング〉と言い、アルファと行為を交わし、うなじを噛まれ愛と執着を身体に溶け込ませられることでオメガに転換させられてしまう、という噂。
「聖臣ぃ、からだくるしい…」
蕩けた目でベットに座り込みながら助けを求めてくるその顔で、俺の理性は崩れ落ちた。気づいた時には、両手を掴んでベットに押し倒していた。
「っえ、なんで…っ」
困惑しながら此方を見てくる元也の全てが可愛くてたまらない。早く番にならなければ。他の奴に取られる前に。早く、早く早く早く。
「はぁっ…あ゛…♡!きもちい…っ゛、そこ、…!」
ぱん、ぱんと肌がぶつかる音。元也の白い肌の背中、うなじ、全部が興奮の材料になる。甘い喘ぎ声が俺の耳に入り、それはもう劇薬だ。
「う、ぁ゛…っ!—おみぃ…きよおみぃ…っ♡」
名前を呼ぶ声で、もう理性が保たなくなって本能のままに腰を振ってしまう。
この男を孕ませたい。そう思った。
「…ねえ、気持ちいい?」
息を吹きかけながら耳元で俺がそう囁くと、中が締まるのが感じ取れた。元也は返事すら出来ないまま、喘ぎ声を発している。前立腺を何回も何回も貫くと、一層甘い声が響く。
「ひ、ぅ…!?♡ま゛っ…!それ、やば……ッ゛…!」
「元也さ、オメガになったんだよ。」
うつ伏せの元也を突きながら、そう言う。
「これって、もう番で良いよな?♡」
首筋に舌を這わせて、元也の汗を舐めとる。元也の身体で汚い場所なんて何もなかった。むしろ、全部が清潔だとも思った。
そして、うなじに顔を埋めてがぶり、と噛んだ。
「お、ぁ゛…♡っ!?あ゛、も…っイっちゃ…! 」
びくびくと液体を出さずに達した元也を見て、さらに俺が興奮していることが分かった。もう、止まることができなかった。止まる方法を知らなかった。
「…っ、元也かわいー…。メスイキしちゃうとか、女の子だね」
「ちが——…っ!あ゛っうぅ…!」
否定しながらびくびくと痙攣している元也の首元に幾つもの印をつけて、自分の物だと言う事実を誇張した。中がきゅう、と締まって自分も限界が近づいてきている。
「…やば…締まりすぎだろ、…」
「… 元也、中いい、?」
「っ゛いいよ、いっしょに、イこ?…っ♡」
涙と涎でだらだらになっているのに整った可愛い顔がこちらを向いてきて、甘えるようにそう言うのだからもう自制が効かなかった。一番奥に注ぎ込むようにしてびゅるる、と射精した。
月のポツリとした明かりだけが薄いカーテンから顔を覗かせていて、この部屋の暗さを照らしてくれている。
目の前には、横たわりながら呼吸を整えている茶色い髪と柴犬のようなまろ眉が横顔から見えて、それすらも愛おしいと感じて、頬に口付けをそっとした。
「…ごめん。やりすぎた」
謝る俺を見て、元也は照れながら笑った。
「ううん。聖臣と番になれたんだから、俺もうすっごい幸せ。」
そんな照れくさそうな笑みを見ると、こっちまで幸せをおすそ分けされた気分になる。
睫毛の長さに心臓が速く脈打った。
月は何も知らぬげに、二人の影を照らしていた。
ー完ー
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こんばんは。レタスです!
読んでいただきありがとうございました!!
ものすごく適当だし駄作過ぎて申し訳ないです😭
小説書きさんほんとすごい…(2000文字くらいで飽きた人)
コメント
1件
ああ〜、これすごく良かった…! アルファ×ベータのカップルが、行為を重ねるうちにオメガ転換しちゃう展開、めちゃくちゃ刺さったわ。佐久早の「元也しか見てない」って台詞とか、最後の月明かりの下で「番になれて幸せ」って照れる古森の笑顔、尊すぎてやばい。駄作だなんてとんでもないよ、ちゃんと2人の愛情と執着が伝わってきたし、甘さとエロさのバランスが絶妙だった! 続き…って書いてないけど、この1話で完結でも満足できる綺麗な終わり方だった🔥