(俺はここに居て良いのだろうか。)
そんな不安が頭をよぎった。
学校には行ってないし、運営国に拾ってもらったのに我々国に攫われたし、保護させてもらうと言われたとき、本当は運営国に、
帰ると言いたかったが、そんなこと言ったら自分の身の安全すらも確保できないと思って、承諾しちゃったし…
「はぁ…」
ため息をついていると、窓の外に人の気配がした。
「あーバレちゃったかぁ〜w」
窓の縁に植木鉢の中に入った、サボテンが…居た。置いてあったと言うか、動いていて目があって、尻尾みたいに花が生えていた
「えっと、、、どちら様ですか?」
「ん、あぁ名乗り遅れたな、俺の名はぐちつぼ。限界国の中で一番リコーダーを吹くのが上手い男だ!」
「あぁ。わざわざご丁寧に自己紹介ありがとうございます。おかえりください。」
「わかった、ありがとな!…じゃねぇよ!」
とても声がうるさく、面白い奴だと思った。多分こいつも化け物の部類に当たるのだろう。
「俺はな、運営国に新入りが入ってきて、速攻問題を起こしたと思ったら、我々国に捕まったって聞いて偵察に来たんだよ」
「それなら俺にバレてるから偵察にならなくないすか」
「だ・か・ら困ってるんだよ!」
「はぁ、というか貴方化け物ですよね、どうやって我々国に侵入したんですか?」
「よくぞ聞いてくれたな!よぉく見てろよ!」
そう言うとぐちつぼさんは指を鳴らし、その途端にサボテンの姿から白いキャップ帽を逆向きに被った好青年に変わった。
「すげぇ、、、!」
「だろ?!でもな、これ欠点があって」
そういってぐちつぼさんが後ろを向くとさっきの尻尾みたいに生えていた花が、尻尾として生えていた。
「ほんとだ、尻尾生えてる。」
「そうなんだよ」
ちょっとしょんぼりとした顔をぐちつぼさんがした後に
「おっと、時間みたいだねそれじゃあばよ」
そういってサボテンの姿に戻り、窓の縁からぐちつぼさんが飛び降りた。
(化け物だからって降り方エグすぎだろ)
その数秒後、前にあったシャオロンと、鬱が部屋に入ってきた。
「お前捕まってんのかよ〜絶対捕まらんと思ったわ、なあ大先生」
「それな〜お前強すぎてちびったのにあっさり捕まって」
「ほんで、本題!…あんた我々国の幹部になる気はあるか」
「…は?」
あまりこの二人が得意では無いため黙っていたが、つい声に出てしまった。
「いや、今すぐとは言わんよ。ただ、前に見たあの力は総統クラスや。」
「シャオロン。こいつは仮にも運営国の手の回し者やで、確かにグルちゃんは色々話してきなって言うたけど、流石にあれちゃうか、」
「欲しいやつは欲しいやろ。だって、ゾムも気に入ることなんて滅多にないで、、、まぁ、その気になったら言うてくれ。」
「はぁ…あ、鐘なっとる」
鬱の言う通りチャイムのようなものが城中に鳴り響いていた。
「ご飯の時間やd」
瞬間鬱の頬が蹴られ、鬱が元々居た場所にはゾムが立っていた。
「はよ、いこうで!」
「ちょ、ゾム!」
02ぬ