今日はやけに隣の病室が騒がしい
*あの子* でも来ているのだろうか
『…今日は*やけに隣が賑やか* ですね、』
診察を終えたqnがそう言った
「まぁ…そうだな、」
『…誰かお見舞いでも来てるんですかね…、 』
qnはそう言うと悲しそうな表情を薄ら浮かべた
無理もない
だって彼は、
俺と出会ってから1回も
家族がお見舞いに来ていないのだから
「…お友達じゃないかな?」
「よく病室抜け出して〇〇くんの病室行ってる子居るし」
『…良いんですか、それ?』
「いや、駄目だよ」
「でもあの2人のずる賢さには大人も勝てないよ
w」
『…そうなんですね、』
「…隣のあの子ね、*粉雪病* なんだよ」
「知ってる?」
『いや、…』
「粉雪病はね、日が経つにつれてどんどん体が粉雪みたいにばらばらになっちゃうの」
「治療法はあるにはあるんだけど…」
『…*辛さを忘れる程の幸福を味わう事* 』
「そうそう、ってなんで知ってるの!?」
『今調べました』
早いなおい…(
そう、粉雪病の治療法は辛さ*を忘れる程の幸福を味わう事* だ
けれど、彼はちゃんとトラウマレベルの苦しみを味わっており、
ちょっとやそっとの幸福では治らないのだ
…まぁ、彼が過去を見ているからっていうのも
1つの理由なんだけど、…
『…治るといいですね、粉雪病』
「本当、君はお人好しだね」
『え?』
「だって今自分の事より見知らぬ誰かの幸福願ってるじゃん」
『あぁ…』
『…まぁ、自分には回復の兆しが見えないので』
…そう、彼はまだ知らない
*電華病* の恐ろしさを…
─qn side─
暫く世間話をした後、bn先生は去っていった
『そういえば、自分の奇病よく知らなかったな』
自分以外誰も居ない病室に声が響き渡る
『丁度タブレットもあるし、調べてみるか』
そう思い、自分は近くの棚にあったタブレットを開いた
〈qnはまだ、これが悲劇の始まりだという事を知らない〉
─一番星が消えるまで後4日─
コメント
6件
qnの病気…どんなんだろう! そして○○くんは粉雪病…大変そうだあ(他人事
今回もめっちゃ面白かったです✨️ 続き楽しみにしてます!