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「藍っていつから俺のこと好きなの?」
「…急っすね。てか好きなの前提なん何」
「え違うの?」
「ちがわ、ないですけど。…忘れましたよ、いつからかなんて」
「ま、そうだよな」
「そういう、ゆーきさんは?いつから俺のこと好き?」
「お前も前提にしてるじゃん。」
「真似した」
「いつだろーな。多分、ずっと前からだけど」
「…へー」
「俺にとってもお前にとっても、ちょっと遅めの青春だったのかも」
「アオハルってやつ?」
「そう、それ」
「あはは」
「…藍はさ、バレー好き?」
「好きじゃなきゃやってないですよ」
「この間まで好きじゃなかったとか言ってた癖に?」
「まぁ、それはそれとして。祐希さんはずっと好きなん?」
「俺にはバレーしかないよ。…今までも、これからも。」
「うん」
「だから、藍とは一生付き合えない」
「…何、今更」
「ん?あー、ちゃんと言っとこうと思って」
「…」
「俺たちはずっとずっと、両想いだろ?これから先どんな人に出会って恋しても、俺はお前以上に好きになれる人なんていないし。」
「…俺に執着しすぎなんやない?」
「否定しないしできないね。好きなんだもん」
「そ、ですか」
「でも俺らアスリートじゃん。大好きなバレーと一緒に生きていられる選択肢を持ってる。」
「…」
「だから俺は、藍とは一生、付き合えない。」
「…うん」
知ってたよ、言われなくても。
なのに、なのにどうして、俺の目からは涙が流れ落ちていくんだろうか。
頭がガンガン痛む。胸がぎゅうっと締め付けられる。
苦しい、痛い。
「…静かに泣くんだな。いつもはあんなに元気でうるさいのに」
「っるさ、…」
「藍。泣いちゃいけない。」
ちゅ、と湿った頬に微かな温もりが触れた。
「あーあ、長かったな。俺らのアオハル」
「…始まってすらなかったでしょ」
「それはそうだけど、さ。」
これで終わり、なんて残酷な言葉と共に、先程の温もりが唇に乗った。
今まででいちばん近くで見た瞳は、一瞬だけ、泣きそうに歪んで、愛しいという目をしていた。
控え室の向こう、ゆーきさんを呼ぶ声。そのまま立ち去っていく背中を眺める。
あまりに呆気ない終わりを、何度も頭の中で反芻して、それから、全てを身体の奥底へと葬った。
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あとがき
14×12の始まらずに終わった恋ってこんな感じかなぁと思って走り書きしたものです。ほろ苦いお話ばかり書いている気がします…笑
⚠️本作品のセリフやストーリー、言い回し等の盗作はお止め下さい。