それからいつも通り授業を受け、いつの間にか6人でいることが多くなった。
次は移動教室だったな。1人、トイレからみんなの所へ戻ろうとしていた時、
「五条さん」
「ん?」
そこには男の人が立っていた。見たことがない人だ。別の教場か?
「今、時間あるかな」
「ええ、あるけど」
「あの、五条さんに伝えたいことがあって…」
「はあ」
「五条さんのことが好きです!」
「ごめんなさい」
「な、なんで…」
「なんで?え、と、君のこと知らないし私は君が好きじゃないし」
「なんで!なんでだよ!」
え?急に声を荒げ始めた。
「知らない?!同じ大学だっただろ!!あの時プリント拾ってくれてじゃないか!!誰も俺のことなんて助けてくれなかったのに、五条さんは助けてくれた!!もうこの時ビビッと来たんだ!!卒業後警察学校に行くと噂があったから追いかけてきたのに!!返事はごめんなさい?!!信じられない!!どうして!!俺は五条さんのことがこんなに好きなのに!!どうして!!」
面倒なタイプの人間だ。つらつらと言葉を並べて迫ってきた。プリント?なんの話?
パシッ
ぼーっとしていたら腕を掴まれた。
学校内は安全だろうと無下限を切っていた。制服の上から腕を握られる。気持ちが悪い。
「セリに何してるんだ」
「ゼロ!!」
「ふ、降谷?!」
そこにはみんなが居た。みんな顔が怖い。
「手を離せ」
ヒロから聞いたことのないぐらい低い声が出る。それでも相手は手を離さない。私は呪力を込めて思い切り腕を振り払った。
「あっ、五条さんっ!」
その声を無視してみんなの方へ歩いて行った。
「知り合いか?」
松田に聞かれる。
「ううん。ほら行こ」
私たちはその場を後にした。
「どうしてみんながあそこにいたの?」
「セリちゃんが遅いなって話になって移動のついでに迎えに来たってわけ」
「ほれ。これ五条の教科書類」
班長が授業セットを渡してくれる。机の上に用意しといた物を持ってきてくれたのだろう。
「ありがとう」
みんなの様子から告白を聞いていたのだろう。
「みんな助かった。ありがとう」
「いや」
「ところで五条、なんで相手あんななってたんだ?」
「さあ」
「振ったんだよね?」
「もち」
「「「「ホッ」」」」
「いや、お前ら聞いてたろ?」
「ところでセリちゃんはさ彼氏いるの?」
「居ないよ」
「居たことは?」
「…まあ、あるっちゃある」
「「え!」」
任務の一環で。俗に言うハニトラだ。付き合って情報抜いたら殺して終わり。殺さなくても別れを切り出して終わり。大人な関係も勿論済んでいる。
「何人?」
「覚えてないなー。数えたことない」
一々任務なんだから数えたりしない。
「?、ゼロ、ヒロどうしたの?」
2人がさっきから動かない。
「そ、そんな素ぶりなかったが?!!」
「いつ??いついたの???」
「えーと…」
「何人?!!」
「だから覚えてないって」
「覚えきれないくらいの人と付き合っただと?!」
「そんなこと言ってねーよ。助けて班長ー」
「お前ら落ち着けって。五条に元彼の1人や2人いてもおかしくねーだろ別に」
「班長は知らないと思うが、俺らと一緒の中学までは男に見向きもしなかったんだ」
「そんなセリに彼氏?!信じられない!!」
「今はいねーっつーの」
「2人とも親父みてーだな」
「そう言う陣平ちゃんだってセリちゃんの恋愛事情気になるでしょ?」
「うるせーな萩。萩だって気になってるくせに」
「私の恋愛事情どうでもいいから、授業遅れるよ」
「そりゃまずいな」
こうして次の授業へ急いだ。その日の昼食は4人からの質問攻めが行われた。特にゼロとヒロ。
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