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「本っ当にごめんなさい!」
いきなり部屋に入ってきて、地面に顔を伏せる泰揮クン。
わざわざ謝りに…来てくれたの…?
「自分勝手なことして…2人を傷つけて…皆を巻き込んでごめんなさい。絶対に許されないことをしたと反省してるわ。」
悪いのは…泰揮クンだけじゃない。拒めきれなかった私にも非がある。
「違うのよ。花月チャンは、自分の意志で決めたと思ってるかもしれないけど…本当は催淫効果のある媚薬を使ったの。花月チャンがまともに考えることができないようにって……。だから……全部…アタシが悪いの。」
催淫…効果…?
それじゃあ、あのときの胸の高鳴りや熱は全部……幻覚……?
「そうよ……。全部アタシが仕組んだの。聖クンのことを少しでも忘れさせることができたらって……。」
泰揮クンがしたことはきっと、とても恐ろしいことだったのかもしれない。
でも……泰揮クンを憎むことも怨むこともできない。
だって、大切な家族だから。
「花月チャン……。」
「泰揮クン……ごめんなさい。今まで私が……皆の気持ちから逃げていたから…。今回みたいなことが…起きてしまった。泰揮クンの気持ちも……皆の気持ちも……とても嬉しいです…。でも……私の心には、聖さんしかいないから……。だから……ごめんなさい。」
「いいのよ。貴女たちが幸せなら、アタシも幸せよ。」
涙を浮かべながら笑う泰揮クンの顔は少し寂しげだったけれど、どこか吹っ切れたようにすっきりしていて、私も安心することができた。
「それじゃあ、2人の邪魔をしちゃ悪いからアタシはお暇するわ。」