寝て疲れをとったはずなのにまだ肩が重い気がする。気が沈んでいるがゆっくり窓を見た、晴れている空でも見たら元気をもらえると思ったからだ。
『雨……か、』
いつも晴れて欲しい日と晴れて欲しくない日が逆になる。神は俺の思いを叶える気が無いようだ。理不尽でしかない、周りは皆幸せなのに俺だけが孤独なような、そんな気がした。
『寂しい、のかな……幻太郎達に会いたい』
ガラガラガラガラ
『麿を呼びましたでおじゃ〜?』
……今回ばかりは願いを叶えてくれた。神なんて信じてなかったけど少しは信じれるかもしれない。ところで幻太郎はなんで来たのだろう?
『なんで来たの?』
『乱数が倒れたと聞いて2日ぐらいかけて来ましたよ。ホントになんで倒れるんですか……』
倒れた……?寂雷からはそんなこと一切聞いていない。ただ俺の探す人を妄想だ何だ言われただけだ。
『乱数……これ以上大切な人を減らさないでくださいね、』
『お兄さんのこと……?ホント大変だったね』
『自分より仲間を大切にするところホント変わりなく優しいですね、貴方は』
優しい、その言葉はまたどこかで聞いたことがある。「優しい」 「唯一無二」この2つはどこかで聞いたことがあった。また心にぽっかり穴が空いたみたいで塞がらない、それがとてつもなく嫌だ。
『……また小説が出来ましたよ。試しに読んでください。』
『いいけど……』
ペラペラ ペラペラ ペラペラ ペラペラ
幻太郎は珍しく恋愛物を書いていたそうだ、ただ最初は暗くある一人の少女が死にたがっていた…いじめに逢いなんなら親からは虐待を受けていた。そこにある少年がくる、ただただ寄り添い話を聞いていただけなのに、少年は少女から好意を抱かられていた。少年もいつしか少女を好きになっていた。たったそれだけなのに…幸せになってもいいのに…少女は珍しい病にかかった。その結果…少年は少女を忘れた。そんなバットエンドな結末。これもまた珍しくあまりファンシーでもない、なんならバットエンド、悲しみの物語だった。
『ねぇ幻太郎やっぱり神様は不平等なのかな?』
『碧棺左馬刻も公平なものなど存在しないという言葉を選ぶくらいですしそうなのかもですね』
『可哀想、でも忘れても好きだったら探したいよね…なんなら忘れたくないよね』
『これがヒットするか、はたまたしないか、これもまた神にしか分からない、やはり不平等です』
『あははっ何それ、幻太郎らしいね』
『まぁ今回は嘘偽りはありませんよ』
『まぁそうだよね、そうじゃなきゃ…』
意味がわからないほどの痛みが頭に走る
『いっ、頭…痛い』
『乱数?!』
『飴村さん…好きです』
好き…?本当に?また1つ手がかりが出来た。彼女の瞳の色はピンクだった。泣きそうな目で…涙を溜めた目で俺に好きと言ってくる。これが現実なら今すぐにでも俺も同じなんだって伝えたい。
『幻、太郎、青髪のツインテールで、声が低めで瞳がピンクの人…知らない?』
『っ?!そ、それは言えません。』
✩.*˚✩.*˚✩.*˚
今日は乱数のお見舞いに小説を持ってきた。コレはフィクションを混ぜ入れた話しだ、コレであの人の存在を思い出さないで欲しい、可哀想なのもあり彼女の存在を混ぜ入れたものの…
『幻、太郎、青髪のツインテールで、声が低めで瞳がピンクの人…知らない?』
この言葉を聞いた瞬間自分が余計なことをしたのではないかと不安になった。完全に誰か分かったようではないがすぐバレるのではないか…そんな思いが背中を重くした。もう余計なことはしたくない。流石にヒントを与え過ぎた。あまり彼女のことは教えないようにしよう。
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スゥゥゥ 好きぃー!!!!! (主は今ルーク・ハントくんを描いて苦戦中)
げんちゃろ~!!!泣