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休日、やっと静かな時間が取れると思ってたのに、神風からのメッセージが鳴り止まない。朝から何通送ってくるんだか…。一度「今日は無理」って返事したんだから、普通の人ならそれで終わりだろうに。
リビングでカフェオレを飲みながら、ぼーっとスマホを見つめる。もう完全に無視しようかなって思ってたけど、なんだかんだ気になってしまう自分が少し嫌になる。
その時、またスマホが震えた。いつも通りのしつこいメッセージだろうと思って、ちらっと画面を見たら、予想外の一文が目に飛び込んできた。
「千秋、俺、お前のこと……嫌いだから。」
……は?一瞬、頭が真っ白になる。神風が「嫌い」?今まであれだけしつこく絡んできて、突然こんなメッセージを送ってくるなんて、何の冗談?ドッキリか?
「……嘘でしょ、なんなの、これ?」自分でも驚くくらい声が震えた。いつもの神風なら、何を言ってきても適当に流せたはずなのに、「嫌い」って言葉が予想以上に響いてきた。
そりゃ、しつこくされて迷惑だとは思ってた。でも、突然「嫌い」なんて言われるなんて思ってなかったから、なんだか胸がギュッと締め付けられるような気分になる。何なんだろう、この感じ。私は神風のこと、別に好きじゃないのに。
「ふざけんな…!」気がつけば、スマホを強く握りしめていた。怒りが込み上げてきて、すぐに返事を打とうとしたけど、ふと手が止まる。もし、これがただの冗談だったら?神風らしい悪ふざけの一環かもしれない。
「でも、あいつがそんなこと…」どうだろう。あいつはバカで、しつこくて、うるさくて。でも、今までこんな風に「嫌い」なんて言葉を使ったことはなかった。冗談だとしても、これはさすがにやりすぎだろう。
頭の中でぐるぐると考えが回り続ける。何か返事をするべきか、それともこのまま無視するべきか。もしかしたら、あいつも何かあって、本気でこう思ってるのかもしれない…なんて、余計な心配までしてしまう。
結局、私はそのまま返事を送らないまま、スマホを置いた。心の中がモヤモヤして、カフェオレの味も感じなくなる。なんで私は、あいつのこんな言葉に動揺してるんだろう?これまでずっと鬱陶しいって思ってたはずなのに。
しばらくして、スマホがまた震えた。恐る恐る画面を見てみると、そこには神風からの新しいメッセージが表示されていた。
「嘘だよ!びっくりした?冗談だってばー!」
その瞬間、心の中で何かが切れた。
「……あいつ、絶対に許さない。」
怒りで顔が真っ赤になった私は、スマホを握りしめて、強くため息をついた。冗談でも「嫌い」なんて言葉を使うなんて、最低だ。次に会ったら、絶対に文句を言ってやる。あいつの顔を思い浮かべるだけで、腹が立ってくる。
「本当に、バカなんだから…!」
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