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理子と玲奈は保健室にいる。玲奈は今、クラスでいじめられている。今日は比較的軽い方だったが、いじめっ子達のせいで全身傷だらけだ。「玲奈、大丈夫?無理してないよね?」「大丈夫だよ。理子のお陰で!」玲奈は明るく、朗らかに云った。「⋯⋯っでもっ⋯!私は、不安だよ⋯」「理子が気に病む必要はないよ!!これは私の問題だもの。」理子は納得のいかない様子で口を開き、閉じた。「りーこー!顔上げて!!そんな悲しい顔しなくても、わたしはヘーキだよ!⋯どうせ話すならもっと明るい話題にしようよ!」「例えば?」「ほら、恋バナ、とか?」「え゛、まさか玲奈カレシできたとか言わないよね⋯?」「⋯カレシじゃないけど好きな人はいるよ?///」理子は驚いた顔をして、そのまま固まってしまった。「え、ちょ、理子!大丈夫!?」玲奈は理子を前後に激しく振った。「ちょ⋯やめて⋯玲奈⋯私ナントカ虫垂が弱いから⋯」「あ、ごめん」玲奈は申し訳なさそうな顔でぱっと手を離した。理子はこころなしか悲しい顔をして玲奈に聞いた。「それで⋯好きな人って誰?」「えっと⋯2組の田辺くん⋯///」「田辺君、⋯なるほどね~⋯まあ確かに優しいもんね、彼。」「うん!一度理子がいない日に助けてくれたの!とってもかっこよかった!」理子はふふっと笑って教室に戻ろうかと玲奈に聞いた。すると玲奈は頬を膨らませて「待って、まだ理子の恋バナ、聞いてない!」といった。「私?私は⋯⋯いるけど教えなーい!」「え!ひどい!私はいったのに!さては理子、いないんだな〜??」「いるよ。私はこういう話で嘘、つかないから。」妙に説得力のある声で言ったため、玲奈は驚いた顔をしたが、「たしかに理子、私に嘘ついたことないよね。」と納得した。『じゃあ、教室に戻ろうか!』二人の声が重なって保健室に響いた。まだ桜が満開になる前の春だった。