コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「……あの、俺と付き合ってくれない?」
目の前の青年が、顔を赤らめながらこちらを向く姿が格好良く見えたという理由で
「いいよ」
なんて、言ってしまったのがいけなかった。
二ヶ月後…。
「なぁ、もう俺たちそういうことしたっていい関係だろ?」
「やめて…」
「何でだよ、俺待ったじゃんっ」
「? 待つって…」
そんなに短いの…?
「とにかく無理なのっ」
「だから何でだよ!」
腕を掴まれ、押し倒される。
『ああ、部屋になんてあげるんじゃなかった。』
泣きたいのに恐怖心がそれどころではないと叫ぶ。
「や、やめ…!」
声がうまく出ない。助けを求められない。
「はっ、なんで被害者ヅラしてんだよ。部屋に入れるんだから、こうなるって分かってただろ?」
違う。違う。違う!
「違う…」
「はぁ? ていうか、常識だろ」
常識…? じゃあ、私が、おかしいの…?
「まぁ、良いよ。今からヤるから」
「⁉︎ っ、嫌!!!」
私は咄嗟に男を突き飛ばして、ドアを開いて外に出た。
そのまま走って走って、近くの公園にたどり着くと、私はへたり込んだ状態で号泣した。
「う…うぅ〜!!」
その瞬間だけは嫌でも忘れない。
私が初めて、
恋愛の苦い部分を知った日の出来事だから。