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次の土曜日、彼女の家の最寄り駅で彼女と合流して、彼女の自宅を訪問した。
僕の家と同じで一軒家だった。ただし僕の家は三階建てで彼女の家は二階建て。
これはもちろん僕の家の方が上だということを意味しない。僕の家が三階建てなのは土地が狭いために三階建てにしないと十分な居住スペースを確保できなかったからだ。
彼女の自宅は広い敷地の上にゆったりと建っていた。一階部分だけでも建坪で言えば僕の家より広そうだ。
約束した時間は正午。五分前に到着した。普通の家なのに妙に威圧感があり、まるでダンジョンのように感じたが、すたすたと歩き続ける彼女を追いかけるように僕も玄関に入っていった。
「あなたが大中寺君ね。いらっしゃい」
「お邪魔します」
彼女の母親が出迎えてくれた。なんとなく目が笑ってないように見えるのだけど、気のせいだろうか?
お昼ごはんをいっしょに、ということでダイニングに案内された。家も広いが、ダイニングも広い。二十人は座れそうな長方形のテーブルが部屋の中央にでんと置いてある。
彼女は明らかに母親似。母親はメガネをかけていたが、彼女もメガネをかければもっと似て見えるはずだ。
一方、僕らがダイニングに入ってきても腕組みをしたまま立ち上がりもしない父親は色黒の筋肉質の巨体。建設会社の経営者と聞いているが、ボディービルダーかラグビーの選手に見えるというのが第一印象。申し訳ないけど、彼女と似ているところは一つも見つからない。
ほかに中学生だという彼女の弟の姿もある。名前は菊多というそうだ。彼は姉と違って父親似のがっしりした体型。身長も高校生の僕と同じくらい。父親と同じく僕をにらみつけてくる。敵意丸出し。