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しのぶと蜜璃があーでもないこーでもないと意見を出し合いながら何着目か分からない優雨のコーデを組む。なぜこうなったのかは数十分前に遡る。元々ファッションセンスがある方でもなく、前世はずっと隊服だったこともあり衣服に無頓着な優雨はこれでいいか、と兄からのお下がりである服を着て出掛けたが、それがいけなかった。待ち合わせ場所に先に来ていたしのぶと蜜璃は優雨の格好を見てひっくり返った(比喩)。前世の記憶を持っていたとしても仮にも花の女子高校生。似合わないという事は決してないのだがあまりにも勿体なすぎると言い、「しのぶちゃん、私達で優雨ちゃんの服を選ぶわよ!」という蜜璃の一言をきっかけにファッションショーが開催された。そして現在に至る。
「しのぶ、蜜璃…まだ選ぶのですか?」
「当たり前じゃない、優雨は可愛いんですからもっと着飾らないと」
「優雨ちゃんはファッションに対して無頓着だから、これを機にお洒落を学ぶのよ!」
「というか、無頓着過ぎます。びっくりしましたよ、パーカーとズボンで済ませるなんて…」
「皆さんから頂いた服を全て洗濯してしまって着るものがなかったんですよ」
「確かに服を何着かプレゼントしましたが、それがなかったら貴女今と似たような格好しかしないでしょう」
「お兄ちゃんからのお下がりは家で着る分にはいいけど外で着ちゃダメよ。せっかく可愛いんだから!」
「うぐ……。それにしても、今日はいつにも増して混んでますね?」
「ああ、今日は何かの撮影らいしわよ?」
「そうらしいですね。ですが、聞くところによると今回出るモデルの方は性格に難アリとされていますよね。何が起こるか分かりませんし、見に行くべきではありませんよ」
「そうですね。あまり目立ちたくもありませんし…」
「私はファッション雑誌をよく読むから少し興味があるけど…そういうのを聞くと少し複雑よねぇ。雑誌の中ではかっこいいけど実際は怖な酷いことする人なんて、って。全然きゅんとしないわ」
蜜璃は頬に手をあてながらはあ、と溜息を吐く。蜜璃の意見に賛成したしのぶは軽く頷き、ふと周りが騒がしい事に気付いた。
「おかしいですね、ことらの方では撮影していないはずでは?」
「何かあったのかしら…」
「分かりませんが…早めに移動しておきますか?」
「そうですね、なんだか面倒事になりそうな予感がするのでこれを買ってさっさと別の所へ行きましょうか」
「そうね。私お腹すいて来ちゃった、ここら辺でお昼にでもしない?」
「なら、私は会計を済ませてきま_」
「見つけたわッ!!!!!」
す、と言い切る前に優雨の声に被せてきた言葉。思わずその方向を見ると、マッチョ程はいかなくともしっかりとしか筋肉がついており、首からぶら下げられたネームプレートには結構な有名所の会社の名前が記入されていた。誰か探していた人でも居たのか、と自分の中で解決し興味をなくした優雨は衣服を持ってレジに向かう。が、その男がツカツカと少し高いヒールをならしながら優雨に近ずいてきた。個性的な人多いけどこの人は別の意味で個性的だな
「ちょっと、そこの綺麗な白い髪のアナタ!お願い、撮影に協力して頂戴!」
「しのぶ、蜜璃。会計が終わりました。行きましょう?」
「無視しないでちょうだい!アナタよ、ア・ナ・タ!」
「……私、ですか?すみませんが、撮影は…」
「お願いよ!相手の子が急に来れなくなっちゃって困ってるのよ!ちゃんと報酬は出すし、多めにしちゃうから!」
「いえ、ですが…」
「アタシを助けると思って、ね?お願い!」
「ぇ、っと……」
「優雨さんとはデート中なのですが。邪魔しないでいただけます?」
「アナタしかいないの!」
「なるほど、私は視界に入っていないと。うふふ、これだから男性は…」
「しのぶちゃん、拳しまって」
「…ほ、本当にあまり目立ちたくないんです」
「あら、でもアナタ雄英体育祭で沢山目立ってなかった?」
「ぐッッ……!」
「ね、この通り!お願い!」
「…わ、…かりました……」
「やったわ!言質取ったわよ!それじゃあこっちに来て頂戴♪」
「し、しのぶ…蜜璃……」
他人に無関心ではあるが根はお人好しで押しに弱い優雨は申し訳なさそうに2人を見る。あの男はそれを瞬時に見抜き助けて、お願い、アナタにしかやれないと言ったのだ。しのぶはやられた、と言うように悔しそうに歯を食いしばり、楽しい3人デートを邪魔されてムカついた蜜璃はむぅ、と顔を顰める。
「すみません…断ろうとしたのですが……」
「目の前で見てたので知ってます、あれはあの人がしつこかっただけです。優雨さんは悪くありません」
「ええ、しのぶちゃんの言う通りよ。優雨ちゃんが謝る必要ないわ」
「そんな顔で言われましても…」
「ごめんねぇ。アタシもせっかくのデートを邪魔するのはどうかと思ったんだけれど…すぐ終わらせちゃうから我慢してちょうだいね、おふたりさん」
「……はぁ。文句を言っても仕方ありません、優雨さん。早く終わらせて来てくださいね」
「が、頑張ります…!」
普段表情筋が死んでいるのでカメラマンの思い通りにできるか不安だが、引き受けたからには自分の出せる限りの力で協力すると意気込む優雨。相手の男性モデルがリードしてくれるらしく、優雨は自然体でいてくれればいいとのこと。2言3言挨拶を交わすと、優雨はしのぶと蜜璃の耳に口を近ずけ、小さな声で言った。
「しのぶ。性格に難アリ、と聞いたのですが…その様子はなさそうですよ?むしろ好青年という言葉が似合いそうな方です」
「そうですね…。ですが、トラブルは避けたいので警戒はしていてください」
「あまりこうしてコソコソしているのは良くないわ、ほら、優雨ちゃん呼ばれたわよ」
「はい、今行きます。……あの、応援していてくださいね。緊張しますけど、2人のためなら頑張れます」
「当たり前じゃないですか。頑張ってください!」
「可愛い優雨ちゃん楽しみにしてるわね!」
「はい!ご期待に添えるよう善処します」
呼ばれた方向へパタパタと向かう優雨。ニコニコとしていたしのぶが優雨が離れた瞬間はぁ〜〜、と長い溜息をはいた
「本当に、炭治郎くんと同じで天然タラシですよね、優雨さん…」
「そこが優雨ちゃんのいいところよね!私、いっつもきゅんきゅんしちゃってるもの!」
「これを炭治郎くん相手にも出来たらいいのですがねぇ…いっその事カナヲと優雨さんと私で落とそうかしら」
「しのぶちゃん、本音出てきてるわよ」
「あら、すみません。ですが、男性陣に取られるよりかはいいでしょう?まぁ不死川さんはまだ良いですが」
「私はどの殿方も素敵だと思うわ!皆炭治郎くんの事大切に思っているもの」
一方その頃炭治郎はくしゅん!と1つくしゃみをした。玄弥が「誰かがお前の噂でもしてるのかもな」と冗談で言ったが、善逸が「噂でくしゃみするなら炭治郎は会話出来ない」と真顔で返した。そんな訳ないと言えないのが現状である。閑話休題。しのぶ達から離れた優雨はカメラマンの指示に従って相手のモデルと腕を組んだり手を繋いだりしていた。
(もでる、という仕事は恋人でもない方ともこんな事をするのですね…やはり知らない事だらけです)
「大丈夫?緊張してない?」
「いえ、大丈夫です。カメラを向けられる事は慣れていませんが、引き受けた以上全力で取り組むのみです」
「あはは、固いなぁ。リラックスして、リラックス。顔が強ばってるよ。笑顔!」
「む…元々この顔つきです。……私、笑ってませんでしたか?」
「え?表情筋微動だにしなかったよ」
「……こう、ですか?」
両手の人差し指で口の両端を持ち上げ、ニコッ、と笑う。頬を上げたことにより目が少し細められ、ぎこちないけど、元々の顔がいいのでとても可愛い表情になった。
「お、それいいねー!顔だけこっち向いてください…そうそう、そんな感じ!」
「きゃあ、可愛いわ〜!ねぇ、お友達の2人ももう少し近くに来ていいわよ!」
「良いんですか?きゃー!優雨ちゃん可愛いわ!」
「私達といる時も笑いはしますが表情があまり動きませんもんね」
「次行きまーす、冩屋さんは貴和(たかかず)くんの肩に顔を乗っけて……そう、そのままでお願いします!」
(父様以外の男性とこんな風に触れ合った事がないので少し変な感じですね……)
なん通りか撮り終わって、後3,4回程撮れば撮影終了と言うところで、野次馬の中から1人のチャラそうな人がでてきた。
「はぁ?なんでもう始めてんのさ。そいつじゃなくて俺にきた依頼のはずだろ?」
「……流星(りゅうせい)。撮影時間になっても来ないので、僕が呼ばれたんですよ。そんな事言うくらいなら最初から時間を守ればいいじゃないですか」
「は?何様のつもりだよ。…あ、あの女来てねぇのな。俺と撮影すんのがあんなブスじゃなくて安心したわw」
「言い過ぎですよ。ここは現場です、監督の総意で貴方はこの撮影に不要とされ、僕が適任と判断されたんです。もう撮影も終わりますし、これ以上場を荒らす様なら帰ってください」
「チッ…黙っていればいい気に成り上がってよォ、身の程を弁えろや!」
「ッ!」
誰もが流星という男に白い視線を向ける中、怯えず真っ直ぐに意見を言う貴和に苛立ち、拳を握り貴和に迫る。格闘経験者である流星の拳を避ける事が出来る訳なく、せめて顔だけでも守ろうと腕を前に出し防御の体制をとる。が、経てど暮らせど痛みがやってこない。恐る恐る、と言ったふうに前を見ると、片手で流星の手首を掴み、ギリギリと音がする。
「お辞め下さい。こんな事してもなんの得にもなりませんよ」
「なっ……離せこのアマ!!」
バッと腕を上げて優雨の手を振り払う。一,二歩程下がった流星に優雨は真っ直ぐ目を見て、まだやりますかと問う。挑発されたのかと思った流星は再び優雨に向かって殴りを入れる。
「隙がありますぎですよ。ほら」
攻撃を避け、通り過ぎていく流星の腕をそのまま流れる様に掴み、足を掛けて転ばす。
「クソッ……!てめぇ何もんだよ!」
(…はっ!しまった、このままでは目立ちすぎてしまいます…そうだ、雄英生ということにしておけばまだ大丈夫ですかね……)
「雄英高校1年A組冩屋優雨。覚えなくていいですよ」
「こんなんで終わるわけ…」
「ちょっと、アンタ。周りを見て見なさい。…もう誰もアンタを必要としてないわよ」
『きゃー、なにあれ!かっこいい!!』
『女だけど惚れた!!』
『これは推すしかないっしょー!』
『雄英生すげー!』
『流星終わったね、元々性格悪いって有名だったじゃん』
『推す人もう居ないでしょ』
『オワコンだわ』
「ッ……クソッ、こんなとここっちから願い下げだ!!」
「ええ、もうアンタには頼まないわ。さようなら〜」
顔を赤面させ、急ぐ様にこの場を離れていく流星。一部始終を撮っていた人がSNSへ投稿してバズったりとして、優雨は一躍有名人となった。その後は順調に撮影を進め、終了した。
「ごめんなさいね、こんなことに巻き込んでしまって」
「いいえ、お役に立てたのなら良かったです」
「優雨ちゃんとってもかっこよかったわ!!」
「…あの、優雨さん。庇ってくれてありがとうございます。助かりました」
「いいえ、こちらこそありがとうございます」
「えっ?」
「無意識だったのでしょうが、貴方は私を守ろうとしてくれました。ですから、ありがとうございます。人を咄嗟に守れるなんて素敵ですね」
「えっ…あ…ありがとう、ございます」
「いいえ。すみません、私達はそろそろ失礼しますね」
「ちょっと待って!まだ報酬を渡せてないわ!本当はお金を渡してあげたいんだけど、事務所に所属してない人には難しいの。だから、これを受け取ってちょうだい!」
「こんなに…いただけません」
「いいの、働いたらその分お金が出るんだから。それが常識よ」
「………分かりました。有難くいただきます。大切に使いますね」
「よろしい!…あ、これ私の名刺と個人の連絡先ね。用がなくても話し掛けてくれていいわ、芸能界に興味があったら来てもいいし、好きにしてちょうだい!」
「うわっ、監督何個人のものまで渡してるんですか!?それ登録したら絶対話し掛けまくるやつでしょ!!」
「うるっさいわね!!いいじゃない!!」
「はは…貴重な経験をありがとうございます。それでは。しのぶ、蜜璃。行きましょう」
「そうですね、もう夕暮れですしどこか寄って帰りましょう」
「お泊まりしましょー!」
「あ、あの!お話の途中すみません。これ、僕の連絡先です。良ければ連絡してください」
「……わかりました」
「!!やった、ありがとうございます!それじゃあ、失礼しますね!」
「今日でお友達が増えました」
「絶ッ対そうじゃないですよ」
「相変わらず優雨ちゃんは鈍いわね!」
「?」
おまけ【LINEグループ】
杏寿郎:【ファッション雑誌の写真】
杏寿郎:優雨!?これお前じゃないのか!?
冨岡義勇@俺は嫌われてない:説明しろ
ミツリ:あ、この前のやつね!
竈門 炭治郎:優雨さんモデルだったんですね!善逸が持ってきてたから俺も読んだんですけど、可愛かったですよ!
うつしやゆぅ:もでるではありませんよ。たのまれたのでやっただけです
天元@派手に行こうぜ!:派手に密着してんな。相手誰だ?あー、今売れてる新人モデルじゃねぇか。
天元@派手に行こうぜ!:そういえば、冩屋お前、SNSでも有名になってなかったか?
うつしやゆぅ:そうなんですか?しりませんでした
我妻善逸⚡:優雨さん、まだスマホになれてないんですね
うつしやゆぅ:すこしずつおぼえていきます
胡蝶しのぶ:前に比べて誤字少なくなりましたね。いい事です
伊黒小芭内@炭優推し:何故優雨の相手が竈門炭治郎ではないんだ。
胡蝶しのぶ:伊黒さんだんだん隠さなくなってきましたね
伊黒小芭内@炭優推し:新刊描いている途中に来て発狂しそうになったんだ。しかもこいつとのカップリングがもう出来ている。巫山戯るな
実弥@冨岡おはぎ送ってくんな:俺の妹に彼氏?ぜってぇ認めねぇ
実弥@冨岡おはぎ送ってくんな:付き合いたきゃ俺より強い奴にしろ
天元@派手に行こうぜ!:殆ど無理じゃねぇか
天元@派手に行こうぜ!:だが俺は行けなるな。竈門諸共嫁にとってやるよ
天元@派手に行こうぜ!:大丈夫だ3人も5人も変わんねぇよ。それの俺は5人くらい余裕で養える程の経済力も持っているからな
実弥@冨岡おはぎ送ってくんな:てめぇだけは絶対ダメだァ。嫁が3人もいるヤリ○ンに俺の大事な妹やれるか
伊黒小芭内@炭優推し:不死川発言を気を付けろよ。純粋なかんろ…蜜璃と優雨と竈門炭治郎に見せてはいけないワードを言うな殺すぞ
我妻善逸⚡:殺意が強い
胡蝶しのぶ:この人たち本当狂ってますよね。色々。
時透無一郎:うるさいんだけど…あ、炭治郎に今の見せたら僕も殺しますからね。優雨にも見せたらダメ
竈門 禰豆子:優雨さんセコムですね!!
杏寿郎:お兄さんを僕に下さい!
竈門 禰豆子:却下却下
玄弥:黒名いるんだけど
我妻善逸⚡:青い監獄に帰れ
我妻善逸⚡:ダメだ俺以外にツッコミがいない!!もうやだ助けてたぁんじろぉ!!!!!
嶼行冥@南無… :哀れ……
こういうネタやってみたかった( ᐛ )
超仲いい3人組だがしのぶと優雨は同じ好きな人(炭治郎)を狙うライバル同士。優雨は自己肯定感低低なのでアプローチというアプローチが出来ていない。炭治郎愛され要素少ないので少しぶっ込んでみました^^
いつにも増してオリキャラがでしゃばってくるよ!!!!!!!!!!嫌な人は今更回れ右してもおせぇんだよ!!!!待たせてすみませんでしたァ!!!!!
ヒロアカ全然見返せてないから番外編が続くぜぇ!!!!話数多いけど完結しないぜぇ!!!助けてぇ!!!!!