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神死悪栄
元川崎ゾンビの幹部たちから黒地に金色の文字でそう刺繍された大旗を献上された。
八月末、その大旗を相川美紅に振らせ、余は湘南海岸で敵と対峙した。敵チーム湘南天使は二千人。味方は千人連れてきたが、今回の戦闘に参加するのは百人だけ。
チーム名は天使だが、リーダーは鬼塚という名前で鬼と恐れられる湘南ヤンキーの伝説的カリスマ。その男が自慢の旧車に乗って余の前に現れた。
「今まで数に物を言わせて攻めるばかりだったくせに、今日はざっと千人、うちの半分というところか。ずいぶん少ねえじゃねえか。湘南攻略はあきらめたということか?」
余に代わって真琴が対応した。
「千人いますが、今日は総長を連れてきたので戦うのは百人だけです。残りは最近横浜デビルに参加して総長の実力を知らない者たちです。あなたたちを無慈悲に処刑する様子を見学させて、総長の恐ろしさを今日はじっくり学んでもらいます」
「見学? ケンカは体育の授業じゃねえぞ、コラ!」
鬼塚は怒って車から飛び出してきた。今まで余と戦ってきた組織のリーダーはいかにもケンカが強そうな外見の男ばかりだった。鬼塚は見た目は普通の若者。見た目が普通なのにカリスマ的強さを誇るとはマンガの主人公のようだ。