やまなか左さの右
「ん、……勇ちゃん、?」
「あ、起きた?」
「…うん、どこいくの?」
「朝ごはん食べようかなって」
「ふーん……もうちょっとだけ、隣にいて?」
「いい、けど……」
「やった、ほら、おいで」
別にちょっとだけなら、と思って布団に入る。
けど、朝起きると尿意というものは必然的についてくるもので
「…ね、そろそろいい?」
「えーだめ……」
「っ、柔ちゃん、」
ハグしてくる力が強い。それも腹部あたりをしっかりめに。
「あったかい」
「うん…そろそろ」
「なに、そんなお腹すいた?」
「や、ちがくて……」
「その……トイレ、行きたいんだけど」
「え〜、行っちゃうの?」
「ぁ…うん…いや、ちょっとなら…」
ここが俺の良くないところ。柔太朗にだけ甘い。メンバーにも言われるくらいだ。
でも、本当にピンチなのはピンチ。
「ねぇ、柔ちゃん…?もういい?」
「もう我慢できない?」
「…うん、けっこう、、」
「じゃ、限界迎えるまで我慢してみる?」
「……は、? 」
柔太朗が膀胱あたりをぎゅっと押してきて
俺は咄嗟に股間をおさえる。
「あ、だめだよ 手」
「ぁ…ほんと、やめて、柔…?」
手が使えず、もう出る寸前。
「お腹、ぱんぱんじゃん。苦しい?」
「ん、くるしい…だから」
「俺は別に漏らしちゃえばいいと思うけど」
そんなの俺が良くないに決まってる。
この歳で布団で漏らすとか…
「っ、やばい、柔ちゃんまじで…」
「かわいいから大丈夫」
「いや俺もう30近いんだよ…?」
「勇ちゃんは勇ちゃんだから」
「そういう問題じゃ…っ、」
やばい、出る
やだやだむりむり、勘弁してくれ
「柔ちゃんほんと出る…っ、おすな、」
「ね、苦しいんでしょ?出しちゃえ」
「っ、ん…やめ、ろ」
「布団汚れる、から…」
「布団じゃなかったらいいの?」
「だから、っ…そういう問題じゃ」
「ほんとはきもちいんでしょ?」
「っ、だめ…むり、」
「ほら、しー、しー」
「っ、あ…やめ、」
抵抗しようとした時にはもう遅くて
「っ、やだ、…ぅ」
「じゅう…まじで、おまえ」
布団の中から微かに聞こえる放尿音が
俺の胸をさらに痛みつける。
「全部でた?」
「……ん」
「服とか、シーツとか…手とか、ごめん」
「んーん、俺が悪いから ごめんね勇ちゃん」
「…勇ちゃん」
「正直、きもちよかったんでしょ。我慢するの」
…正直のところ言うと、気持ちよくなかったわけではないが。
「きもちよかったんだ」
「なんで」
「だってあんま嫌な顔してないし」
「あとテレパシー」
普段は姫のくせに、気狂いそうになる。
「お風呂行こっか」
「ん……」
動く度にぴちゃぴちゃ音が聞こえて
最悪な思いとは裏腹に、俺の体は少し熱くなるのを感じた。
end.
なんだこのごみは
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