テラーノベル
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数日後。
七人は次のライブに向けてレッスンを再開していた。
「よし、今日はここまで!」
スタッフの声が響くと、じゅんはその場に座り込む。
「疲れたー!」
「明日筋肉痛だな。」
かずとが笑う。
そんな中、かなめはペットボトルを手にしながら、少しぼんやりしていた。
「かなめ?」
りょうたが隣に来る。
「大丈夫?」
「え、あ……うん。」
かなめは慌てて笑顔を作った。
「少し疲れただけ。」
「本当に?」
りょうたは少し心配そうにかなめの顔を見つめる。
「無理してない?」
その言葉に、かなめは少しだけ胸が痛んだ。
(心配してくれてるのに……。)
(僕は勝手に寂しくなってただけなんだ。)
⸻
その日の帰り道。
かなめは駅のホームで電車を待っていた。
すると、隣にりょうたが並ぶ。
「一緒だったんだ。」
「うん。」
少し沈黙が流れる。
電車が来るまで、あと数分。
りょうたが静かに口を開いた。
「かなめ。」
「ん?」
「最近、何かあった?」
かなめは驚いた。
「どうして?」
「なんとなく。」
「笑ってるけど、少し元気がない気がして。」
かなめは苦笑した。
「りょうたには隠せないな。」
「昔からね。」
りょうたも小さく笑う。
⸻
かなめは少し迷ってから話し始めた。
「……実は。」
「りょうたがみんなに頼れるようになって、すごく安心した。」
「でも、その反面……。」
言葉を選びながら続ける。
「少しだけ寂しかった。」
りょうたは何も言わず、最後まで聞いていた。
「僕が『みんなにも頼って』って言ったのにね。」
かなめは照れ笑いを浮かべる。
「勝手だよね。」
しばらく沈黙が続く。
やがて、りょうたは優しく笑った。
「かなめらしい。」
「え?」
「ちゃんと僕のことを考えて言ってくれたんでしょ?」
「……うん。」
「だから、ありがとう。」
りょうたは続けた。
「みんなに頼れるようになったのは、本当に救われた。」
「でもね。」
少し照れくさそうに笑う。
「かなめは、かなめだよ。」
「誰かの代わりにはならない。」
「つらいときに『かなめに話したい』って思う日もあるし、『じゅんに笑わせてもらいたい』って思う日もある。」
「『たかとに相談したい』って思う日もある。」
「それぞれ違うんだ。」
かなめはその言葉を静かに受け止めた。
「……そっか。」
胸につかえていたものが、少しずつほどけていく。
⸻
その様子を、少し離れたところから見ていた人物がいた。
「終わった?」
じゅんだった。
後ろにはたかとたちもいる。
「もしかして、見てた?」
かなめが苦笑する。
「いや、盗み聞きはしてない!」
じゅんは慌てて両手を振る。
「でも二人とも、なんかスッキリした顔してる。」
「そう見える?」
りょうたが笑う。
「見える見える。」
まさやがうなずく。
たかとも穏やかに笑った。
「話せてよかったね。」
かなめは少し照れながら答える。
「うん。」
「ちゃんと話したら、思ってたよりずっと安心した。」
すると、じゅんが明るく言った。
「じゃあ今日は七人でご飯!」
「賛成!」
「俺、お腹すいた!」
笑い声が駅のホームに響く。
七人は並んで歩き始める。
以前より少しだけ、お互いの気持ちを素直に話せるようになった七人だった。
性癖まがってる人🅰️03
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コメント
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読了しました。第12話「本音。」——かなめがりょうたに「寂しかった」と打ち明ける場面、とても好きです。「みんなにも頼って」と言った本人が取り残されたような気持ちになる、その繊細な心の動きを丁寧に描いていて胸に刺さりました。それに対するりょうたの「かなめはかなめだよ」「それぞれ違うんだ」という返しも優しくて。話してよかったと思える距離感が、二人の関係性をより深めてくれた回でした。