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「イルラック!サフィーナのこと見てない?」
「見ておりませんが、どうされ、ました、か……?」
振り返り有明透晴を一瞥すると驚き固まってしまった、無理もない驚かない方がおかしかった。
有明透晴は鎧を脱いでいて頭と腰あたりからは猫の耳と尻尾が着いている。髪色に合わせた紺色で尻尾の毛先はピンク色になっている。それに毛量が多い長毛種なのか?……というか、王に、有明透晴にこのようなことを出来る人物がいるということか
「そ、それは一体……」
「あぁこれ?さっき急に攻撃されて、倒したんだけど、死んだ時に出てきた煙吸っちゃって、気付いたら生えてた」
「スキルですか、ダメージは?」
「今のところはない、けど少し動きが鈍くなったかなでも感覚
が鋭くなった気がする」
「そうですか……お、王、失礼を承知の上でお聞きするのですが……触っても宜しいですか?」
大男がソワソワとしながら自分の主に触れてもいいかと聞いている傍から見るとおかしな光景だろう。それは透晴にとっても同じで困惑したような表情を浮かべている
「えっ?……まぁ、いいけど、」
困ったように頭を差し出すとイルラックは手袋を外し、迷いなく手を耳に伸ばした。
耳に触れた、皮膚は薄い外側は毛が薄くサラサラしている内側は細い毛が多くふわふわしている。
一方透晴は言い表せない感覚に戸惑い少し顔を顰めているが痛みや不快感はなく不思議と落ち着く気がする
「後ろ、失礼します」
抱き寄せるような形になり尻尾の根元付近に触れられる。イルラックの腕の中に透晴が埋まり身動きが取れない。
「これはどのようにして動いているのですか?」
「うーん、無意識だから、分からないな」
「そうですか」
少し残念そうに眉を顰めるがすぐに調子を取り戻し尻尾の付け根を触り、押したり擦ったりして動き方を確かめた。強く擦ると透晴がビクリと震え途端に力が抜けた
「王?!も、申し訳ございません……!痛みますか……?」
「……?、?分からない、痛くは無いけど、力が入らなくて、……」
敏感なところだったのか、痛みは無いようだから続けてもいいのだろうか……
「ここ、痛くありませんか?」
「ぃ、痛くないけど……」
先程よりは弱く触っているが、それでも腰にくる刺激が大きい。じくじくと波のように押し寄せてくる 一つ一つは小さい、だんだん慣れてきたから何とか耐えられそうだけど、……いや、やっぱり無理かもしれないこいつ調子に乗ってだんだん力を入れてきている。蹴飛ばしてでも辞めさせたいが上手く力が入らない上に身体が火照ってきて頭も刺激でおかしくなりそう。
大声で誰か呼ぶか?いや、大きい声が出ない出てもサフィーナや黄金騎士達に醜態を晒すわけにもいかない
「……お、おい、イルラック……もういいだろ……!」
腕で押し返そうとするが、力が上手く入らない上に倍以上もある身長の相手に力で勝てるわけもなく、ビクともしないまるで、暖簾に腕押しだ。
「……ィルラック……!いい加減に……!」
「……兄上?何をしておられるのです」
ルドウィーグ……最悪だ、いや、まだイクシスや、バーレイジではないだけマシだったかもしれない……あの二人に気付かれればすぐにサフィーナに報告される……だが相手はルドウィーグ、バレなければどうということはない。
いつもみたいに言い争いを始めないといいけど…
「……何もしていない、何の用だ」
「……?!おい!イルラック!何して!」
力の抜けた身体を紅の外套の内側に隠すをように抱き抱えられ思わず声が出た。
こいつは何をしているんだ、バレたらなんと言えばいい?この状況を見られたらさすがのルドウィーグでもサフィーナの元へ走るだろう……
幸い、声が小さかったから、ルドウィーグには聞こえていないようだが、
「王を見ておられませんか?出られてからしばらく戻っていないと、」
「俺は見ていない用が無いならもう行くぞ」
いつもと様子が違うイルラックに気付いたか、怪しまれている、上手く切り抜けて欲しいが、イルラックにそんな芸当出来るわけもないだろう……
「兄上、何か隠しておられますか?」
「……なにも、見てない、知らん」
このアホ!嘘が下手すぎる!何か隠しているのかって聞かれているのになぜ知らんって答えるんだ!そんなのなにか隠してるってバレるに決まっているだろ!
「兄上……何を隠しているのですか! 」
「ええい!やめろ!知らぬと言っているだろう!」
攻防が始まったルドウィーグが紅の外套を剥ぎ取ろうとし後ろから捲られた際、尻尾が少し出てしまったそれをルドウィーグが見逃す訳もなく目敏く見つけ、思い切り掴まれてしまった。痛い!痛すぎる!昔スシの尻尾を誤って踏んでしまった時ものすごく怒られた今ならスシの気持ちが分かる
これは痛すぎる、神経が多く集まっている部分だからか、痛みを多く拾い上げてしまう、思わず声が漏れた、流石にルドウィーグにも気付かれただろう、
「王……?そこで何をしておられるのですか……? 」
「すまない……ルドウィーグ、掴まないでくれ……」
驚き尻尾を離された。透晴もイルラックの鎧を小突きおろせと合図を送りようやく離された。
まだ少しふらつくが先程よりは少しマシになっただろう。股の間から尻尾を取りさすった。
腫れてないといいけど、
「お、王……それは何ですか……?」
この兄妹はいの一番の同じことを聞いてくる。
先程と同じように、ルドウィーグでも分かるように説明したが、それでもまだ理解できないというふうな顔をしている。それが少しおかしくて笑みが漏れた。笑うと少しだけましになった気がした
「多分、時間経過で戻るから大丈夫だとは思うけど」
「……王、失礼だとわかっていますが……」
「ダメ」
「まだ何も言っておりません!」
どうせ触らせろとか言い出すんだろうさっきも同じことをお前の兄に言われたばかりだから分かるに決まっているあんなことをされて良いと言うわけが無い
「どうせ触らせて欲しいって言うんだろ……」
「む、ほ、ほんの少しだけです……!」
「ダメ!」
「随分と楽しそうじゃな?透晴?」
「……サフィーナ……」
「お主らはもう下がれ」
ムッと顔をしイルラックとルドウィーグにシッシッ言うようなジェスチャーで追い払った少し残念そうにイルラック達は去っていった。これでひとまず安心か?いや、面白ければなんでもいいサフィーナがいる、これならまだルドウィーグ達の方がマシだったかもしれない……
「これ、時間経過で消えるのだろう?先を越されてしまったし、消える前に妾も楽しみたいのだが?」
「ダメだよ、サフィーナ」
「えぇ〜全くお主はケチじゃのう……減るものでもないだろう少しだけなら良かろう?」
「ダメ!そう言ってどうせ終わらないでしょ!」
言い争っている間もサフィーナの手は止まらず尻尾を撫でたり耳を触ったり好き放題している。
また尻尾の付け根を擦られた。足の力が抜け地面に倒れ込んだ。その上にサフィーナが覆い被さるようにして乗ってきた本格的に逃げ場がなくなってきた……終わった……
「どうせお主は断れん、それに、妾がお主を楽しませてやれるが、良いな?」
断れるわけがない。もう受け入れるしかない。
自分よりも力も体格も下の相手に組み敷かれている現実が無性に恥ずかしくなり顔を背けたが、それもサフィーナを楽しませる要素のひとつでしなかった
「はぁ……ちょっとだけだよ……!」
「勿論じゃ」
終わりです!初めて小説書き終えたので達成感が凄いです!難しかったけど楽しいのでまた書こうと思います。このふたりは多分こと後致すと思いますが流石にそこまではかけないのでご自由に想像して貰えると幸いです。最後まで読んでくださった方ありがとうございました!このシリーズは続くと思うのでよろしくお願いします!お疲れ様でした!