テラーノベル
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[バラエティー撮影 スタジオ]
収録中、スタジオは笑いに包まれていた。
バラエティ慣れしてる芸人さんが、流れるようにリオに絡む。
「え〜リオくんさ、絶対モテるでしょ?てか意外と可愛い系だよね」
リ「いやいや、そんなことないですよ」
いつものリオ。
柔らかく笑って、上手く受け流す。
でも_
「え、でも俺ちょっと好きかも。付き合う?」
スタジオが一気に盛り上がる。
「ちょ、やめてくださいよ〜」って笑いながら、軽く肩を押すリオ。
距離、近い。
“仕事”なのはわかってる。
盛り上げるためのノリ。
_頭では。
サ(…触ってる)
サンウォンは、横で笑いながら、ずっと見ていた。
カメラが回ってる間は、完璧な顔。
でも、指先だけが無意識に強く握られてる。
収録が終わったあと。
控室のドアが閉まる音が、やけに重かった。
リ「今日の収録、楽しかったな」
空気を軽くしようとするリオ。
でも_
サ「楽しかった?」
低い声。
振り返ると、サンウォンがドアの前に立っている。
逃げ道がない。
リ「…なに怒ってんの」
サ「怒ってない」
即答。でも目が全然違う。
リ「じゃあ何」
サ「別に」
そう言いながら近づいてくる。
一歩ずつ。
サ「距離近すぎ」
リ「仕事だって」
サ「触られてた」
リ「だからそれも_」
サ「笑ってた」
言葉が被せられる。
リオが一瞬、黙る。
サ「…ああいうの、平気なんだ」
静かな声の方が怖い。
リ「サンウォン、それは」
サ「僕以外でもいいんだ」
リ「違うって」
サ「何が」
間を詰められる。
壁に追い込まれて、リオの視線が揺れる。
サ「僕がああやって触ったら、逃げるのに」
心臓が、ドクンって鳴る。
サ「他の人には笑うんだ」
リ「……」
言い返せない。
だって、図星だから。
サンウォンの手が、リオの腰にかかる。
強くはないのに、逃げられない。
サ「ねえ」
顔、近い。
サ「どっちが仕事で、どっちが本音?」
その問いに、答えられないまま_
唇が重なる。
さっきのスタジオとは全然違う、静かで重いキス。
離れたあと、サンウォンが小さく笑う。
サ「…僕の方がマシでしょ」
その言い方が、やけに刺さる。
リオside
あの日の収録から少しずつ何かが変わった。
サンウォンが、何も言わなくなった。
リ「おはよ」
サ「おはよ」
返事はする。普通に。
でもそれ以上、何もない。
触れてこない。
視線も、すぐ外す。
_あんなに、近かったのに。
リ「サンウォン、これ確認しといて」
仕事の話。
サ「うん、後でやる」
それだけ。
前なら、ついでに何か言ってきた。
どうでもいいことでも、無理やり話を続けてきた。
なのに今は、終わる。
全部、終わる。
リ(…楽なはずだろ)
俺はリーダーだ。
この関係が曖昧なままの方が危ないって、ずっと思ってた。
だからこれでいい。
いいはずなのに_
リ「……なんで」
小さく漏れた声に、自分で驚く。
ある日、ダンス練習後、
メンバーが帰っていく中、リオはわざと残った。
サンウォンも、まだいる。
チャンスなのに、言葉が出ない。
先に口を開いたのは、サンウォンだった。
サ「先帰っていい?」
それだけ。
リ「…あ、うん」
あっさり。
それで終わりそうになって_
気づいたら、腕を掴んでた。
リ「待って」
サンウォンが止まる。
振り返る顔は、前みたいな熱がない。
それが、余計に怖い。
サ「…何」
リ「なんで最近、避けてんの」
言ってから、遅いと思った。
“避けてたのは自分だった”のに。
サンウォンは少しだけ目を細める。
サ「避けてないよ」
リ「じゃあなんで_」
サ「やめただけ」
言葉、軽すぎて逆に刺さる。
リ「…何を」
一瞬の沈黙。
そのあと、淡々と。
サ「リオヒョンに期待するの」
息が止まる。
サ「どうせ仕事優先だし」
サ「俺のこと、曖昧にするし」
一個一個が、正しいから何も言えない。
サ「だからもういいかなって」
笑ってる。
でも全然、笑ってない。
サ「…僕、別にいなくても困らないでしょ」
その一言で、胸がぎゅっとなる。
リ(違う、)
って、思った瞬間には口が動いてた。
リ「困るに決まってんだろ」
サンウォンの目が、わずかに揺れる。
リ「お前いなかったら、無理だし」
言ったあと、止まれなかった。
リ「なんで急に引くんだよ」
リ「今まで散々来といて」
自分でも、何言ってるのかわからない。
でも止まらない。
サ「…勝手すぎだろ」
サンウォンが、一歩近づく。
さっきまでの距離とは違う。
少しだけ、熱が戻る。
サ「勝手なの、どっち」
低い声。
サ「僕、ずっと待ってたけど」
心臓がうるさい。
サ「リオがちゃんと来るの」
_来るの。
その言葉に、全部詰まってる。
逃げてたのは、自分だって。
リ「……」
何も言えないリオを見て、サンウォンが少しだけ目を伏せる。
サ「ほら、やっぱ無理じゃん」
そう言って離れようとする腕を_
今度は、強く掴む。
リ「無理じゃない、」
反射だった。
でも、本音だった。
サンウォンが止まる。
サ「…じゃあ何」
試すみたいな目。
逃げ道、ない。
リオは少しだけ息を吸って、
リ「……行くなよ」
やっと、言えた。
余裕のない声で。
その瞬間_
サンウォンの表情が、崩れる。
その後
空気が、止まる。
サ「……」
何か言おうとして、やめるサンウォン。
さっきまでの強さが、少しだけ揺らいでる。
その一瞬を、リオは見逃さなかった。
_言葉じゃ、また逃げる。
そう思った瞬間、
ぐっと腕を引いた。
サンウォンの体が近づく。
サ「っ、リオ…」
名前を呼ばれる前に、
そのまま唇を重ねた。
サ「んッ…?!」
一瞬、固まるサンウォン。
逃げようと思えば逃げられる距離なのに、
動かない。
いや、動けない。
リオの手が、軽く背中に回る。
強くはない。
でも、離さないっていう意思だけははっきりしてる。
サ(……ずる)
サンウォンの呼吸が乱れる。
いつも自分がやってたことなのに、
同じことをされると、こんなにも崩れる。
リオは何も言わない。
ただ、少しだけ角度を変えて、
もう一度、触れる。
さっきよりゆっくりで、
逃げ場を与えないキス。
サ「……なんで」
やっと離れたあと、サンウォンが低く呟く。
でもリオは答えない。
代わりに、額を軽く押し当てる。
視線だけが、真っ直ぐ。
リ「……」
言葉を探してるのがわかる。
でも出てこない。
それが逆に、全部伝わってくる。
サンウォンが、苦く笑う。
サ「…それ、反則」
一歩、距離を詰める。
さっきまでとは逆。
サンウォンがリオを見上げる形なのに、
空気は完全にサンウォンのものになる。
サ「言わないくせに、そういうことするんだ」
リオが少しだけ視線を逸らす。
その隙を、逃さない。
顎に指をかけて、無理やり戻す。
サ「逃げないで」
さっきより、近い。
サ「責任とって」
そう言って、
今度はサンウォンからキスを返す。
リ「んぐッ…、」
さっきより強く、深く。
リオの肩が、わずかに揺れる。
体格では勝ってるはずなのに、
押されるのは、こっち。
サ「……なあ」
唇が離れたあとも、距離はそのまま。
サンウォンの声が、少しだけ震えてる。
サ「これでまた、“流れ”とか言ったら」
一瞬、間。
サ「今度こそほんとに離れるから」
脅しじゃない。
本気。
リオは少しだけ息を吐いて、
_また、何も言わずに
サンウォンの服を軽く掴んだ。
コメント
3件
ほんとに話が好きすぎる‼️🥹 本当に主さん神です🫶🫶