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🍍「……………んッ…」
俺は目を覚ました。
周りには白い天井に白いカーテン、傍には黒いソファと透明なローテーブルが置いてありモノクロ主張の部屋だった。カーテンの外は真っ暗で窓には鍵が頑丈に閉められている。
🍍「ッあ…………」
働かない頭に数時間前の記憶が蘇ってくる。変な男に捕まり睡眠薬みたいな物を吸わられてそこから憶えていない。知らない場所のためきっと連れてかれたんだろう。
眠る前に見たあの黄色く光ったゴミを見る瞳を思い出す。
🍍「ッ…逃げなきゃっ……!」
ガチャ…
そう思っていた時、ドアが開いた。
「…起きたか」
🍍「ッ……」
ドアを閉めてから次に鍵を閉める。俺を逃がさない為なのだろう。
今度ははっきりと顔が見える。肌が色白く黄色い瞳に切れ長の目元。髪は濃い紫色で襟足は白寄りの灰色、頭のてっぺんに円を書くようにアホ毛が立っている。 黒いスーツは脱いだのか上は胸元を開けた薄紫色のシャツだけになっていた。
見るからに怪しい人物。いや、ここに誘拐したのだからどんな理由でも警察行きだ
「よく眠れたか?」
🍍「お前ッ…誰だよッ…!」
「…それを知ったらお前はどうする?」
🍍「っ何訳分かんない事言ってんだッ…!」
俺はムカつきベッドから立ち上がろうとした。だが足元がふらついてしまいそのまま前に倒れそうになってしまう。
🍍「ッ…!!
………あれ…?」
上半身の痛みを覚悟していたが男が支えてくれたのだろう。男の体温の温かさが上半身に伝わり、シャツの匂いが鼻をくすぐった。
「まだ睡眠導入剤が身体に残ってんだ。すぐ立ち上がろうとすんな。」
🍍「っ……」
「…そう睨むな。水飲め」
その男は俺の身体を押しベッドに寝転がした。そして倒れた俺の身体の上にペットボトルの水を投げる。あまりにも雑過ぎて俺はまた怒りが湧いてくる。
🍍「…………」
「…そのペットボトルには何も入ってない。新品の水だ。早く飲まねぇと薬の効果が薄まらんくて明日の昼までその状態だぞ」
🍍「ッ……」
その男の言う通りになりたくないが早くここから逃げたい為俺は水を口にする事にした。
🍍「ッ…ッ……」(プルプル
「…はぁ、非力だな」
誰のせいだと思ってんだ。そう思っている間にソイツは俺の手から水を奪い取るとキャップをすんなりと回し手元からプラスチックの弾けた音がする。何も言わず俺に返した。
🍍「………」(コクコク…
「………」
静かな空間が部屋中に漂う。 用がないならすぐ帰って欲しい。というか帰らせてくれ。 そう思っているとソイツは口を開けた。
「…ちなみに言うけどお前をここから逃がさねぇからな?」
🍍「っ…誘拐犯めッ…!!」
俺の予想は当たった。立派な犯罪者。
「…俺を誰だか知りたいんだよな?」
🍍「んなのもういいッ!ッ早くこっから」
「まぁ、いつ知られてもおかしくねぇし今教えたっていいしな」
こいつ俺の話を聞いてない。腹が立つ。きっもち悪ぃ独り言をぶつぶつ呟きやがって。
📢「俺の名は紫燈いるま。マフィアだ。」
🍍「………は…?」
耳を疑った。
マフィアってあのマフィアか?クラスの厨二病の奴らから教えてもらった不法利得を目的にした犯罪組織。麻薬の密輸や人を殺し誘拐、売春や恐喝をしそれらを主要資金源にする…
📢「お前が今思ってるマフィアだよ」
🍍「っ…嘘つきッ…」
そんな訳がない。 大の大人が厨二病な事を言ってるだけだ。まだ捨て切れてねぇのかコイツ、気持ち悪い
🍍「ッ…どうせ俺を脅す為に言ってんだろ?言うけど傍から見たら痛い変人だッw」
📢「…………」
🍍「今なら訂正できるよッ?w 何? 俺を狙って誘拐したんだから親に身代金でも貰おうってか?w」
こっちにはすちっていう警官で俺の恋人がいるんだからな?お前なんてすぐに__
📢「うっせぇ小僧だ」
(((ガシッ
🍍「ッぅが”ッッ!?」
(((ボフンッ!!
ソイツはいきなり俺の首を掴みそのままベッドに押し倒された。首元はソイツの手が抑えてる為無理に抵抗しようとも徐々に締めつけられ窒息死になるだろう。俺の手から離れた水が入ったペットボトルは床に落ちて口から水が溢れ落ちていく。
(((カチャッ…
🍍「ッ…ぁ”…あ”ッ……」
するとソイツは俺の口の中に拳銃を咥えさせた。口の中にある拳銃を目の前で発砲され俺は死ぬと実感すると冷や汗と焦りが少しずつ出てきた。何時でも口金を弾いてもおかしくない。ソイツは何も言わず上から俺の事を見下して引き金を引く人差し指が嫌に動かし続けている。
俺は答えを間違ったと今更感じた
🍍「ひッ…ぅ”ッ…ぁあ”ッ…」(ポロポロ
震えも汗も涙も止まらない。 まだ死にたくない。でも口が動かない、いや動けない。
📢「…泣くくらいならんな事言うんじゃねぇよ、阿呆が」
📢「お前、今日からここで暮らせ」
🍍「ッ…ぅ”…が”ッ…」(ポロポロ
📢「俺の女 になれ、こっから出るな」
🍍「ッ………」(ポロポロ
📢「出たら、分かってるよな?」
そう言うとまた人差し指が少し動く。
🍍「ッ……!!」(コクコク
📢「…それでいい」
そう言うと拳銃を俺の口から出してソイツが入ってきたドアに向けた。
バアァンッッ!!!
……白いドアの真ん中には焦げて煙が上に昇ってる黒い点が見えた。
🍍「ッ…ぁ…あ”ッ…」(ポロポロ
📢「……これからよろしくな?
丹羽那津?」
🍍「ッ…ぅ”ッあ”ッ……」(ポロポロ
これから俺はあのマフィアと言い続けてる野郎と住むことになった。
コメント
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これは…どうなっちゃうんだ…