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# 🏍 __ 。
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#背後の部屋
⚠️ こちらはd!の二次創作です ⚠️
微死ネタ が これから出てきます
地雷 彡 は 回れ右 !
病室へ戻る。
受付で軽く頭を下げ、見慣れた廊下を歩く。
紙袋と花束を抱えながら、いつもの病室の前で足を止めた。
小さく深呼吸をして、扉を開ける。
相変わらず、静かな病室。
機械の音だけが、規則正しく響いている。
shp「……ただいま」
返事はない。
それでも自然とその言葉が口をついて出た。
花束をそっと取り出す。
病室に置かれていた花瓶へ水を入れ、一本ずつ丁寧に花を整えていく。
茎の長さを少しずつ変え。
花の向きや高さを見ながら、全体の形を整える。
絵を描く時と同じように。
色の重なりや光の当たり方まで考えながら。
昔から、花を飾るのも得意だった。
華道を習っていたわけではない。
ただ、絵を描く中で培った感覚なのだろう。
色の組み合わせ。
余白の美しさ。
見る人の視線が自然と流れる形。
それらを考えているうちに、いつの間にか花も綺麗に飾れるようになっていた。
やがて。
殺風景だった病室に、小さな夏が咲いた。
オレンジと黄色。
そして白い花が優しく寄り添う花束は、窓から差し込む陽の光を浴びて柔らかく輝いている。
shpは少しだけ目を細めた。
shp「……うん。ええな。」
満足そうに、小さく頷く。
そして、眠るciへ視線を向ける。
shp「……花、持ってきたで」
「一回くらい持ってきた方がええかなって思ってさ」
照れ隠しのように笑う。
もちろん返事はない。
それでも。
どこか嬉しそうに見てくれる気がしていた。
椅子へ腰を下ろし、キャンバスを立てる。
視界の端には、さっき飾った花束。
その優しい色合いを見ていると、自然と筆も動き始めた。
オレンジ。
黄色。
白。
今日見た花の色が、少しずつキャンバスの上にも重なっていく。
その時。
ふと、昔のことを思い出した。
ci「また新しい色使っとるやん。」
ci「でも、これの色もええな!流石shpや」
あの声が耳の奥で蘇る。
shp「……そっか」
小さく呟く。
その言葉は静かな病室へ溶けていった。
時間だけがゆっくりと流れる。
窓の外では、夏の風に木々が揺れていた。
面会終了を知らせるアナウンスが流れる。
いつの間にか、今日も帰る時間になっていた。
shpは筆を置き、完成しかけた絵へ目を向ける。
まだ描き切ってはいない。
でも。
今日はここまででいい。
キャンバスを片付けると、もう一度ciの方を見る。
花束は、夕日に照らされて昼間とは違う優しい色をしていた。
shpはゆっくりと立ち上がる。
shp「……また明日来るから」
shp「おやすみ」
そう言って、静かに病室の扉を閉める。
廊下へ出ると、窓の向こうには茜色の空が広がっていた。
その景色を眺めながら病院を後にした。
翌日。
夏の陽射しは、昨日よりも少しだけ眩しかった。
その中、いつものように病院へ向かう。
受付で軽く頭を下げ、見慣れた廊下を歩く。
病室の前で立ち止まり、小さく息を吐く。
そして、静かに扉を開けた。
昨日と変わらない景色。
白い天井。
規則正しく鳴る機械の音。
静かに眠るci。
窓際には、昨日飾った花束。
そして、その隣には描きかけのキャンバスが静かに立てかけられていた。
shp「……おはよう」
返事はない。
それでも、それが当たり前になっていた。
わいは荷物を椅子へ置き、キャンバスの前へ立つ。
昨日描きかけの絵。
乾いた絵の具の上へ、新しい色を重ねていく。
昨日飾った花束を見ながら。
オレンジ。
黄色。
白。
優しい夏の色が、少しずつキャンバスにも広がっていく。
病室には、静かな時間だけが流れていた。
窓の外では、蝉の鳴き声が遠く響いている。
本格的に夏が始まってきていると感じた。
しばらくして、バケツの水を変えようと席を立つ。
その時だった。
「……っ」
小さな息遣いが聞こえた気がした。
思わず振り返る。
ベッドの上。
眠っていたciの指先が。
ほんの少しだけ、ぴくりと動いた。
shp「…………え」
鼓動が一気に速くなる。
目を逸らしたら、夢になってしまいそうだった。
ゆっくりと。
本当にゆっくりと。
閉じられていた瞼が震える。
何度か、小さく。
そして。
時間をかけるように、瞳が開いた。
眩しそうに細められたその目が、白い天井を映す。
ゆっくりと視線が動く。
窓辺の花束。
描きかけのキャンバス。
しばらく何も言えなかった。
静かな病室で。
最初に声をこぼしたのは、ciだった。
ci「……どなた…ですか……?」
掠れた、小さな声。
たったそれだけ。
その一言だけで。
自分の手から筆が、カラン、と床へ落ちた。
息をすることさえ忘れていた。
震える足で、一歩。
また一歩。
ベッドへ近づく。
shp「……ci」
震える声で名前を呼ぶ。
ciは困ったように眉を寄せた。
ci「……ごめんなさい。でも……本当に、分からなくて」
その一言で。
期待していたものが。
音を立てて崩れていく。
何か言おうとしてみたが、声にならなかった。
そんな様子を見て、ciは申し訳なさそうに目を伏せた。
ci「あの……知り合い、でしたか?」
その瞬間。
喉がぎゅっと締め付けられる。
でも。
今泣いたら一番困るのはciだ。
そう思い、必死に笑顔を作る。
shp「……………んー、友人かな」
その笑顔は。
今までのどんな笑顔よりも、不器用だった。
それに、今は驚いている場合じゃない。
shp「……ちょっと待っとってな」
震える手でナースコールのボタンを押す。
まもなく、看護師が慌てて病室へ入ってきた。
「どうされました!?」
shp「……ciが、目を覚ましました」
その一言に、看護師は目を見開く。
「本当ですか!?」
すぐにciの様子を確認し、優しく声をかける。
「分かりますか? お名前は言えますか?」
ciはゆっくりと頷いた。
少し掠れた声で、自分の名前を答える。
その様子を確認すると、看護師はすぐに無線で医師を呼んだ。
ほどなくして担当医が病室へ駆け込んでくる。
医師は瞳孔や反応を一つひとつ確認し、いくつか質問を続けようとした、その時。
わいは意を決して口を開いた。
shp「……先生。」
医師が振り返る。
拳をぎゅっと握り締めながら、震える声で続けた。
shp「……もしかしたら。」
shp「ci………記憶、なくなってるかもしれません。」
その言葉に、病室の空気が静まり返る。
医師は表情を変えず、静かに問いかけた。
「どうして、そう思われたんですか?」
shpは唇を噛み締める。
shp「……ciが…目を覚まして、名前呼んでも……。」
shp「『どなたですか』って。………わいのこと、分からへんって言われました。」
医師は小さく頷き、眠る前の経緯を確認するようにカルテへ目を落とす。
そして、再びciへ視線を向けた。
「……分かりました。」
「それも含めて、一度詳しく検査を行いましょう。」
「ご家族の方にも、ご連絡をお願いします。」
その言葉に静かに頷き、ポケットからスマートフォンを取り出した。
何度も連絡を取ってきた番号。
迷うことなく発信する。
数回のコール音。
すぐに電話が繋がった。
「もしもし、shpくん?」
聞き慣れたciのお母さんの声。
息を整え、小さく口を開いた。
shp「……ciが。」
shp「目、覚ましました。」
電話の向こうで、一瞬息を呑む音がした。
「……本当に?」
shp「はい。でも……」
そこで言葉が止まる。
喉が締め付けられる。
言わなければいけない。
そう分かっていても、その一言はあまりにも重かった。
shp「……わいのこと、分からへんって………。」
電話の向こうは静まり返った。
しばらくして、小さく震える声が返ってくる。
「……すぐ行くわ。」
「今すぐ病院へ向かうから。」
電話が切れる。
耳からスマートフォンを離す。
握ったままの手は、小さく震えていた。
_ _ _ _ _
一応、言っておくと、ありきたりな記憶喪失系にはしません。
それだけ言っておきます。
わーい記憶戻ったハッピー展開にはしない予定です。
そして、今回の話も読んでくださりありがとう御座います…!
コメント
4件
まっずいあかんこれテラー、大泣き伝説の2話目ができてまう😭😭😭 メリバというかバドエンというかビタエンというか苦手なはずやのにおむ様のだけは読めますわ😭😭😭 ホンマに更新ありがとうございます😭😭😭
うわあ……第5話、読み終わりました。花を飾るシーンの丁寧さと、目が覚めた瞬間の緊張感の描き分けが本当に巧くて、読みながら息を止めてました。ciが「どなたですか」と聞いたときのshpの「友人かな」という返し、あの不器用な笑顔が胸に刺さります。作者が「ありきたりな記憶喪失にはしない」と明言しているのも、これからの展開に期待が高まりますね。優しい日常が一瞬で色を変える、その構造が好きです。