第三章 ー背中合わせの銃口ー
「……ここが、次の作戦地点か」
鬱先生は望遠鏡を覗きながら、低く呟いた。
通信傍受、敵の配置確認、機密転送阻止。
今回の任務は、情報部隊が前線に立つレアケース。
「こっち、ハッキング完了。侵入経路、開いたで」
ショッピの声が無線に入る。
「今すぐ進入できる。あと……俺の背中、任せたわ」
「……ああ」
背中合わせに配置された2人は、言葉少なでも呼吸はぴったりだった。
撃ち合いの中、鬱先生がふと呟く。
「なあ、ショッピ」
「ん?」
「……もしまた俺が“疑われる”ことがあったら、その時もお前、俺の味方してくれるか?」
一瞬だけ、無音。
「何言ってんの、鬱先生。
俺はもう、“疑った自分”だけで一生分後悔したんや。
今さらまた疑うくらいなら、俺が先に撃たれるわ」
「……馬鹿が」
でもその声は、笑っていた。
これで本当にこの物語は終わりです
ありがとうございました!!
コメント
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こんばんは。 貴方の小説に感動 致しました! 書き方が切なくて、言葉がとても美しく感じました。