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制服に着替え、階段を上った。
絵、どんな感じになったんだろう。
ていうか今日いるかわかんない、か。
静かに廊下を歩いた。
。。。。!
〜〜、・・・・。
微かに話し声が聞こえ、ドアの手前で立ち止まった。
「これ、描いてみたんですけど、、どうですかね、、 」
女の子の声だった。
「うん、綺麗。すごいね」
「ほんとですか、、!?よかった、、」
「吹部、辞めて良かったの?」
「あ、はい、 友達も辞めちゃったので」
誰だろう。部員の子?
゛゛、!
後ろにあった、美術画材を乗せた机に腕が当たり筆が落ちてしまい、さっと拾った。
「何してんの紳士」
「うわっ」
いつもの無表情を浮かべた宇治が立っていた。
「ああ、絵、どんなのかなって」
「幡中先輩、、!?あ、あのいつもかっこいいなって思いながら見てます、、!」
話し声の主の子が駆け寄ってきた。
「部活終わりですか?あ、この前の大会ベスト8入りって聞きました!おめでとうございますっっ」
「、あ、ありがとう」
「美術部に何か用事ですか?」
「いや、用事っていうか、」
「幡中意外と絵とか好きらしくて、たまに見にきてくれるだけだよ」
宇治はそう言って、美術室の奥の方に戻って行った。
「結構傑作なんだけど」
私が中に入らずにいると、宇治がキャンバスを見つめたまま言った。
「あ、あの絵ですか!?見てください!めっちゃすごいですよ!」
1年生と思われる子に招かれ、中に入った。
「、、すごい、綺麗だね、素敵」
「でしょ、ありがとう」
でしょ、という言葉に少しくすっとしてしまった。
「、、部員の子?」
「うん、1年生」
肩くらいの髪型で、少し小柄の可愛らしい子だった。
「吹部と兼部してたんですけど、そっち辞めちゃって」
「そうなんだ、じゃあこれから美術部来れるんだね」
「はいっ、もともと私美術部だけしたかったんですけど、友達に一緒に吹部入ろうってめっちゃ推されて、、でもその子が辞めちゃうから、なら私もって」
吹部、きつかったのかな。
「あの、私嫁田愛衣って言います!よかったら認知してください、、!」
「あ、愛衣ちゃん、うん、覚えとくね」
「紳士は学校ない日もモテるんだね」
「紳士、、幡中先輩のあだ名ですか!ぴったりですっっ」
「あぁいや、宇治が勝手に呼んでるだけだよ」
宇治は何も言ってないですよ、みたいな顔をしていた。
「幡中先輩と宇治先輩、仲良いんですか?文化祭のとき宇治先輩、幡中先輩のボディーガードしてましたよね」
「ああそう、だね」
私は少し苦笑いをした。
「やらされたの。それきっかけで話すようになっただけだよ」
「そうなんですか〜」
愛衣ちゃんは宇治の隣の椅子に座った。
「宇治先輩、これから部活何曜日にやりますか?」
「あー、別にいつでも大丈夫だけど」
「今は何曜日にやってるんですか?」
「、ああ 」
宇治は立ち上がって、キャンバスを片付けた。
「まあ、曜日についてはあとで連絡する」
「?、わかりましたっ」