テラーノベル
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🦍(独身)↔🍆
御本人様とは関係しません。
あくまでもフィクションです。
ご了承下さい。
1話〜3話のスピンオフ作品になります。ご理解下さい。
今回は🍆さん視点です。
今MENと一緒にPC専門店へ来ている…
最近…何かとPCとマウスの調子が悪いので、状況をMENに話したところ…、あれが必要だ、マウスはこれがオススメだ…と詳しく教えてくれて…結局一緒に買い物をしているという訳だ。
俺はPC関係にあまり詳しくないから、MENにアドバイスを受けながら購入をした。
(マウスの色だけは、ドズルさんのメンバーカラー『赤』に拘ったけど…///)
「MEN、ありがとう。おかげで何とかなりそうだわ」
「それは良かったっス。とりあえず、今日買ったものを取り付けて、様子みて下さい。もし不具合があれば、また対処法を考えますから…」
「MEN、助かるわー」
「アフターフォローもバッチリ!頼りになるおおはらMENですから…」
「ふふふっ…マジ心強い!」
「でしょ?!まぁ…見返りは夕食でイイっスよ。ぼんさん奢って下さいね!」
「抜け目ねーなぁ…。じゃあ、MENの好きな物でも食べに行くか!」
「うぉーっ!やったぁ。ぼんさん、俺寿司がイイっス!」
「分かった分かったw じゃあ行こう」
店を後にした俺達は、MENと一緒に寿司屋へ向かっている途中だった…。
道路を挟んだ向かいの歩道にドズルさんが歩いているのをMENが目撃した。
「あれ…ドズルさんじゃないっスか?」
「え?どこ?」
「ほら、反対側の歩道に…」
立ち止まり、指差して知らせる。
俺も一緒に立ち止まって、指を差された方へ目を向けると…俺の知らない女性と一緒に歩いていた…。
『あれ?今日は夜まで仕事だと聞いてたのに、誰だろう?…それにしてもカワイイ女性だなぁ…』
と疑問を抱きながらも目線を外す事ができなかった。
そんな俺の顔色を伺ってか…
「ぼんさん。ドズルさん…気になりません?…尾行しましょうよ」
と面白がって付いて行こうとする。
「おい、MEN。ドズさんに悪いって…」
と俺がMENの肩に手を置いて止めようとした時だった。
彼女がドズルさんの手を握り、 まるで迷子を案内するように、重厚に佇むハイブランド店へ入って行く…。
その瞬間…俺の視界がグニャと歪み、2人がまるで遠くの世界へ行く様に思えた。
しかも…俺に見せたことのない、少し困ったような、でも酷く甘い笑みを浮かべながら、2人して笑顔で店内に消えていく。
「ドズルさん…デートっスかね?彼女にプレゼントでも買ってあげるのか?」
罪におけないっスね等と言いながら、ニヤニヤと俺の顔を見てくるMEN。
「そう…かも…ね。……ほら…MEN。寿司食いに行くよ…」
「あっ…ぼんさん、待って下さいよー」
俺は平静を装いながらも、内心…動揺を抱きながら寿司屋へ向かった。
「……ねえ、ぼんさん聞いてます?」
正面から飛んできたMENの声に、俺は弾かれたように顔を上げた。
いつの間にか寿司屋のカウンターに座っていて… 目の前には、お茶とお吸い物、貝物の握りが出されていた。
「あ、ごめん。何だっけ? 」
俺は極めて自然に振る舞おうと返事をするが、 瞳の奥にはまだ、ドズルさんの手を引いてハイブランドの店へ入る姿が焼き付いたままだった。
「もう…上の空っスよ。疲れてます? あっ!もっと頼んでいいっスか?」
MENがメニューを見ながら要望する。
「うん、いいよ。好きなの頼め」
いつもの俺なら『お前…頼み過ぎんなよ !』とか言って食事を楽しむのだが…
今の俺は、平静を保たせる事に必死で、自分の声が震えていないか…MENに動揺がバレてないか…と心配だった。
ただ、ポケットの中のスマホは相変わらず静かなままで…
『今日は会社で仕事がありますので、夕食は一緒に食べれません。スミマセン』
昼届いたLINEの文字が、脳内で不協和音を奏でる。
ドズルさんは今頃、あの女性と何しているのか…?もしかして… 一緒に抱き合って…キスして……、あーー!妄想ばかりが頭をよぎる。
「じゃあ、とりあえずイカと穴子とイクラを下さい!」
と板前に頼むMENの声が店内に響く。
一口飲んだお茶が、いつもより苦く感じ…喉を通りにくくさせた。
しかし…普通どおりにしないと、変に怪しまれる。
『どうしたんスか?』と探られる方が、今の俺には…よっぽど辛かった。
105
「で、昨日の撮影なんスけどーー」
MENの話を聞きながら、俺は元役者という強みを武器に、笑顔の仮面を貼り付けて、MENに気づかれないように息を吐き出した。
ただ… 胸の奥の冷たい塊が、じわじわと体温を奪っていくのを執拗に感じていた。
「じゃあ、また明日」
食事を終え、MENの背中が雑踏に消えた瞬間、顔に張り付いていた笑顔の仮面がポロッと剥がれ落ちた。
張り詰めていた糸が切れ、代わりにドス黒い気持ちが胃の底からせり上がってくる。
『このまま真っ直ぐ部屋に帰ったら、確実に精神が自滅する…』
そう確信した俺は、吸い込まれるように夜のコンビニの自動ドアをくぐっていた。
俺は迷わずアルコール度数の高い酒の棚へと手を伸ばす…。
普段の俺なら絶対に選ばない果汁の入った缶チューハイを3缶、更に隣の棚からハイボールのロング缶を5缶、容赦なくカゴに放り込む。
レジ袋の有料化なんてどうでもいい。ガサガサと音を立てるビニール袋をぶら下げ、俺は逃げるように夜道を歩いた。
部屋に入り、ソファーに座って1缶目のプルタブを引きちぎった。
『カシャ』と鋭い金属音が静かな部屋に響く。
缶の冷たい飲み口をそのまま唇に押し当て、喉を鳴らして流し込んだ。
強烈な炭酸と、喉を焼くような安っぽいアルコールの刺激が食道を駆け降りる。
「うわ…、キツッ」
思わず声が出た…。でも今は、そのキツさがちょうどいい。
スマホの画面をタップすると、相変わらずドズルさんからの連絡はない。
脳裏をよぎるのは、あのハイブランドの店内で、一緒にいた女性に『これ、似合うと思うよ?』なんて甘い声で選んでいる彼の姿だった…。
自分の妄想に嫌気を差しながら1缶飲み終え、2缶目の缶を開けた。
アルコールが急速に脳の血管を巡り、視界が少しずつ歪み始める。
ドズルさんと付き合い始めて、もう少しで1ヶ月を過ぎようとしている…。
恋愛なんて本当に久しぶり過ぎて、最初の頃は手を握ることすら照れてしまう始末だった…。
しかし、時間を重ねるにつれ、どんどんドズルさんへの気持ちが膨らみ、 一緒にいられる幸せを日々噛み締めていた…。
しかし…今はどうだ。
悲しいのか、悔しいのか、それとも怒っているのか、もう自分でもよく分からなかった…。
ただ…このドロドロとした感情を、一刻も早くアルコールの海に沈めて窒息したかった俺…
「バカだなぁ…どんだけドズさんの事が好きなんだよ…」
でも、彼の事を考えれば、こんなおじさんに縛られず、女性と付き合っていく事の方がいいに決まってる。
いずれは結婚して…子どもを授かって…幸せな家庭を築いていく…その方が彼の将来の為には…いいんだ……。
なら、前のように…仕事上の相棒に戻るだけだ…仕事だけの付き合いに…。
「うぅ……ドズルさん…元に戻るなんて…嫌だよぉ……」
誰もいない部屋で悲愴感に暮れながら…ぬるくなり始めたハイボールの缶を再び煽って、只々泥酔していった…。
夢の中でもドズルさんが出てきた…。
それは…汗ばんだシーツが肌にまとわりつき、重なり合う二つの影がベットの上で動く…。
ドズルさんの逞しい背中が波打ち、その下に敷かれた女の細い足が、彼の腰に深く絡みついていく。
『もう…やめてくれ…』
夢の中の貴方は、女性に触れる手つきすら愛に満ちていた。
そんな姿を遠巻きで見ながら、涙を流して佇む夢だった。
俺はどこまで女々しいんだ…。
忘れなきゃいけないのに…。
ドズルさんの幸せを第一に考えろ…。
諦めろ…ぼんじゅうる…。
お前は…捨てられたんだ…。
以前のように…仕事上の関係だけに戻るんだ…。
俺は悪夢の中でも、現実を突きつけられるのか…と悲しみに暮れた。
昼前に目覚めると、『ガンガン』と頭の芯を直接ハンマーで殴られているような衝撃が走り、飲み過ぎた事に後悔する…。
まぶたを開けようとした瞬間、遮光カーテンの隙間から漏れた一筋の光が、容赦なく俺の網膜を刺激する…。
「…ウッ……頭…痛い…」
口の中は砂漠のように乾き切り、喉の奥からは昨夜の安っぽいアルコールが逆流してくる感じがした…。
テーブルには転がった空き缶と、飲みかけのハイボール缶が残されていた。
俺は眉間にしわを寄せながら、二日酔いと戦っていると… 最悪の目覚めを告げるように、枕元でスマホが短く、しかし執拗に振動した。
通知画面に表示されていたのは…世界で一番見たくない、しかし待ち望んでいた名前だった。
仕方なく通話ボタンをタップすると…
『ぼんさん、おはようございます』
と、いつもの優しいドズルさんの声が聞こえた。
「……ッ……あぃ……」
最悪な返事…声がカスカスだ…
『今起きました?』
「……ッ……あ、はぃ……」
『……体調…悪いですか?』
「……いえ……」
さすがに、二日酔いとは言えず…黙っていると…
『……今から行っていいですか?』
「…え?」
『ぼんさんが心配なので…』
だから…なんでそんなに俺に優しくするんだよ…。
でも…今来られたら醜態を晒してしまう上に、感情的になって何を言うか分からなくなる…と回らない頭で考え、
「……いや…大丈夫だから…」
『…でも…』
「…ホント大丈夫。だから来ないで…」
『ぼんさん…』
「……午後の収録までには…何とかするから……じゃあ…」
無理矢理通話ボタンを押して、会話を終わらせる。
とにかく今は…ドズルさんと会う事を避けたかった。
会ってしまうと…別れる決心が鈍る…。
「とりあえず…薬飲もう。あと…水をたくさん飲んで、アルコールを抜くか…」
おぼつかない手つきで、シートから白い錠剤を押し出し、『パキッ』と乾いた音が狭い部屋に響く。
台所へ這いずり、冷蔵庫の中から水のペットボトルを取り出して、錠剤と大量の水を体内に流し込む。
「…これで少しでも良くなれば…」
冷たい水が、体内で暴れるアルコールの毒を、ゆっくりと薄めていくのを感じていた。
撮影までまだ数時間ある…。
それまでに少しはマシになっていること願いながら、ふらつく足取りでベッドへと戻り、再び眠りについた。
次に意識が浮上した時、こめかみを内側から金槌で叩かれるような激痛は、かすかな鈍痛へと形を変えていた。
まだ胃の奥にある重い不快感は残っているものの、確実に身体の毒は薄まりつつあった。
ベッドの上に身を起こし、深く息を吐き出す。
乾ききっていた喉は、先程流し込んだ水がようやく行き渡ったのを感じた。
まだ本調子には遠いが、少なくとも、動ける身体にはなってきた…。
携帯で時間を見たら、あと40分ぐらいで撮影が始まる。
「よし……やるか…」
声に出して自分を鼓舞し、まだ重い身体をベッドから引き剥がす。
シャワーを浴びてアルコールの匂いを完全に洗い流すと、ようやく思考の霧が晴れた。
テーブルの上にある酒を片付け、昨日買ったマウス等を取り付けて、PCの電源を入れる。
正常に動く事を確認していたら、撮影時間となったので、Discordを繋いでログインした…。
そうこうしていたら、撮影前にMENから俺に尋ねてきた。
「ぼんさん、昨日買ったヤツ大丈夫でした?」
「うん、調子良くなったわ。MENありがとうね」
「良かったっス。あとご馳走様でしたぁ!また奢って下さいね」
「あぁ…また今度な…」
このやりとりを他のメンバーも聞いていたみたいで…
「MENええなぁ…。ぼんさん、僕も奢って下さいよ」
「俺もぼんさんの奢りでご馳走食べたいです…」
とおねだりをするおらふくんとQnly。
「……」
それを黙って聞いているドズルさん。
普段なら、『何奢ってもらったの?』とか入ってくるのに、今日は俺の様子を伺ってか…黙っていた。
「分かった分かった。今度みんなで食べに行こうね。さぁ、仕事仕事…」
とこの場を収める俺。
ただ…やっぱりドズルさんの事が気になったのと、二日酔いの影響もあって、テンションは低かった。
とりあえず撮影はいつも通りにやれたと思うが…時折、ドズルさんの溜息が聞こえた。
多分、俺の事を心配して出たものだと思うが… 聞こえない振りをしてやり過ごした。
最後の撮影が終わり、ドズルさんを避ける様に、そそくさとDiscordを抜け、画面の隅にあるシャットダウンのボタンをクリックした。
「ふぅ…終わった…」
キーボードから手を離すと、指先からどっと疲労感が押し寄せ、椅子の背もたれに深く身体を預けながら、天井を見上げ瞳を閉じると…、思い浮かぶのは昨日のドズルさんと手を引いて歩く女性とあの悪夢の事ばかり…。
「ドズルさん…今日も…あの女性とデート…かな…」
考えるだけで黒い感情が渦を巻く…。
こんな気持ちを引きずったままで、何か食う気力すら起きなかった。
食欲の代わりに、冷蔵庫の最下段で冷えているハイボールの缶へ手を伸ばして『プシュッ』と静かな部屋に音が響き…一口飲む。
「何やってんだろ…俺…」
自嘲気味に呟きながら、冷えた液体を更に喉に流し込み、アルコールが胃壁を刺激しながら、じわリと熱が広がっていくのを感じる…。
「はぁ……」
二日酔いの頭痛やドズルさんへの焦燥感で張り詰めていた神経が、強引に解きほぐされていく感覚に陥る。
一度は体外へ追い出したはずの毒を、自らの手で再び身体に満たしていく。
『バカだなぁ…』と分かっていても、今の俺にはこの逃避の味が必要だった…。
1缶空け…また1缶と、缶を傾けるたびに…部屋の輪郭が心地よく、ゆっくりと溶け始めていく。
「もう…どうなっても…いいや…」
自暴自棄なっている俺を見て…ドズルさんも嫌気を差す事だろう。
『俺の事は気にしなくていいから……安心してあの女性と一緒に幸せになってね…』
俺の目から1筋の涙を溢しながら、再びアルコールを浴びていく…
「さよなら…ドズ…さん…」
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