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昨夜ワンナイトして一日中ななもりから逃げてたジェルが捕まってしまったななジェルです。
「ぁ…なーく、ん…待っ、ぅ、」
家に着くと、玄関扉が締まりきる前にななもりはジェルの唇を奪った。ジェルを壁に押し付けて、逃げないように両手で首と頭を支える。ななもりの中では何度目かでも、ジェルにとっては初めてのキスだった。喉が詰まったように、うまく声が出せない。
「…んー?」
ゆっくり角度を変えて、唇が蕩けて混ざり合うようにキスを落としていく。くちゅくちゅと、思わず耳を塞いでしまいたくなるリップ音がジェルの唇ごとななもりの口内へ飲み込まれていく。
「っ…は、なぅ、ふ、っ…」
ずりずりと壁沿いに、ジェルがずり落ちていく。どうやら腰が抜けたらしいと、ななもりは即座に気が付き口角が歪む。内股気味に足を崩して、とろりとした瞳を涙でいっぱいにしたジェルが、肩で息をしながらななもりの次の行動を待っている。どこかぼんやりしているが、外での口調から、期待していることは間違いない。
「…かわい」
「っん!は、あ、あぅ、はあ、は…」
「ジェル…?」
愛おしくなって、つい犬を撫でるように耳から顎にかけて手を滑らせると、ジェルの身体全体がびくんと震えた。荒い呼吸が、明らかに先程までのものとは違っている。
「…ジェル、もしかしてイッた?」
「…!!」
ななもりが半ば勘でそう言うと、ジェルは恥ずかしさでいっぱいになった。初めての性交渉に身体が言うことを聞かず、ななもりの一挙手一投足に興奮し、思いがけず溢れ出してしまった。一気に泣きそうになる。
「んふふ、…嬉しい〜かわいい、ジェル」
「……溶けて消えたい…」
くすくすと笑うななもりに、拗ねたようにジェルが膝を抱えた。股間のあたりがぐちゅりと濡れている。
「はぁ…もう、可愛すぎジェル」
「ぁ…」
いつまでも笑い続けるななもりを睨もうと顔を上げると、興奮を抑えきれない様子のななもりが口を抑えて自分を見下ろしていた。射精感で冷めつつあった身体の熱が、一気に、思春期の少年のように再燃し始める。後ろのあたりがきゅ、と閉まって、ジェル自身覚えていない情事の記憶が身体には残っていることがわかった。
「…もっかい、触ってなーくん…あの時みたいに」
「お前、…今度は忘れたとか言わせないからな」
「…、うん」
早くお互いに触れたい一心で性急にベッドまねもつれ込む。ななもりが唇を離そうとすると、離れたくないと、ジェルが瞳を潤ませた。
求め合うように、もう一度、今度は忘れられないキスをした。