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私の本性 。

3 - 第三話 「終わりの始まり」

♥

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2024年12月13日

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「太宰」


誰かが私の名前を呼んでいる。

その声で目が覚めた。


「乱歩さん、」


又呼吸が乱れている。夢の内容は覚えていないがきっとあの夢を見ていたのだろう。

乱歩さんは何時も道理の表情をしているが、薄らと焦りが見えた。私を心配してくれているのだろうか。


「済みません、きっと魘されてましたよね」


「何で謝るの?別に誰も悪くないじゃん」


苦笑しながら、「迷惑かけたので」と答えた。乱歩さんは未だ何か云いたげだったが諦めたのか別の話題に切りかえた。


「そうだ、社長にも其の事は云ったんだけど、念の為太宰は暫く誰かと一緒に過ごせだってさ」


其の言葉に息を呑む。探偵社での”楽観的な考え方の自殺志願者”はあくまで私が創った一つの人格に過ぎない。実際の自分はもっとどす黒い何かなのだ。


「其れは強制ですか…?」


「まぁ一応、社長からの命令だし」


どどれだけ嫌がったって社長命令なら仕方が無い。

一緒に暮らすとなれば敦裙や国木田裙は余計な心配をかけてしまうだろう。谷崎兄妹は論外。与謝野さんや鏡花ちゃんは…女性社員だ。しかも鏡花ちゃんは敦裙と同棲している。辞めておいた方が佳いだろう。

となると残るのは乱歩さん、賢治くん、社長……。


「強制でs」


「強制」


社長命令とは云っても若しかしたら…と思い、もう一度再度先程と同じ事を聞こうとしたら私が言葉を言い切る前に先に答えられてしまった。


「まともな選択肢が無いじゃあないか…」


「でも絶対だよ」


「知ってますよ」


不貞腐れたように其の言葉を吐き捨てる。


「五分以内に決めてね」


え、とつい声を漏らす。其んなの聞いてませんよ、と乱歩さんに捲し立てる。


「云ってないし。で、如何するの?」


私はうーんと唸り乍、未だぼうっとする頭をフル回転させ、誰と同棲するのが理論的最適解か考えた。そうして私が渋々出した答え。


「じゃあ乱歩さんで…」


「了解」


乱歩さんは社長の元へ報告に行く、と云って医務室を出ていった。


「とんでもない事になってしまったなぁ」


私が吐いた独り言は空気中に漂って其の儘誰にも聞かれることなく何処かへと消えていった。



短くてガチ申し訳ないです……


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