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md視点
背中はまだ痛みが激しいけど、これくらい大丈夫
俺が死んだあとも、この国がずっと続くように、結界をはろう
そんな簡単にはれるものでもないし、最大の力を発揮するものは俺の寿命と引き換えに作れる
だけど俺はみんなが好きだから、作りたいの
…俺の髪の毛が切られてまずかったのはこれ
髪の毛は成長し続けるから、1番新鮮でよい代償としても使える
それでも寿命が縮むのは変わりないけど
強いていうなら力を使ったあとの体の回復がはやくなるぐらい
倦怠感とかそれらがなくなる
この結界には広い場所が必要だから庭に出よう
清められている水が入っている瓶を用意して、ナイフを持つ
俺の血液と、俺の思いがあれば十分
遠くから走ってくる、青い彼が見えるけど気のせいでしょ
グサッ
手のひらに思い切りナイフを突き刺す
滴る血が、瓶に入っていく
「イタ、イナァ」
俺、痛いの嫌いなんだけど
なーんて、心の中で軽口を叩く
「みどりっ!」
…もう完成したから、呼ばれても止められない
瓶から広がる波紋が、
庭へ 軍へ 国へ広がっていく
緑色の波紋がドーム状になり、薄い膜として空と一体化した
「みどり!こんなことしたら!
お前の、寿命が、」
らだおくんは知ってるんだった
俺のこの力も、代償も
寿命が縮む、それ相応の疲労が出る
意識が遠のいていくとき、焦るらだおくんを横目で見る
ご め ん
声が掠れてでないから空気の音だけで囁いた
迷惑かけて、こんな俺で
ごめんなさい
視界が暗転する
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rd視点
こいつ、ほんとにさぁ、
俺より小柄とはいえ成人男性
こんなことなら、普段から運動しとけばよかったわ
みどりを担ぎながらそんなことを考える
この小さな体で、お前はどれだけのものを背負ってるんだよ
「コンちゃん!」
「どうしたの…って。みっどぉ。」
「詳しくは言えない、けど。命を代償にするようなそんなこと」
彼の村で伝わる、授け物の文化
その授け物だったからこそ、その力を手に入れた
まぁ、代償は大きいけれど
一種の、彼に掛けられた呪いなのかもしれない
この力が彼の命を蝕んでいく
「わかった。みっどぉの今の状態は?」
「現時点で死ぬとか、そんなんはない
けど、」
「…了解」
みどりの茶色で、さらさらとした髪を触る
お前は、俺らにとっての仲間だよ
俺はみどりのこと、みどり以上に知ってる
彼の過去も、力も
ねぇ、みどり。その全て、教えてくれよ
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幽霊の記憶
授け物の緑の彼
彼が授け物になる前 は、何も力をもっていなかったのに
彼の精神的ショックと引き換えに得たのは、自分の身を、精神を守れる力
青い彼が来るまで、結界に閉じこもり過ごしていたの
力なんてもっていなかったとき、結界のために渡せる代償は、その彼の命だったんだよ
…それしかなかったの
本当は、命なんて使わせたくなかった
彼は、懺悔のためだったら何でもするつもりだよ
はやく、彼を助けてあげて
ぼくが愛した彼は、命を捨てようとしてる
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彼は人に蔑まれ、神に愛された
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懺悔文のふたつめ
あと、ひとつ
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