キーンコーンカーンコーン。
帰りのホームルームも終わり、ランドセルを背負う
早めに家に帰らなくては、家に入れて貰えないのだ。
グラウンドでサッカークラブチームが自主練をしているのを横目に、門をくぐり抜ける。
学校でも孤立し、常に1人でいた。
ただ、幼なじみの”輝樹”だけは未だに仲が良い
幼稚園の時に出会った輝樹。
あのときは、まだ両親は仲が良かったな
なんて、思い返しながら帰るのが日課だった
家には冷たい視線を送る母、ギャンブルにハマってしまった父が待っている。
父からは競馬やパチンコで負けた腹癒せに殴られたり、母からは完全に無視をされ続けている。
今でも思う。どうして世界はこんなにも不公平なのか
どうして、どうして、?
(ドアが開く)
ガチャ
柊「ただいま、」
珍しく今日は怒声がない。恐らくテレビを観ているのだろう、と思い部屋へ向かう。
しかし、父の部屋の前を通ろうとした時だ
父「おい、お前ちょっとこっちこい」
嗚呼、今日はどんなことされるのかな。と他人事のように考える。
部屋へと引きずり込まれ、殆ど馬乗りされた状態だった。すると、険しい形相をした父が、何度も殴り続けた。
顔など、目立つところは周りから心配されやすいため腹や背中をよく殴られていた。
『どうして僕はこんなに痛いことをされ続けなければいけないの?どうして?ねぇ、ききたいよ』
その思いは届かず、殴られ続けるのだ
ご飯は当然作ってくれる訳もなく、自ら食料を探すのが日課だった。
食べられそうな食材を探しては、よく生で食べていた。しかし、料理についてある程度知識はあったため、少しずつ覚えることも増えた。
ご飯を食べて、片付けをして、お皿を洗って、洗濯機は使えないから服を手洗いして、干す。
一人暮らしを余裕で出来てしまいそうだ。
全て終わったら、寝るところもないためクローゼットに隠れて寝ていた。
時折、家には親戚が来る。
お父さんの家族。
昔ながらの〜だとか、権力が〜だとか言ってたけど、殆ど覚えていない。
しかし、一つだけ記憶に残っている人がいる。
叔父さんは、いわゆる性的暴行を加える人だった。
それは勿論、女性に対しても、男性であってもだ。
立場の弱い、幼い僕を押さえつけては服を脱がし、色んなことをしてくるのだ。
嗚呼、やだやだ。こんな話をしていたら鳥肌が立つ。
この「家庭内暴力」に関して学校も真面目に聞いてはくれなかった。いや、諦めていたのかもしれない。
あの時までは、仲が良かったのになぁ。
何かしちゃったかなぁ。
でも、もう遅いってことに気づいて
戻れないって思うと
つらいなぁ。
輝樹「…柊?」
柊「えっ、」
ボーッとしていたようだ。
生徒会の話し合いをしている輝樹を待つために、教室に残っていた。
輝樹「もう終わったよ。一緒に帰ろ?」
柊「…うん!」
この話は、また今度ね。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!