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農作物が実れば「貴方のおかげ」
雨が降らなければ「貴方のせい」
病にかかれば「救って欲しい」
戦が始まれば「勝利を与えてくれ」
ナチ「…また、願いか」
ナチ「雨が欲しい?晴れが欲しい?病を治せ?戦争に勝たせろ?」
ナチ「あぁ…わかってるよ。やれば良いんだろ?やるよ…」
ナチ「誰もありがとうなんて言わない。それが当たり前の様に…」
ナチ「俺はなんなんだ…?神?いや、ただの便利な道具だろう。」
遠くから聞こえる笑い声
「お前は地味だな!」
「奇跡らしい奇跡も起こさない。つまらない神」
「人間に媚びるしか脳がないのですよね」
ナチ「そうだ…俺は派手じゃない。雷も嵐もない。ただ、人をちょっと助けるだけ」
ナチ「でももう…疲れた」
ナチ「このまま消えてしまいたい…」
ナチ「もう…祈りなんて聞きたくない」
心の中がズキズキと痛い
ナチ「誰も俺を見ようとしない。必要としない」
ー小さな声が聞こえたー
??「どうか、明日も母が笑えますように」
??「どうか、神様が笑ってくれますように」
ナチ「…ぇ、俺…か…?」
ナチ「俺に…笑えと…?」
ナチ「は…はは…なんだよその祈り…そんな祈りする奴なんて見たことねぇよ…」
ナチ「俺を神様として見てくれたのか 」
ナチ「ありがとう…君だけ…君だけが」
ナチ「まだ…俺を生かしてくれる」
毎日来てくれているおかげで子の名前がわかった。日帝と言うらしい
ナチ「今日もとどいた」
日帝「どうか…母が笑ってくれますように」
ナチ「ふっ…はは…その声だッその声だけがッ俺を繋ぎ止めるッ!」
ナチ「日帝…お前の願いならなんだって叶える。雨でもッ太陽でもッ病でもッ…命だって」
ナチ「他の奴らの祈りなんて知らない。お前以外はどうだっていい」
次の日
日帝「どうか、弟が熱を出しませんように」
ナチ「あぁ良いぞ。もう熱なんて出させない近づけさえしない」
ナチ「もっと…もっと俺に祈ってくれ…縋ってくれッ」
他の神は笑うだろうな「人間の子一人に縛られている」って
ナチ「でもいい。お前がいれば俺は神でいられる」
日帝「どうか、神様が元気で入れますように」
ナチ「俺の事を祈ったのか…?」
ナチ「お前…俺の事を気にかけて…」
ナチ「もうダメだ…お前なしじゃ生きられない…」
「お前は神だぞ!?」
ナチ「もう、そんな事関係ない」
ナチ「日帝が笑ってくれるなら、世界を壊してでも叶える」
ナチ「だから…もっと祈れ…お願い…俺を必要としてくれ…」
純粋な子どもは、まだ知らない
自分の小さな祈りが、人柱の神を狂わしていることを
1話終わりです!