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𝓗𝓪𝓶𝓾
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#アイドル
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──当日、行くかどうかを迷ったけれど、もし復縁の話だったりしたら、今は彼氏がいるからとちゃんと話そうと決めて、待ち合わせのカフェに向かった。
中に入ると既に彼が来ていて、テーブルに向かい合わせに腰を下ろした。
「わざわざ来てもらって、すまないな」
「……うん、別にいいよ」
「オーダーは、何にする?」
言う彼に、「カフェオレを」と伝える。
テーブルに彼の頼んだホットコーヒーと、私のカフェオレとが運ばれてくると、
彼がごくりとコーヒーを一口飲んで、
「……今、彼氏はいるのか?」
と、切り出してきた。
その問いかけに、やっぱりよりを戻す話なのかなと思いながら、「……うん」とだけ、頷く。
この後の話によっては、強気な態度に出なければならないかもと感じていると、
「そうか……」と、彼は意外にあっさりと受け入れて、「彼がいるのに、悪かったな……」と、申し訳なさそうにも口にした。
「春樹は……? 彼女は、どうしたの?」
復縁の話ではないんだとすると、あの時に一緒にいた女性はどうなったんだろうとふと気になった。
「ああ、彼女とはもう……。もともとおまえと上手く行かなくなったタイミングで、成り行きで付き合ったような感じだったしな……」
「そうなんだ……」頷くと、
「あんな当て付けみたいなことして、本当にすまなかったな」と、頭が下げられた。
「ううん、いいよ……もう気にしてないから。だから謝ったりなんてしないで」
「ああ……」と、彼が顔を上げ、ひと息をつくと、
「……俺、海外に赴任することになったんだ」
思いも寄らない一言を告げた──。
「えっ、海外赴任……?」
突然のことに、驚きを隠せないまま問い返す。
「ああ。だからあのマンションも引き払うし、こっちに帰ることはもうあまりなくなるから」
「そう、なんだ……」
やっとそれだけを口に出す。そういえば彼は商社勤めで海外への転勤の可能性もあったはずでとは考えるけれど、急な知らせにはやっぱり驚きは隠せなかった。
「……それで、おまえに会っておきたくなってな……」
「そうだったんだ……」彼と付き合っていた三年間の出来事が思い起こされると、喧嘩もしたけれど楽しいこともたくさんあった気がした。
「ああ……、本当はだいぶ悩んだんだけどな。あんな大人げないことをしておいて、おまえに会わす顔もないような気がして……けど、日本にはしばらく帰れないと思ったら、最後におまえと会いたくなって……」
「……うん」とだけ、小さく頷く。
「俺も、おまえを裏切ったのは同じだからな、彼氏がいるのに無理を言って来てもらって、ごめんな……」
「ううん……」と、首を横に振ると、また頭を様々な思い出がよぎって、涙がこぼれそうにもなった……。
コメント
1件
みぅです🤍🥀 第48話、読みました……。 元彼が海外赴任を告げるシーン、すごく切なくて胸にきました。 「最後におまえに会いたくなって」って言葉、重いけど誠実さも感じる……。 復縁じゃなくてちゃんと区切りをつけるために会いに来たっていうのが、大人だなって思いました。 あんな別れ方したのに、最後はお互いを思いやる感じが伝わってきて、静かに涙が出そうになりました。 蒼乃さん、素敵な別れの描写をありがとうございます🌙