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プロセカではないと思う
私は一人ノ娘。
好きな物はブリオッシュ。
私は王女。
国を守る義務がある。
私はリリアンヌ。
たった独りの女。
私は悪ノ娘。
みんなから嫌われてる。
本当の私は、なに?
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朝起きて、メイド達が支度をしてくれ て、私は食卓について、椅子に座っ て、そして 悪人 を捌く。みんな(民衆) は 私を批判するけど、私の何が間違っ ているの?私はただ 私の義務 を果たし ているだけじゃない?私はこの国を… お父様とお母様が残してくれたこの国 が少しでも良くなるように大人たちの 言うことを聞き、命令する。なら私は 誰に命令できるの?私が王女なのよ? なら民衆(あなた)達は私の指示に従っ て入ればいい。そうすればいいじゃな い。私がしたいようにして何が悪い の?私に逆らうなんてどういう意味か 分かっているのかしら?
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リリアンヌが激怒している。理由は一 つ、リリアンヌの婚約者であるカイル 様に想い人ができて、婚約破棄をされ たから。 そんなこと 。 また婚約をお 願いすればいい 。と思う人が多いと 思う。だけど「しょうがない」とか 「違う人を探そう」とかそういう言葉 をリリアンヌに聞かれたら、もう、 終わり。首と胴は別れる。僕はカイル 様の想い人を多分知っている。なぜっ て?それは カイル様が持っている貝殻 のペンダントと彼女が付けている貝殻 のペンダントが全く同じだった からこれはもう確定だ。だけど彼女は…ミ カエラは僕の親友だ。隣国に出かけて 人探しをしている時に彼女に出会い、 仲良くなった。仲良くなった…という か、僕は彼女を好きになってしまっ た。一目惚れだ。だけど僕はリリアン ヌ専属召使ということから王女本人か ら カイル様の想い人を殺せ と命じられ た。だけどまだミカエラで確定かどう かも分からない。王宮が手に入れてい る 情報はただ1つ。 緑の髪が美しい女 ということだけ。幾ら緑の紙の女を探 して、連れてきて、証言をさせても誰 も**はいそうです。私がカイル様の想 い人です。**なんて言う人は居ない。 だって、みんな分かってるんだから。 そんなこと言ったら処刑されるって。 だけどあのミカエラだ。気づいてない 可能性も高い。だけど…緑の髪が美し いって…1人しかいないじゃないか。 ミカエラという存在に王宮の人間が1 人でも気づいたらリリアンヌにすぐ言 うに違いない。もし、僕がリリアンヌ にミカエラでは無いのか?と言ったら リリアンヌは僕を褒めてくれる。けど リリアンヌに言ったらミカエラは死ん でしまう。けどリリアンヌに言わない で僕がミカエラを知っていたことをリ リアンヌが知れば僕が死ぬ。どうすれ ばいい?どっちを天秤から弾けばい い?…そうだ、決める前にお互いの所 に行ってみればいいんだ。こんなに緑 の髪の女が虐殺されている中…ミカエ ラは…生きている?生きていることを 願って、僕は隣国へ出かけた。
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僕が着いた頃には黄国(ルシフェニア) と緑国(エルフェゴート)の境にある森は、ほぼ焼き払われ、所々に死体が転がっていた。惨い。どうしてこんなことを命令するんだ、リリアンヌ。そしてどうして兵はこんなに酷く残酷な殺し方をするだ。だけど、過ぎてしまったことはもう何も変えることが出来ない。今はただミカエラを探すだけ。……僕は思い出したミカエラが言 っていた井戸のことを。 もう使われて いない、苔が沢山生えている井戸 を僕 は見つけた。足元に注意しながら降りていく。暗闇の中へ、僕一人で。中にはミカエラがいた。良かった生きていた。ミカエラは優しい微笑みで僕と少 し話をした後、 こうなったのは私のせ い。本当だったら私が…私一人が殺さ れればいい。だけど、怖い。死ぬの が、怖い そう言った。確かに死ぬのは 怖い。だけど君が外に出ないでこう怯 えている時にも緑の髪の女が一人、た たー人死んでいる。それに彼女は気づい ているのか?僕だってこんなこと今すぐ にでも辞めたい。辞めさせたい。だけ ど、もう、こうするしかない。僕は一 旦王宮へ戻った。まるで何も無かった かのように
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緑の女が死んだ。そう情報が入ってき た。誰が殺した?トドメを指した?誰 でもいい、でてきなさい。私のところ に、褒美をあげるから、さあ、でてき なさい。だけどそれは3日…5日…1週 間…何週間たっても出てこなかった。 折角いい褒美を用意したのに…全く馬 鹿なヤツ。でもこれでカイル兄様を脅 かす女はいなくなった♪これで兄様は 私の者。いつ結婚式を挙げようか。ど こに住もうか。毎日夜も眠れないくら い楽しみだった。けどそれも束の間、 民衆が攻めてきたと兵から伝えられ た。なぜ、私を攻める?なぜ王宮を? なぜ?
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王宮に民衆が攻めてきた。兵達も頑張 って戦っているけど、民衆の数が多す ぎる。中には大きな武器を振り回す危 険な者もいるし…僕は1人、自室で外 を眺めていた。ドアのノック音が聞こ え入ってきたのは侍女長だった。彼女 はこの国の3英雄と呼ばれる内の一人 で僕とリリアンヌの秘密を知ってい る。数少ない人間。そんな人が僕にな んの用だろう、彼女は「今のこの状 況、リリアンヌではどうにもならな い。だから今から私はアレン…アレク シル王子。最後は貴方について行く。 だから、何なりと」と言って僕に膝ま ついた。僕は暫く考えたあと、「で は、マリアム様、これが僕の最初で最 後の命令です。リリアンヌの為に最後 までこの国で戦ってください。」マリ アムは吃驚していた。それはそうだろ う。だけど、すぐいつもの顔に戻って 「本当にそれでいいの?」と言ってき た。それでいい、それも覚悟でマリア ムは僕に使えてきたはず。「最初から 予測してましたよね」マリアムは「こ れだからあなたは」と言って出ていっ た。最後までこの国に戦ってくれる人 がいる。それだけで僕は心強かった。
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怖い…私を殺しに来た。怖い、怖い よ。なんで、私は大人の指示に従って 命令を下してきただけ。私のどこがダ メだったの?教えてよ。
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リリアンヌが居ない。音の間、鏡の 間、どこにもいない。もしかしたら… そう思ってリリアンヌの部屋に着い た。案の定リリアンヌは部屋にいた。 同時に3時の鐘が鳴る。リリアンヌは 入れ。と一言言った。その声は少し怯 えていた。僕は何も触れないでリリア ンヌにおやつのブリオッシュと紅茶を 渡した。リリアンヌは「怖い、どうし てこうなった、私は殺されるのか」と 弱音ばかり吐いていた。まるでリリア ンヌかと思わない発言。だけどそれが 彼女の本心なんだろう。僕は最初で最 後のお願いをした。
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服を取り替えっこしようと言われた時 は吃驚した。何が何だか分からないま ま私はアレンと服を交換して、髪も同 じように結った。まるでアレンは私み たい。「本当に、アレンは私に似てい るのね」私が少しでも自分の心を落ち 着かせようと言ったこの一言でアレン はガラッと変わった。雰囲気がピリ く。「さぁ、お行き、リリアンヌ。君 は逃げるんだ。」何が何だか分からな い。逃げる?私一人で?アレンは私に 抱きつき「僕はらは双子、君は覚えて
いないだろうけど。僕は君と別れた時か らずっとずっと君のことを思い続けて いたよ。リリアンヌ」と言った。双 子?私は一人っ子のはずよ?私とアレ ンが…?どういうこと?それに私、何 も覚えてない。ねぇ、もっと教えて 「教えて、アレン。小さい頃のはな し」私の声はもう届いていなかった。 アレンはグルっと後ろを向いて歩き出 した。目の前の赤い世界へ。真っ直 ぐ。扉を閉め、外側から鍵をかけられ た。出られない。どうしよう。どうす れば…いいの?
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リリアンヌ。もう全てを終わらせよ う。僕はそう心で問いかけ僕の計画を 実行する。リリアンヌは何も疑わずに 僕の願いを叶えてくれた。あとは、簡 単。僕がリリアンヌになって世に出れ ばいい。簡単な筈なのに…どうして、 出来ない?身体が動かない…これは民 衆への…自分が殺されてしまうのでは ないかという恐怖なのか、リリアンヌ と離れ離れになってしまう恐怖なの か…どっちにしろ恐怖なのは変わらな い。それはリリアンヌも同じ。なら僕 はリリアンヌが恐れているもの全てを 斬りリリアンヌを最後まで守り抜く盾 となる。だからもう、僕の身体、動い てくれ。僕が…リリアンヌの元へ戻ろ うとしてしまう前に⎯⎯⎯
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私は歩き出す。彼のいる部屋を後にし て。彼は私の名を何度も呼んでいるが 私は決して振り向かない。もう後戻り はできない。私が悪ノ娘なんだから。 もう、あとは堂々姿を現すだけ。民衆 達は私の姿を知らない。だから、きっ と困惑する。こんな幼い子がこの国の 王女なのか?こんな子がこの国をダメ にしたのか?こんな子が本当に…? と。でも私は何も後悔してない。私と 彼の区別がつく人はもう居ないから。 マリアムはもう死んだ。さっき廊下か ら見えた。大臣はとっくのとうに死ん でいる。みんな死んだ。だからもう何 も心配要らない。私は私の使命を全う するだけだ。
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あはから私はずっと自分の部屋にい た。いつ革命軍が責めてくるのかも分 からなかったけど、私は安心してい た。理由は分からない。私だって死に たくない。逃げたいって思ってる。だ けど…だけど、彼が逃げてくれたか ら、私は安心している。彼が無事、最 後までバレずに生き残れることを願っ て、私は革命軍を前にする。「リリア ンヌ・ルシフェン・ドートゥリシュ!! 貴方を捕まえる」彼女らは私を捕まえ ようとしてきた。だから私は勿論抵抗 した。誰かに髪を引っ張られて髪が崩 れた。だけどそんなこと気にしない。 私は最後まで必死に抵抗する。軍の1 人に足をかけられ、私は転んだ。その 隙を狙われて私は捕まった。…呆気な い。彼ならこんなに簡単に捕まらない のに。
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目が覚めると、牢屋にいた。すると女 騎士がやってきた。彼女の名は「ジェ ルメイヌ・アヴァドニア」僕の義姉 だ。幼い頃紛争に巻き込まれリリアン ヌと離れ離れになった時に彼女の家が 僕を引き取ってくれた。彼女の父さん はこの国の3英雄であり親衛隊長であ った。だけど、もう居ない。だって─ 「ねぇ、ジェルメイヌ、君の父さん誰 に殺されたんだろうね」と言うとジェ ルメイヌは不思議そうな顔をして「誰 って…王女でしょ?あの夜父さんは王 女に呼び出されて王宮に向かって、そ のまま帰らぬ人になったのよ。なら、 王女しかいないじゃない」本当に馬鹿 だなぁ「君は本当にあのリリアンヌが 親衛隊長なる者を殺せると思っていた のかい?僕はとてもそう思えない な。」「どうして…?」「だって、あ のリリアンヌだよ?剣を握って無茶房 に振り回すしか出来ない王女様がだ よ?できると思っているのかい?だと したらそんな甘い考えはやめておいた ほうがいい。」「でも、毒を盛って殺 したとか…もあるじゃない」君はどう してもリリアンヌを犯人に仕立てあげ たいらしいね、なぜかは分からない。 恨みでもあるのか。なら、僕が真実を 告げてあげる「僕だよ。君の父さん、 殺したの。」ジェルメイヌは目を開い たまま「…え?」と一言。僕は続けて 「あの夜リリアンヌはレオンハルトに 酒を飲ませた。それには毒が入ってい てね、弱った君の父さんと戦って僕が 殺した。それが真実」ジェルメイヌは 目を開いたままだ。それはそうだろ う。信じていた義弟が犯人だったのだ から。ジェルメイヌは僕の話を聞いて 落ち着きを取り戻すことはなくただ叫 び続けていた。すると警備の兵がやっ てきてジェルメイヌを支えながら出て いった。最後にジェルメイヌはこちら を振り返って「王女…あなたの……処 刑が決まった……明日の…午後3時、 よ。 」その声はどこか悲しく寂しい 声だった。 ◎⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯ ◎
遂にその日はやってきた。アレンは無 事に逃げれているといいなぁ。兵が迎 えに来て、断頭台へ向かう。「あの鐘 があと少しで鳴る。3時になるまでに 最後の言葉を考えておくんだな」と兵 がいった。言葉かぁ、どうしよう。リ リアンヌらしく死のうかなぁ、それと も最後は僕のまま……え?……僕、死 ぬの?死んじゃうの?嫌だよ?どうし て?誰かここにいるのは僕だって気づ いてよ?僕をここから救い出して よ?…… 僕はリリアンヌじゃないよ? だから、 だからだれか僕(アレン)だっ て気づい てよいや、だ めだ。僕がリリ アンヌを 守ら ないと。最期まで。守ら ないと。誰か一人でも彼女の事を最期 まで守ってあげる剣と盾がいないと。 もし誰もならないと言うのなら僕が最 期まで正義(リリアンヌ)を守る盾とな り、悪(リリアンヌ以外)を赤く染める 剣となる。僕の手は…身体は赤く染っ ている。だから 今更綺麗事は吐いてい られ ない。もう覚悟は出来た。さぁ、 今がリリアンヌに恩返しできる最初で 最後の時。剣や盾にとって大事なのは 「核」だ。僕はその核を人間で言う 「心臓」に例えている。剣や盾は核が ないと原型を留めていられない。なら 原型を留めていられるように僕が大切 に大切に扱ってあげればいい。つまり は人間も「心臓」がないと意味が無い ということだ。剣や盾だって何が大事 な部分ひとつでもかけているとそれは もう剣や盾とは言えない。剣や盾だっ て壊れれば新しいものに変える。それ の繰り返し。それは人も 同じ。幾らリ リアンヌみたいに位が高 くたって、幾 らレオンハルトみたいに 剣の腕があっ たって、幾らお母様やお 父様みたいに 人をまとめる力があった って死んし まえば何もできない、た だのヒト要 するに「壊れてしまえばまた新しいも のを使う 」ということだ。これは僕の 考えだから誰かに上手く伝わった りす ることは な いかもしれない。けど、良 く考えれば直ぐにわかる話。古い物は 誰も覚えていないし要らないというこ とを。
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鐘が鳴る。1回目、そして2回目。次 で最後。次の鐘が鳴れば僕の生命 は終 わる。最期は、そうだ な……最期はやっぱり、あの言葉しか ないな。リリアンヌといったら、だ。 「王女よ、もうすぐ鐘が鳴る。最後に 言い残すことはあるか?」という兵に 対し私は笑みを浮かべこういった。
「あら、おやつの時間だわ」
僕の首目掛けて落ちてくる刃。
涙を浮かべる女剣士。
息を切らし走ってくる少女。
僕の体内時間は長かった。
まだ生きている。
もっと、もっと生きていたい。
少女と僕は目が合った。
少女がフードをとった。
2人の目が合う。
僕は笑み、君は涙を創る。
最期まで僕らは真反対だったね。
リリアンヌ。
さようなら。
もし、もしも生まれ変われるならば
その時はまた、遊んでね
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もうすぐ鐘が鳴る。 知らないおじさんに教えてもらった、 もうすぐ王女の処刑が始まる。と だから私は急いだ。初めて走った。 誰かの為にこんなに一生懸命になるこ とはなかった。これからもないと思っ ていた。だけど今は全速力で走ってい る。それは相手がアレンだから?い や、違う。私を最期まで愛してくれた たった一人の人間だから。そして、私 は覚えていないけど…私の、たった一 人の家族だから。私は走り出す。彼の 元へ──
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やっと着いた。人が多すぎる。私は民 衆を掻き分け王女の元へと近づいてい く。王女が遺言を遺す。
「 あら、おやつの時間だわ」
と。ああ、やっぱり君は君だ。
私とどこも似てないじゃない。
やっぱり君はニセモノ。
だけど私もニセモノ。
君と私の目が合った。
悲しくてか、自分の無力さにか。
私が涙を、君が笑みを創る。
さようなら、アレン。
また出会えたら、今度こそ一緒に遊ぼ
うね。
──────────END