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おかあさん、おかあさん。
貴女の息子さんが今日、 人を殺したそうですよ。
それはもう、たった数秒間の出来事でした。
ええ、私は見ていましたから、
わかるのです。
相手の首に何の躊躇いもなく、包丁を突き刺していました。
それはもう、何度も何度も刺していました。
数えるのが億劫になるほど、包丁を突き刺していらっしゃいました。
え?お前は誰だ、ですって?
あぁ、これは失礼致しました。
私は貴方の息子さんの鏡?とでも言いましょうか。
名は****と申します。 以後お見知りおきを。
それで話を戻しますとですね、
貴女の息子さんは今、パニックになっておられます。
ですので、貴女に助けを求めにきたのです。
どうか協力して頂けないでしょうか。
え?顔も知らない嘘つきに貸す耳はない?
でも、本当ですよ?
貴女のご子息様の****さんが、人を殺していましたよ。これは間違いようのない、事実なのです。
それに、前にお会いしたときには私もいたのですが…
え?
もしも事実だとしても、警察に突き出す?
うーん、それは困った。
僕ならばどうですか?
僕ですよ、ママ。
あなたの息子!
おかあさん、助けてくださいよ。
おかあさん、助けてください。
ママ、私を助けて!
おかあさん、僕を助けてくださいよ。
ママ、助けて。私を助けて。
ママ、僕を助けて!
ママ、ママ、助けて、助けて、
駄目?
じゃあ死ね!
ごめんなさい、ママ。
ああ、
ママ、僕は貴女が助けてくれるって信じていたのに。
ああ、
ママ、僕は貴女を信じていたよ。
ああ、信じていたのに。
ああ、信じていたのに。
ああ、信じて、いた、のに…
コメント
1件
読み返すと中々恥ずかしいものがある。