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1,2,3,で、
準備は完了。今日も世界は大きくて広くて不思議で楽しい。
小学一年生になった僕にはたくさんの友達がいた。漫画やアニメで見る、愛される主人公みたいに。
”ほーちゃん、ほーちゃん、今日の放課後はサッカーしよう!”
僕は笑顔で頷いて心を躍らせる。皆、僕に仲良くしてくれる。おはようも言ってくれて、僕に笑顔を向けてくれて。性別なんかの差別なんてなく、僕は常に囲まれてたんだ。
いつ思い出しても、そんな思い出が僕の脳裏をかすめる。楽しかった。何もかも理想通り。
僕は優しくて、皆から頼られる、いつも話しの中心人物。
”堀、おもしれーことやってよ”
僕は皆を楽しませる、面白い人間になりたくて、誰も悲しませたくなんてなくて、
ガッカリされたくなくて、
冗談交じりの、バカだって、少しキツめのツッコミにだって、僕は笑って、皆を笑かしたんだ。
ある日、先生は僕を放課後に呼び出した。先生は笑ってなくて淡々と喋る。僕は幼いからよくわかんなかったけど、僕は虐められている、
そう、言われた。
僕はつらい思いなんてしたこと、なかったのに、皆に喜んでもらえて嬉しい、とさえ思っていたのに?
そりゃ、ちょっと痛いなとかやだなとか思ってことはあった、けど……
皆をかばうとかそんなつもりもないのに、先生は怒った顔して僕を見るもんだから、つい、
つい、皆との思い出を口に出した。
隣の席の子の荷物は僕が持ったり準備したりしてる、とか、
帰り際は会話が盛り上がりすぎてちょっと手が当たった、とか…‥
そんな他愛もないもの
そしたら、先生が次の日、僕が名前を出した子みんな呼んで、僕に謝らせた。
皆、余所余所しい態度を僕に取るようになった。前ほど馴れ馴れしく喋りかけてこなくなったし、僕についての、
も流れた。僕に”なにか“すると、僕がすぐ、報告する、
なんだって。
だから、僕も気まずくなっちゃって、喋り方が、皆への接し方が、
僕の思い描いてた理想の僕はきえた、
それから思う、
どこで間違えたんだって。
戻って、正しい選択にし直せたら、楽だろうなって。
今も続く、僕の無謀な願いだった。