テラーノベル
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キーンコーンカーンコーン —
帰りのHRの終わりを告げるチャイムが鳴る 。
明日からは夏休み
「 あかり ー! 」
見慣れた顔が教室のドアから顔を覗かせた
『 いまいく!』
指定の通学カバンを片手に持って駆け寄る
「ねぇ 。夏休みって何するの?」
『う 〜 ん 。受験生だし暫くは塾で自習かな』
「そっか 。」
進路が決まった幼馴染の侑華は
空をぼーっと見上げる.
「夕焼け 、今日の綺麗だね」
『ほんとだ 。』
紅く染まった空が美しく綺麗で
見慣れたはずの夕空が今日は見慣れなかった
「暑いし駄菓子屋で氷菓買わない?」
私は微笑んでその提案に賛成をした 。
「おばちゃ 〜 ん 、氷菓もらうねー!」
そう言って侑華はメロン味の氷菓を
2つ手に取った 。
『ん ー っ 、暑い日の氷菓がいっちばんうまい』
ベンチで肩を並べて座り 、
氷菓を2人で食べる 。
「2人で食べるなら尚更美味しい 。」
『ねぇ、侑華』
「うーん、?」
『夏休み 、なんか予定ある ?』
「ううん 、今のところ無いよ。…どうして?」
『そしたらさ、夏休みのどっかで—』
5時のチャイムが私の言葉を遮る 、
思わず軽く唇を噛む私に
「…、夏休みのどっかで … 、なに?」
私の言葉を聞き直そうと
侑華は優しく質問をしてくれた
『花火 、見に行こうよ 。』
高校生活最後の夏 。
「お、いいじゃん花火 。」
突然立ち上がったと思えば
見に行こう !!と振り返って
ベンチに座ったままの私に手を差し出す 。
うるさい蝉の合唱が
一瞬 、聞こえなくなった気がした
コメント
3件
え?続きは?? 面白すぎな!!てか、2人ともかわいいなぁ!