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栄光再来 吹奏楽
中学受験の為に塾に通う毎日。
学校から帰ってきてもずっと勉強。
自分で
「中学から高いレベルを目指したい」
と言ったのだけれど、勉強漬けのせいで友達もまともに作れない。そして何より毎日が楽しくなかった。
そんな時見つけたのが「吹奏楽部」
この部活が、私の人生を大きく変えたのかもしれない┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
🎶🎶
「下校時刻になりました。教室や、校庭に残っている人は帰りましょう。」
下校時刻の放送がなった。
私は今日放課後、吹奏楽部の見学に行く。
塾は体調不良って嘘の理由で欠席した。
だから今日で中学受験を辞めるか辞めないか決めなきゃならない。
見学してもし吹奏楽部に入りたい!ってなった時に、塾との両立は難しいからだ。
(中学受験をしたいって言ったのは私だから、もし辞めるってなった時に罪悪感凄いかも…)
とかしょうもない事を考えながら音楽室に向かう。
音楽室に近づくにつれて色んな楽器の音が聞こえてくる。
緑の扉を引き、「失礼します…」
と言うと、一斉に音がやんだ。
(あれ、タイミング間違えたかな、)
その時、
トランペットを持っていて、髪が短くて、元気がありそうな人が私に、
「ようこそ吹奏楽部へ!!新入部員の子?見学の子??まぁどっちでもいいけど!とりあえず座って!!あ、私の名前は由美だからね!覚えて! 」
と椅子を置いてくれた。
顧問の先生が、
「ほらほら見学の子困ってるよ。由美さん、落ち着いて」
と言うと、さっき静まり返ったばかりの音楽室に笑いが広がった。
(元気すぎる…うるさい。私には向いてないかも)
と思ったのも束の間だった。
先生が指揮棒を上げて、部員たちに目で合図を送ると、
部員たちは一斉に楽器を構え、由美さんも他の人たちも先生の合図に答えるように、真剣な眼差しで先生の目を見つめる。
指揮棒を振った瞬間、綺麗な音、力強い音が色んな方向から聞こえてくる。
音の種類は全然違うのに、なぜか一体感がある。
迫力も凄い。
と感動していたら、音が止み、一人で楽器を吹き始めた人がいた。これをソロと言うらしい。
そのソロは、何よりも美しかった。
私を見て。私の音楽を聞いて。
と訴えているような綺麗で力強い音。
白い肌、さらさらな髪。
その時私は、
(あの人の後輩として吹きたい。)
そう思った。