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「もうおまえはあの人たちの家族じゃないってさ。つまりおまえを殺しても何の問題もないということだ」
「ヨシエ、ミオ、待ってくれ!」
間男は自分の命惜しさに、部屋を出ていこうとする妻子を必死に引き止めようとする。
「不倫していたのは悪かったが、決して本気じゃない。ただの遊びだったんだ。だから瑠奈は本当に旦那の食事に毒を入れてたみたいだが、おれは毒を使ったことはない。瑠奈の旦那が死んで手に入る保険金がほしかっただけだ。瑠奈を喜ばすために再婚したいと言ったことはあるが、もちろん本気じゃない。その証拠におれはおまえたちに生命保険をかけたりしていない。本当だ。調べてみてもいい」
妻子は立ち止まり、心を動かされたように見えた。娘が何か言いかけたのを母親が制止した。
「不倫は本気じゃなくて遊びだった。毒も不倫相手のご主人には飲ませたけど、私には飲ませてなかった。それなら罪は軽いし、許してもいいかな」
母親の隣に立つ娘が驚きのあまり目を丸くしている。一方、間男は得意満面の笑顔で、今まで抱き合っていた瑠奈を突き放した。
「もとから愛してるのはヨシエだけだ。新しい宝石がほしいと言っていたよな。好きなの買ってやる。今度買いにいこう」