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「・・・ねぇ、僕の勘違いだったらごめん。君さ・・・もしかして、“僕と同じ”?」
そう風夜はオトに聞いた。オトはキョトンと紫色の瞳をこちらに向けていた。
「同じって?」
「えーっと、だから、つまり・・・そのッ・・・」
風夜は少し言葉を詰まらせるが、やがて覚悟を決めたのか、オトにまっすぐと聞いた。
「・・・僕と同じ・・・“蛇一族”なのか?」
そう聞くと、彼女はポケットから何かを取り出そうとする。風夜は地雷を踏み抜いたか!?と扇を取り出す。が、
「『ブッブー!!』」
「・・・は???」
スマホの中の確かクロンとオトは同時に手でバツを作る。風夜は素っ頓狂な声をこぼす。
「残念〜!惜しい!!」
「わぁ〜、凄い、どうしよう、めちゃくちゃ殴りたい・・・」
オトの反応に軽くキレかける風夜。すると、オトはクスッと笑う。
「私は、“クォーター”ですよ」
「・・・クォーター?」
風夜は首を傾げると、クロンが説明してくれた。
『クォーターっていうのは、4分の1のこと。ちなみにハーフは半分ね〜♪』
「・・・てことは、つまり君は、蛇一族と人間のクォーターってこと?」
そう聞くと、オトは笑う。
「あー、惜しい!私は“蛇一族に近い”クォーターだね」
「は?」
風夜はそうこぼす。オトは風夜の疑問に答える。
「私には4分の1人間の血が流れてて、残りの4分の3は蛇一族の血が流れてるって博士が言ってたんだ」
「・・・博士?」
「えーっと、私たちの・・・師みたいな人の一人。クォーターは前例がないからって経過チェックしてるんだ。あっ!違法的なのじゃなくてね!?私以外にミツキやギョクだってしてるし!」
と、オトはこたえた。風夜は少し気になり、聞いてみた。
「・・・オトは、幸せなの?普通の人と違う自分に、オトは、幸せ?」
そう聞くと、オトはこたえた。
「・・・幸せだよ。大好きな友達と、大好きなお父さんやお母さんがいるんだもん!私は幸せよ!」
そうオトは笑顔でこたえた。そんな眩しいオトに対し、風夜はこたえた。
「・・・・・オトは、強いんだね」
そう、風夜はこたえた。それにオトは笑顔でこたえた。
「当たり前だよ!だって私は・・・・████なんだから!」
途中のセリフが、風に攫われ、何も聞こえなかった。
なんて言ったのか聞こうとしたが、彼女の優しげな微笑みに、風夜は何も言えなくなった。