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「」葛葉
『』叶
※キャラ崩壊、口癖 注意
#1の話の日の続きです
−葛葉side−
(帰宅後)
家に帰るなり、俺はベッドに倒れ込んだ。
「はぁ…散々な日になった。」
叶が俺をからかって耳元で『だって僕葛葉のこと大好きだもん』なんて言ってきたせいで
その日はまともに叶の顔が見れなかった。
休み時間、叶はいつも通り俺を昼飯に誘ってきたが叶の顔を見た途端、また心臓がうるさく鳴りだして
反射的に逃げ出してしまった。
「叶、傷ついたかな…。」
今日1日、変な態度をとってしまったことを謝ろうと思いスマホを開きメッセージアプリを起動する。
【今日は変な態度とってごめん】
そう送ろうとしたがふとメッセージを送る手が止まる。
ただメッセージを送るだけなのになぜか妙に緊張する。
「…くっそだたメッセージ送るだけじゃねぇか。どうしちまったんだ、、俺」
叶と明日も変な空気になるのはさすがにまずいと思いメッセージを送ることを拒む身体を半ば強制的に動かし
メッセージを送る。すぐさまスマホを閉じて再びベッドに潜り込む。
やっぱ俺、最近なんかおかしい、、、。叶のパーソナルスペースが近いなんて今に始まった話じゃないし、
今までは気にしたこともなかった。なのに…。
ピコンッ
スマホの通知音が部屋に鳴り響き、急いでスマホを開く。叶からだった。
【別にいいよw気にしてない。それよりなんかあった?話聞くよ】
叶らしいメッセージに思わず顔がほころんでしまう。
叶といるとなんか緊張する…なんて言えるわけもなく、
【いや、大丈夫。心配してくれてありがと】
とメッセージを送りスマホの電源を切る。
これで大丈夫、明日からはまた普段通りに叶と接することができるはずだ。
もうこれ以上叶に会うたびにあんなことになってたら…
俺の心臓がもたない、、、。
−叶side−
(帰宅後)
なんかおかしい。今日1日の葛葉の反応をおもいだす。
僕がからかうといつもならもっと面倒くさそうに、もっとシンプルにあしらわれるのに…。
今日の葛葉はなんだか葛葉じゃないみたいな反応ばかりしてきた。
今朝だってそうだ。あんなに顔真っ赤になって恥ずかしがってる葛葉なんて初めて見た。
学校についてからも、ちょっと話しかけただけで顔真っ赤にして逃げられてしまった。
『僕、なんかしちゃったかなぁ…』
身に覚えはないが葛葉と明日の朝もこんな雰囲気になるのはさすがに気まずい。
僕が気付いてないだけで葛葉になにかあったのかもしれない。
『一応…謝っとこうかな。葛葉に嫌われるのは絶対に嫌だし』
そう思いメッセージアプリを開く。
【葛葉、僕なにかしちゃったかな?だとしたらごめんね。仲直りしたいな】
メッセージを打ち終わり、送ろうとしたその時ー。
ピコンッ
『うわっ!?』
タイミング悪く葛葉からメッセージが来てしまった。
トーク画面を開いていたせいですぐに既読がついてしまう。
『うわ最悪…。すぐに既読つけちゃった。気持ち悪がられたらどうしよ…』
葛葉のことだからそんなこと気にしないと思うが万が一、僕の気持ちがバレたら…。
『はぁ…なんでも気にしちゃう癖、直さないと、、、』
なんでもすぐに気にして悪い方へ考えてしまう癖に嫌気が差しつつ、葛葉からのメッセージを見る。
【今日は変な態度とってごめん】
珍しく葛葉も今日のことを気にしてるらしい。
葛葉のことだからとっくに忘れてゲームでもしてると思ってたのに。
【別にいいよw気にしてない。それよりなんかあった?話聞くよ】
自然に。あくまで友達として、不審に思われないようにメッセージを返す。
メッセージ1つ返すだけでこんなに考えてしまうなんて。
自分のことを友達として見ているであろう相手への恋心を隠すことがこんなに難しいなんて思ってもいなかった。
葛葉のことを好きになったのは中学3年の春頃。
葛葉のふとした表情や動作にドキドキしてしまっていることに気付いたときすぐに分かった。
これは恋だって。
自分の気持ちに気付いた時、嬉しさと驚き、同時に不安もあった。
葛葉にこの気持ちがバレたらどうなるんだろう。嫌われてしまうかも知れない…って。
絶対にこの気持ちはバレてはいけない。この気持ちがバレたら今までみたいに一緒に過ごせなくなる。
だから隠さなきゃって。
『あのときは、もっと上手く隠せると思ってたんだけどなぁ…笑』
そんな複雑な思いを胸にベッドに潜り込む。
ふとスマホを見ると葛葉からの返信が来ていることに気付く。
【いや、大丈夫。心配してくれてありがと】
葛葉らしくない文面に思わず笑ってしまう。
『ふはっ絶対嘘じゃん!笑』
葛葉の”大丈夫”は大体なんかあったときにそれを誤魔化すためのお決まりの言葉だ。
でもなんとなく、深入りしない方がいい気がしあえて返信しないことにした。
ふと外を見るともう夕暮れ時でカーテンの隙間から覗く柔らかい光が僕の顔を照らしていた。
『いつか、いつかこの気持ちを葛葉に伝えられる時が、、、来るといいな。』
多分叶わないであろう願望を口にして、瞼をとじる。
学校疲れで重たい身体とは裏腹になぜか心は晴れていた。
みとめたくない恋 #2 fin.