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「俺はそれを望んでたんだ♡」
その声には、確信に満ちた響きがあった。
「……っ」
「言ったじゃん?霄くんのそーいうとこ好きだなって」
俺の耳元に口を寄せると、玲於は囁いた。
その声は、今まで聞いたことがないぐらい甘くて
でも確実に狂気を孕んでいた。
「霄くん見てると、好きすぎて壊したいって思っちゃったんだよねぇ。俺の一言一句に反応して俺の態度ひとつで喜怒哀楽が変化する霄くんを見たい。本番をせずに不安を煽って気持ちを引き出したいと思った。」
「なんでそんなこと……っ?」
「…え?もちろん、好きだからだよ」
にこりと笑う玲於の声は、まるで恋人同士の甘い告白みたいで。
けれどその言葉が指すものは、明らかにおかしい。
歪んでる。異常だ。狂ってる。
……それでも。
(……俺、こんなのを……“嬉しい”って思ってるの?)
気づいた瞬間、頭の奥がずきんとした。
でももう、遅い。
身体が勝手に反応してしまっていた。
ぞくぞくと背筋を撫でるような快感。
こんなにも執着されて、こんなにも“愛されていた”ことに快感を覚えてる俺がいる。
玲於の手が、そっと俺の頬に触れる。
「怖かった?」
「……わかんない。でも……ゾクッとした…俺、おかしいよ」
正直にそう答えてしまった自分に驚きながらも、玲於の手を払うことはできなかった。
「だよね……霄くん…嬉しいって顔してるもんね?」
玲於はゆっくりと俺に顔を近づけてきた。
その瞳は今まで見たことがないぐらい真剣で、どこか狂気じみていて……怖かった。
なのに、俺の心臓は早鐘を打っていた。
玲於の吐息が頬にかかる。
彼の大きな手が俺の肩を掴んだ。
そのまま壁に押し付けられると、二人の距離はさらに近くなった。
「ねえ霄くん。俺のこと、“気持ち悪い”って思った?」
そう訊かれて、俺は――笑った。
「思うわけ、ないじゃん……だって、」
「……俺も、きっと同じくらい、気持ち悪いから」
玲於の目が、一瞬だけ見開かれて。
それから、すぐにとろけるように細められた。
「……やっぱ、俺たち運命なんだね」
「……っ」
歪んでる。最低だ。普通なら、ありえない。
でも
「ねぇ、霄くん…愛してるよ」
その顔は、まるで崇拝する神を見ているかのようで。
本気で、愛してる目だった。
(狂ってる……けど、こんな目で見られたの、初めてだ)
誰も俺を必要としてくれなかった。
「可愛い」だの「若い」だの言って金をくれる客はいても
“俺”そのものを、ここまで見てきた奴なんて、いなかった。
誰にも知られたくない俺を
玲於だけが、最初からすべて受け入れて、愛してくれた。
だったらもう、怖いものなんて、ない。
玲於の指が俺の腰に回る。
ベッドの方に、ゆっくり押し倒されながら
目の端に、俺にそっくりなラブドールが映った。
「ねえ、それって……」
「もう要らないよ」
ぽつりと呟く玲於の声が、どこか嬉しそうで。
「これからは、本物の霄くんが、俺のそばにいてくれるんでしょ?」
「……うん。」
俺は、あの人形の、言わば本家
いいよ、それで。むしろ、望んでた。
どうせ誰にも、こんな俺、必要とされない。
でも玲於だけは、違った。
「……ねえ、玲於。俺と恋人になってくれるってこと?」
「ふふ、俺は最初からそのつもりだよ」
「本当の本当に?」
「うん、嘘だったら刺していいよ」
「…っ、じゃあ…これから、俺だけ見てくれる?」
「もちろん。っていうか、霄くん以外眼中に無いよ」
「可愛いも俺だけにしてくれるの…?」
「うん、霄くん以外虫けらだしね」
俺が求める言葉を全部、玲於は言ってくれた。
その笑顔はさっきまでよりもずっと明るくて
もう何もかもどうでも良くなってしまう。
「玲於……俺を玲於でいっぱいにしてほしい」
「ふふ……いいよ」
玲於の長い腕が、俺を抱きしめた。
耳元で囁かれる言葉は砂糖菓子のように甘い。
それなのに、どうしようもないくらいの狂気を感じる。
「霄くん……俺の気持ち、伝わった?」
「うん……俺のこと、本当に愛してる?」
「本気で愛してるよ。霄くんは…?」
「俺も…殺したいほど、好き…愛してる」
「…そんなに嬉しいこと言われたら、一生離せないよ」
「ほんと?俺のこと離したら死ぬから」
「大丈夫、どんなことあっても絶対逃がさないし離さないから」
その瞬間――
俺は生まれて初めて
満たされた気がした。
「玲於……俺の全部、あげるから……今日こそ挿れてくれるよね……っ?」
「俺も、もうこんなに可愛い霄くん前に挿れないって方が無理だよ。今、ゴム付けるから待ってね」
「うん……っ」
玲於はそう言うと自身のベルトを外してズボンをずり下げると
黒のボクサーパンツ一枚になった。
そこからはパンツ越しでも分かるくらい大きくなっていた。
ゴムを装着すると、俺の両膝裏を掴んで開脚させた。
(玲於の……大きい……)
そう思った瞬間
玲於は俺の腰を持ち上げると
その大きなモノで後孔を押し拡げようとしてきた。
玲於のモノの先端が当たっただけで身体が反応してしまう。
「ま、待って…玲於、まだ慣らしてな…っ」