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ついに来てしまった、遊園地の日。
ゲート前に行くと、もうるぅ💛さんは来ていた。
るぅ💛さんは、私に近づくと、微笑んで手をひらひらさせた。
「おはようございます。今日はありがとうございます。」
「おはようございます。今日も可愛いですね。」
またこの人はさり気なく恥ずかしいことを言う。
前告っていたときに、「なんで、恥ずかしいことを2回言わなくちゃいけないんですか……。」と言ってた人と同一人物とは思えない。
「お世辞ありがとうございます。
それも計算のうちの一つですか。」
「?いえ。本心ですけど。」
………またこの人は……………。
「本当は水族館とか映画とかでも良かったんですけどね。
ちゃんとチケットがないとさくさん断るかもだったから、そういう系ならなんでも良かったんです。
でもなんとなく、こっちの方が好きそうだなーって。」
「…るぅ💛さんはエスパーかなんかですか?
ヘアピンの時もですけど。」
「なんででしょうね……。」
そう言って笑いながらるぅ💛さんはチケットを係の人に渡す。
「さあ、今日は楽しみましょうか。」
「……はい!」
それから、私達はいろいろ乗った。
ジェットコースターは怖かったけど楽しかった。
お化け屋敷は、どんな作りなのか気になって入ってみたら、想像以上に怖くて半泣きになった。
メリーゴーランドは、馬が上下するのがなんか面白かった。
観覧車は、人が豆粒みたいに小さくて、遠くの空が綺麗で凄かった。
殆どが、私にとってあまり体験したことがないものだったので、大人ながらとってもわくわくしていた。
そんなこんなで結構乗って、今はティーカップに乗っている。
そして後悔している。
めっちゃ酔った。
もともと、私は3,4回自転するだけでもフラフラするタイプだったのをすっかり忘れていた。
「大丈夫ですか…?」
「ごめんなさい、少しここで休みたいです………。」
「全然大丈夫です。飲み物買ってきますね。」
「……あ、……」
「?」
「……………ありがとうございます、お願いします。」
「わかりました。」と言って、るぅ💛さんは小走りで向こうに行く。
確か自販機はそこそこ遠かったはずなのに、るぅ💛さんは本当に優しい。
…………今、私はなんて思った?
るぅ💛さんが行きそうな時、
「行かないで。」
って言いそうになった。
心細かった。
ほんの少しの距離なのに、るぅ💛さんが遠くに行きそうで、怖かった、という感情があった気がする………。
(なに言ってんだろ、私。)
離れたいのに、本当に矛盾している。
自分でも意味がわからない。
(結構時間経つけど………、まだ来ない。)
るぅ💛さんが行って、15分ちょっと経っている。
そこそこ遠い、とはいえ、歩いて5分もかからない場所だ。
なにかあったのではないだろうか。
酔いも収まったので、るぅ💛さんが走っていった方へ行く。
しばらく歩いてると、るぅ💛さんがジュースを片手に誰かと話しているのを見つけた。
女の人だ。とっても美人な。
逆ナンだろうか。
るぅ💛さんは微妙に苦笑いしている。
私は離れたところで呆然と立っている。
(………自分で言ったくせに忘れてんじゃん。)
るぅ💛さんはモテる、私とは釣り合わない。そう言ったのに、なんで忘れてたんだろう。
でも、
でも、
その女の人を見て、
「私の方が、るぅ💛さんのこと、いっぱい知ってるもん………。」
小声で言ってる私は、
誰がどう見ても矛盾している。
気がついたら、私は彼らのいる方へ歩いていた。
「…!さ、さくさん、これは……。」
「あの!」
自分の思ったよりも大きい声で、女の人に言葉を投げる。
「この人は……!
私の好きな人です!」